シンシナティ(アメリカ):ポップアートの芸術家ジム・ダイン誕生の街

現代のアメリカを代表する芸術家「ジム・ダイン」。大量生産を題材に扱うポップアートの芸術家として、広く認知されている人物である。2008年に発表されたピノキオのブロンズ像「Walking to Borås」は世間の注目を大きく集めた。そんなジム・ダインが誕生した街が、アメリカ中西部に位置する「シンシナティ」である。オハイオ州を代表する観光都市。ジム・ダインと彼が誕生した街シンシナティ、双方の魅力をたっぷりお伝えしよう。

現代を代表する芸術家「ジム・ダイン」

「ジム・ダイン(Jim Dine)」はアメリカ出身。現代の大量生産・大量消費を題材に扱う「ポップ・アート(Pop Art)」の芸術家として世界にその名を馳せています。1935年、オハイオ州のシンシナティに誕生したジム・ダイン。オハイオ大学で美術学士を取得し、徐々に活躍の幅を広げていきました。1950年代〜1970年代に発生した芸術運動「ハプニング(Happening)」で脚光を浴びてから、一躍世間の注目を集めていったといいます。

アメリカ史上初めてのポップ・アート展に、「アンディ・ウォーホル(Andy Warhol)」らとともに作品を出品したジム・ダイン。この展覧会をキッカケに、ポップ・アートの衝撃はアメリカ中に伝わりました。1960年代初期には日常的なものを題材とした作品制作を開始。1980年代には彫刻を中心とした作品を生み出してきました。人工的な作風から自然的な作風へ変化を遂げたジム・ダインの作品。その変化も彼の作品の醍醐味といえます。

「4つのハート(Four Hearts)」は1969年に制作された、ジム・ダインの代表作のひとつです。大きく描かれた4つのハートと鮮やかな背景が印象的。その存在感には目を奪われるでしょう。「Walking to Borås」は2008年に発表された傑作で、「ピノキオ(Pinocchio)」を題材とした高さ9mにもなる像は、スウェーデンを代表するランドマークです。数々の名作を世に生み出してきたジム・ダイン。その原点は故郷シンシナティにあるのでしょう。

ジム・ダイン誕生の街「シンシナティ」

「シンシナティ(Cincinnati)」はアメリカ中西部、オハイオ州第3の規模を誇る街です。州西部に位置するシンシナティの気候は内陸性。ときに氷点下を下回ることもありますが、温暖な気候は観光にも最適でしょう。1788年に建造された街は、2年後に現在の名称「シンシナティ」へ変更。19世紀には食肉加工の中心地として発展を遂げてきました。現在は周辺地域の中心地としての地位を確立しています。観光資源も豊富に満ち溢れています。

シンシナティの見所

歴史と文化が根付く街、アメリカで屈指の観光都市としてその名を馳せているシンシナティ。過去と現在が交差する街並みには見所が溢れています。街の中心「ファウンテン・スクエア」や芸術性が満ちた「シンシナティ音楽堂」、MLBのシンシナティ・レッズのホームグラウンド「グレート・アメリカンボール・パーク」などが代表でしょう。そのほか街の名物「シンシナティ・チリ」も見逃せません。街の見所を紹介していきましょう。

シンシナティの街の中心「ファウンテン・スクエア」

「ファウンテン・スクエア(FountainSquare)」は1871年に建造された街の中心地です。静かに佇む広場の周辺には近代的な高層ビルが林立。現代の忙しい街の姿に、一筋の優しげな雰囲気を添えています。街の再開発に伴い改修が施された広場は、明らかな街のランドマーク。滞在中は何度も足を運ぶことがあるでしょう。散策中の休憩にも最適です。

「シンシナティ・エンジェル(Cincinnati Angel)」は広場の中心に堂々と佇む、凛とした表情をたたえた彫像です。彫刻家「フェルディナンド・フライハー・フォン・ミラー(Ferdinand Freihervon Miller)」によって制作された、広場を象徴する天使像。手を広げたその姿からは、圧倒的な包容感が放たれています。夜はライトアップもされ、より一層幻想的な雰囲気に。冬にはスケートリンクも設置されます。ぜひ訪れてみてください。

歴史を重ねた建造物「シンシナティ音楽堂」

「シンシナティ音楽堂(Cincinnati Music Hall)」は1895年に建造された音楽堂です。ベネチアン・ゴシック様式を用いた建物の外観は華やか。赤いレンガと中心に設置されたバラ窓、アーチ状の窓が洗練された存在感をたたえています。1975年には国定歴史建造物に指定。シンシナティの中心部北、オーバー・ザ・ライン地区に建造された音楽堂は見逃せないでしょう。美しいシンメトリーの外観は写真にも映え、思い出を残すにも最適です。

