コロンバス(アメリカ):ポップアートの代表画家、リキテンスタインが学んだ街

現代的な表現が人気を集めるポップアート。「リキテンスタイン」はそんなポップアートの人気を牽引する画家である。漫画を題材にしたカラフルな作品の数々は好奇心を刺激し、通俗的な作品の数々を芸術性の富んだ作品に昇華させてきた。「見て!ミッキー」などのポップで鮮やかな作品は彼の代名詞だろう。そんなリキテンスタインが芸術を学んだ街がアメリカのコロンバス。リキテンスタインとコロンバスの魅力を紹介しよう。

ポップアートの代表画家「リキテンスタイン」

「ロイ・リキテンスタイン(Roy Lichtenstein)」は1923年、アメリカのニューヨーク生まれの画家です。新聞連載されていた漫画を拡大し、キャンバスに表現した作品群が有名。1コマのドットに至るまでを厳密に表現し芸術作品にまで昇華した彼の感性は、アメリカのポップアートを代表するものです。漫画の持つ強烈な色彩表現や力強い線までを表したリキテンスタインの作品は、直感に訴えかける素晴らしいまでの芸術性を備えています。

漫画の世界をアートの世界に持ち込んだリキテンスタイン。1940年にはオハイオ州のコロンバスにあるオハイオ州立大学の美術学部に入学、修士号の取得をし、1949年〜1951年頃まで講師としても勤めていました。当時の作風は最新といわれた抽象表現主義。現在の代名詞である漫画を題材にした作品は1960年代の初頭から制作を開始しました。そのキッカケは自身の子供に向けて、ミッキーマウスを描いてあげていたことだといわれています。

1961年に制作された「見て!ミッキー(Look Mickey)」は思わず笑顔がこぼれる作品です。釣りをしているドナルドと笑いをこらえるミッキーの様子が描かれた傑作。リキテンスタインのポップアートの原点ともいえるでしょう。1965年に制作された「ヘアリボンの少女(Girl with Hair Ribbon)」は憂いに満ちた表情の金髪の少女を描いた作品。鮮やかな色使いが目を引きます。世代を問わず親しまれるリキテンスタインの作品の数々。その芸術性の原点ともいえる、コロンバスの街。コロンバスの街を紹介します。

リキテンスタインが学んだ街「コロンバス」

「コロンバス(Columbus)」はアメリカ中西部にあるオハイオ州の州都です。名称は探検家の「クリストファー・コロンバス(Christopher Columbus)」から由来しているのだとか。オハイオ州の中心に位置しており各都市へのアクセスも抜群。州の文化や政治の中心地として繁栄を遂げてきました。リキテンスタインも学んだオハイオ州立大学もあることから、学術都市としての側面も持ち合わせています。発展した街並みは見ものです。

内陸性気候で夏冬の寒暖差は激しいコロンバス。その特性から街の周辺には樹林が豊富に群生しています。街の創設は1821年。当初は交通の要所として荷車や馬車の製造が盛んであったといいます。現在は自動車産業や金融、保険などの業界において有数の地位を獲得。発展した街並みと自然が見事に共存している姿は、アメリカでも屈指の美しさでしょう。コロンバスに滞在することで、多種多様な街の魅力に触れることができるはずです。

コロンバスの見所

偉大な探検家の名前を冠する街。コロンバスには歴史を積み重ねた種類豊富な見所が点在しています。名門であり街屈指の見所である「オハイオ州立大学」や芸術に触れる場所「コロンバス美術館」、ビクトリア様式が美しい「フランクリンパーク温室」や「オハイオ州議会議事堂」にも注目でしょう。街の中心地でもある「ショート・ノース」やローカル感を堪能できる「ノース・マーケット」もあります。ひとつずつ紹介していきましょう。

1870年創設、リキテンスタインも学んだ「オハイオ州立大学」

コロンバスのダウンタウンから北へ約4km。「オハイオ州立大学(Ohio State University)」は1870年に創設された、街を代表する見所です。「大学って学生だけが入れる場所じゃないの…?」と思う人もいるかもしれませんが、オハイオ州立大学は観光者向けにも開放されています。広大な敷地内には大学の校舎や図書館はもちろん、コンサートなどが開催されるホールも完備。大学内とは思えないくらいにさまざまな施設が建造されています。

