自転車ロードレース:ルールやレースの種類を詳しく解説

健康志向の高まりの中で人気を集めているのがロードバイクです。軽くて速い自転車に乗って、サイクリングを楽しむ人が増えてきています。ロードバイクに乗り始めた多くの方が興味を持ちだすのが、「自転車ロードレース」という競技です。ロードバイクを用いたレースなのですが、始めてみる方にとっては、レースのルールや種類がわかりにくかったりします。「レース」と名のついているように、競う内容としてはシンプルなのですが、ルールや戦術を理解しないと、選手たちの動きを理解できないという側面もあります。今回は自転車ロードレースの基本的なルールやレースの種類を紹介していきます。これを読めば、初心者でも自転車ロードレースの見方や楽しみ方を知ることができるでしょう。

1.自転車ロードレースとは?

まずは、自転車ロードレースという競技の概要についてまとめていきます。自転車を使う競技には様々な種類がありますので、どれが自転車ロードレースに含まれているのかを把握していきましょう。
自転車ロードレースを一言で表すとすれば、「一般公道を使用して行われる自転車のレース競技」といえます。


まず、ポイントとして挙げられるのは、「一般公道を使用する」という点です。

自転車競技と聞いて、思い浮かぶものに「競輪」が挙げられると思います。競輪は専用のトラックを競技場として使用します。それに対して、自転車ロードレースでは、私たちが普段車などで走っている公道を競技場として使用しています。「一般公道を使用するレース」であることを最初に覚えてください。

次に、レース競技の内容についてです。自転車ロードレースでは、一般公道に設定されたコースでレースを行い、ゴールの着順や所要時間を争います。レースでは規模にもよりますが、一度に100名~200名のレーサーが出場します。イメージとしては、「自転車版のマラソン」というのがしっくりくるでしょう。

ただ、マラソンと異なる点としては、マラソンが個人競技なのに対し、自転車ロードレースはチーム競技です。出場する選手は、チームごとに分けられており、「チーム」としてレースで戦います。
しかし、自転車ロードレースの勝者は着順などによって決まった「個人」となります。
ここが自転車ロードレースを理解する上で複雑なポイントとなります。
自転車ロードレースのチームの選手には、それぞれ役割が決められています。主な役割は2つで、勝利を目指す「エース」と、エースの勝利を支える「アシスト」となります。
ほとんどのレースにおいて、チームの「エース」は1名となっており、その他の選手は「アシスト」に回ります。「エース」を勝たせるために、アシストが支えるというチーム戦術が行われており、これこそが自転車ロードレースにおいて、団体競技なのに、勝者は個人という仕組みを表しています。

2.自転車ロードレースにおけるレースの種類について

自転車ロードレースでは、主に3つの種類のレースが開催されます。それぞれルールや見どころも異なってくるので、自転車ロードレースを見ていく上では、レースの種類を理解しなければなりません。
3つのレースには、「ワンデーレース」「ステージレース」「タイムトライアル」があります。それぞれどのようなレースなのか見ていきましょう。

①ワンデーレース

ワンデーレースは1日のレースで勝者を決めるレースです。決められたコースを選手全員が一斉にスタートし、最初にゴールした選手が優勝となります。自転車ロードレースの中では、最も単純なルールなので、初心者でもわかりやすいでしょう。
1回のレースですべてが決してしまうレースなので、各選手の積極的な動きや駆け引きを楽しむことができます。
また、レースによってもコースの個性が現れており、勾配が20%を超えるような激坂を一気に駆け上がるコースや、走りにくい石畳の上を走り抜けるコースなど、レースごとに多様な展開を見ることができます。

【主なワンデーレース】
・パリ・ルーベ
・ツール・デ・フランドル
・フレッシュ・ワロンヌ
など

②ステージレース

ステージレースは、1日のレースで勝敗を決めるワンデーレースに対して、数日間から長いもので3週間に渡って行われるレースを指します。
ステージレースで代表的なのは、世界最大の自転車ロードレースとして知られている「ツール・ド・フランス」で、約3週間で約3500㎞を走って、勝敗を争います。
レースは、各ステージに分けられており、ステージごとの所要時間を合計していき、最終ステージを終えた段階で、通算の所要時間が最も少ない選手が「総合優勝」となります。
ステージレース全体を見渡した戦術やステージの後半に行くにつれて激しくなる優勝争いも見どころとなります。
また、ステージレースでは、「総合優勝」だけを争うわけではありません。ステージレースでは、「ステージ勝利」「山岳賞」「スプリント賞」といった項目でも争いが繰り広げられます。