シンシナティ音楽堂は1895年に成立した「シンシナティ交響楽団(Cincinnati SymphonyOrchestra)」の本拠地としても有名です。シンシナティ交響楽団はアメリカで5番目に古い歴史を持つ交響楽団。機会があれば、音楽堂でコンサート鑑賞をしてみるのもよいでしょう。贅沢な時間を過ごすことができるはずです。音楽堂ではクラシックはもちろんジャズやポップなどの公演もおこなわれています。芸術鑑賞の時間を楽しむのも一興でしょう。

MLBチームの偉大なる歩み「グレート・アメリカン・ボール・パーク」

「グレート・アメリカン・ボール・パーク(Great American Ball Park)」はシンシナティの街を彩るスポーツの聖地。「メジャーリーグベースボール(MLB)」のチームである「シンシナティ・レッズ(Cincinnati Reds)」のホームグラウンドとして使用されています。2000年に建造を開始し、2003年から開場。シンシナティの街が持つ熱狂を、一身に集めています。美しく手入れが行き届いたスタジアムの姿は堂々と輝きを放っています。

スタジアム前には野球ボールの巨大なオブジェや、選手たちの姿を子細に表現したブロンズ像を設置。躍動感溢れる像の姿には、不思議と心が熱くなります。一緒に記念撮影をするのもお忘れなく。スタジアムの内部は一面の赤色。鮮明な緑が際立つグラウンドとの対比は、多くの人を魅了します。シンシナティで最も熱く、熱狂の渦を生み出す源泉。街を訪れた記念に試合を観戦してみるのもよいでしょう。シーズンに合わせて訪れてみては?

シンシナティの街を彩る吊り橋に動物の競演、名物の「シンシナティ・チリ」は必

「ジョン・A・ローブリング橋(√)」は1856年に建造を開始、1867年に完成を遂げた街を代表する建造物のひとつ。オハイオ川にかかる橋の全長は322m、完成当時「世界最長の吊り橋」としての地位を確立していました。設計したのは「ジョン・オーガストス・ローブリング(John Augustus Roebling)」です。マンハッタンの象徴である「ブルックリン橋」の設計も手がけた人物。その作品は必見でしょう。

「シンシナティ動物園(Cincinnati Zoo & Botanical Garden)」は1875年に開園した、アメリカで2番目の歴史を誇る動物園です。広大な敷地内では動物たちが野生そのままの姿で、のびのびと暮らしている場面を目撃できるでしょう。園内で出会うことができる動物の数は500種類以上です。植物園としての役割も果たしており、3,000種類にもなる植物の競演も楽しむことができます。カップルや家族連れにもオススメの観光スポットでしょう。

地元民が愛する、いわゆる「ローカル・フード」を味わうことは旅の醍醐味のひとつ、「シンシナティ・チリ(Cincinnati Chilli)」は、シンシナティの街を代表する名物料理。茹でたパスタとたっぷりのミートソース、チーズをふんだんにトッピングしたら完成です。柔らかいパスタと舌に絡みつくように濃厚な味わいのミートソース、とろけたチーズの旨味は至福でしょう。土地を知るならローカルフード。ぜひ挑戦してみてください。

見所豊富なシンシナティで印象に残る滞在を謳歌

ポップアートの芸術家、ジム・ダインの故郷シンシナティ。近代的な佇まいを披露する街には、多くの見所がありました。街の中心に位置するファウンテン・スクエアや音楽堂、野球ファンならずとも必見のグレート・アメリカン・ボール・パークなど、訪れるべき場所はいくつもあります。レンガ作りと鮮やかな水色が印象に残るジョン・A・ローブリング橋や動物園、街に根付く名物料理シンシナティ・チリは、一度食べたらクセになります。

魅力的な見所に溢れる街。シンシナティの玄関口は「シンシナティ・ノーザンケンタッキー国際空港(Cincinnati Northern Kentucky International Airport)」です。パリやロンドンにローマなど、世界各国の主要都市への国際便も充実した国際空港。空の旅を計画するにも難しくはないでしょう。近代的な街並みに穏やかな空気が溶け込んだシンシナティ。次回の旅でこの街を訪れてみてはいかがでしょうか?人気の秘密もきっとわかるはずですよ。

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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