「オハイオ・スタジアム(Ohio Stadium)」はオハイオ州立大学のフットボールチーム「オハイオステート・バックアイズ(OhioState Buckeyes)」の本拠地です。上部から見ると馬蹄の形をしているというスタジアムの収容人数はなんと10万人以上。人気試合のチケットはプレミアになるというから驚きです。一面が服の赤色に染まる試合の風景は圧巻。コロンバスを訪れたらフットボールの熱狂の渦を体感してみるのもよいでしょう。

芸術鑑賞はこの場所で!「コロンバス美術館」

「コロンバス美術館(Columbus Museum of Art)」は、1878年に設立されたギャラリーを前身に1931年に設立されました。1992年にアメリカ合衆国国家歴史登録財に指定。所蔵作品も建物自体も見所の、芸術鑑賞のメッカです。開館当初はフェルディナンド・ハウォルドとフレデリック・W・シューマッハーのコレクションで展覧会を開催。人気を博したこれらのコレクションは、そのままコロンバス美術館の主要な所蔵作品となりました。

現在のコロンバス美術館は19世紀半ば〜20世紀半ばに制作された作品を中心に構成されています。アメリカ芸術からヨーロッパ芸術まで、所蔵している作品の種類が多岐に及ぶことも特徴でしょう。フランスの印象派やキュビズム、写真や彫刻作品も有名です。美術館の周辺には20世紀を代表するイギリスの彫刻家「ヘンリー・ムーア(Henry Moore)」の作品が展示されています。コロンバスで芸術鑑賞をするならこの場所は外せないでしょう。

街を彩るオアシス「フランクリンパーク温室とボタニカルガーデン」

コロンバスのダウンタウンから東。「フランクリンパーク温室とボタニカルガーデン(Franklin Park Conservatory and Botanical Gardens)」は、街中に佇むオアシスです。季節ごとに変化する屋外展示の植物は彩り鮮やか。散策で疲れた心身を癒してくれるでしょう。深呼吸をすれば空気の変化にも気付くはずです。パームハウスにはおよそ40種類以上にも及ぶヤシの木が生息。アメリカにいながらにして、常夏の気分を味わうことができます。

ガラス張りが美しい温室は1895年にオープンしたものです。白を基調としたビクトリア様式の温室は見た目からして優雅な雰囲気。内部ではさまざまなテーマに沿った外来種の植物を鑑賞することが可能です。春には数百匹の蝶が温室内を舞うのだとか…。季節の植物の変化を、ゆったりと穏やかな気分で楽しんでみるのもよいでしょう。季節ごとのイベントや夜のライトアップも幻想的。街を彩るオアシスへ、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょう。

歴史的を紡いだ議事堂とコロンバスの中心地、ローカルなを楽しむ

「オハイオ州議会議事堂(Ohio Statehouse)」は1839年に建造を開始、1861年に完成したギリシャ建築様式の建物です。現在使用されている建物としてはアメリカでも最古の部類に入る議事堂。その堂々たる佇まいは必見でしょう。館内では、一回45分ほどのガイドツアーが無料で開催されています。建物の歴史やコロンバスの歴史を、見事な内装を目にしながら知ることができます。重厚な雰囲気の議会室など、見所も豊富にありますよ。

「ショート・ノース(Short North)」はコロンバスのダウンタウン北部、街で最古の歴史を持つ地域です。レストランやショップはもちろん、倉庫を改装したギャラリーなどもあり、趣のある雰囲気を備えています。コロンバスの文化の中心地といってもよいでしょう。また、レコードや古着、パブやカフェなども豊富にあり、週末には多くの学生で賑わいを見せるといいます。街並みの美化も進んでいる地域。ぜひとも訪れてみてください。

自然と街並みの共存、コロンバスは旅の目的地に最適!

アメリカを代表するポップアートの芸術家、リキテンスタインが美術を学んだ街コロンバスの魅力をご紹介してきました。豊かな自然と発展した街並みが見事な共存を果たしている美しい街。オハイオ州立大学やコロンバス美術館をはじめとした見所の数々は、あなたの滞在を彩ってくれるでしょう。フランクリンパーク温室で深呼吸、リラックスして過ごすのもよいかもしれません。のんびりと贅沢な滞在を謳歌することができるでしょう。

コロンバスのダウンタウンから東へおよそ10kmの距離、「ポート・コロンバス国際空港(Port Columbus International Airport)」は、快適な空の旅をあなたに届けてくれるでしょう。空港内に地元の芸術作品が多く展示されていることでも知られています。空港に降り立った瞬間から、コロンバスの魅力を感じることができるでしょう。澄んだ空気が漂う街コロンバス。パスポートを用意してこの魅力溢れる街を訪れてみてはいかがでしょうか?

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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