【ステージ優勝】
ステージ優勝は、各ステージで行われるレースの優勝を争うものです。総合優勝を狙わない選手やチームに関しては、ステージ優勝を一番の目標に掲げることもあります。

【山岳賞】
各ステージのコースに設定された山岳ポイントの通過順位に応じて、ポイントを獲得することができ、最終ステージまでの獲得ポイントの合計で争われます。山岳ポイントは、コース上で通過する峠の頂上に設定されており、上り坂が得意なクライマー達によって争われます。

【スプリント賞】
スプリント賞はコースの途中に設定されたスプリントポイントの通過順位、またはゴール地点の着順によってポイントを獲得することができ、最終ステージまでの獲得ポイントの合計で争われます。平坦路でのスプリントを得意とするスプリンターがこの賞を争います。

ここまでをまとめるとステージレースでは、「総合優勝」「ステージ優勝」「山岳賞」「スプリント賞」を主に争います。各チームによって、狙っている目標が異なっており、後半ステージになるにつれて、激しくなってゆく、各賞の優勝争いが見どころです。

【主なステージレース】
・ツール・ド・フランス
・ジロ・デ・イタリア
・ブエルタ・ア・エスパーニャ

③タイムトライアル

タイムトライアルは、ワンデーレースやステージレースとは少し異なる特徴を持っています。タイムトライアルには、「個人タイムトライアル」と「チームタイムトライアル」の2種類があり、個人の場合は、指定のコースを選手が一人ずつスタートし、ゴールまでのタイムを競います。チームの場合は、指定のコースをチームごとにスタートし、タイムを競います。

一斉にスタートを切り、集団で走っていくワンデーレースやステージレースに対して、タイムトライアルは個人またはチームの実力が試される競技となります。

3.自転車ロードレースでよく見かけるシーン

自転車ロードレースの基本的なルールやレースの種類だけではなく、レース中によくみられる光景を詳しく解説します。レースを見る中で、よく見られるシーンの意味を理解すると、よりレースを楽しむことができます。

①逃げとメイン集団

自転車ロードレースの展開として「逃げ」と「メイン集団」の2つに分かれるというものがあります。
「逃げ」は、レース序盤からスピードを上げ、集団から抜け出す選手たちのことで、序盤に差を広げることで先行逃げ切りを狙うという意図があります。
それに対して、「集団」はペース配分をしながら逃げを追います。
自転車ロードレースでは、時速40㎞を超えるスピードで走っており、それによる空気抵抗との戦いにもなります。少ない人数で逃げる選手たちは、空気抵抗を常時受けながら走るため、リードしているように見えても体力はかなり消耗します。一方、メイン集団側は大人数で先頭交代を繰り返すので、空気抵抗による体力の消耗を抑えることができ、レース終盤にかけて逃げ集団を捕まえることができます。
自転車ロードレースでは、主にこの「逃げ」と「メイン集団」に分かれて、レースが展開されます。

②落車

自転車ロードレースでは落車がつきもので、とてつもないスピードで走っている中で落車をするため、骨折や脱臼などは当たり前に起きます。落車によってレース全体が大きく左右されることもよくあり、自転車ロードレースの過酷さを物語っています。

③補給食

自転車ロードレースでは、1回のレースで約200㎞を走る競技となります。1日に7000カロリーを消費するともいわれており、そのため選手たちはレース中に補給食を摂りながら走ります。エネルギーの消費が激しい自転車ロードレースでは補給はかなり重要な位置を占めており、補給に失敗してエネルギー切れを起こしてしまうと、ライバルたちから大きく後れを取ってしまいます。

そのため、アシストと呼ばれる選手たちは、補給食などをサポートカーや沿道に立つスタッフから受け取り、チームメイトに配るという役割を担うことがあります。

4.まとめ

自転車ロードレースを見る上で、基本的な部分をまとめていきました。今回紹介した以外にも様々な要素が含まれる競技ですので、何も知らないで見ると戸惑ってしまうこともあります。自転車ロードレースに興味を持ち始めたときには、今回取り上げたことを知っておけば、初めてみるレースでも十分に楽しめると思います。

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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