世界の卵料理

卵料理は、一般的にはニワトリの卵が使われることが多いですが、国によってはアヒルやガチョウ、ウズラなどの卵を使っていることもあるようです。調理法は焼く、茹でる、揚げるなど多岐に渡り、同じ調理法でも全く異なった料理となっていることがあります。

食用卵の歴史

卵の歴史は先史時代から始まっており、鶏が飼い慣らされるようになったのは、紀元前7500年よりも前の東南アジアからだと言われています。紀元前1500年頃になると、エジプトとシュメール(現在のイラク南部)が鶏を買い入れ、紀元前800年頃にギリシャからヨーロッパへと広がっていきます。古代ローマでは貴卵料理は食事のスターターとして、様々な調理法で楽しまれていたそうです。17世紀頃のフランスではフルーツジュースと混ぜ合わせたスクランブルエッグが人気だったという記録が残されています。

世界にはどんな卵料理があるの?

単に卵料理と言っても調理法や入れる具材により様々な料理へと変化します。ここからは調理法別に世界中の卵料理を見ていきたいと思います。

≪卵料理の調理法:焼く≫

卵料理の調理法で最も多いのは焼いて火を通すことでしょう。ですが焼くにしてもその料理の幅は大変広いため、ここではほんの一例を挙げています。

◇スペイン:トルティージャ◇

焼いた卵料理の定番の一つにオムレツがあります。スペインではジャガイモやタマネギ、ベーコンなどを入れて、袋のように包まずにそのまま焼き上げるトルティージャというオムレツが一般的なようです。他国ではスパニッシュオムレツと呼ばれることもあります。

◇フランス:キッシュ◇

パイ生地やタルト生地で作った器に卵と生クリーム、ひき肉や野菜を加え、チーズを乗せてオーブンで焼いたフランスの郷土料理です。ロレーヌ風キッシュではクリームとベーコンを加えるそうです。

◇アメリカ:シャドーエッグ◇

鶏卵をオーブンで焼いた料理で、ベイクドエッグやココットと呼ばれることもあります。アメリカでは目玉焼きやスクランブルエッグに並ぶ定番の卵料理です。またチーズやハーブ、ベーコンなどを加えたり、ライスの上に乗せたりとアレンジも多彩です。

≪卵料理の調理法:茹でる≫

茹でた卵は、そこからさらに手を加えて色々な料理へとアレンジされています。温かい料理だけではなく、冷たい料理になっていたりするのも興味深いですね。

◇イギリス:スコッチエッグ◇

茹でた卵を味付けしたひき肉で包み、小麦粉と溶き卵、パン粉をつけて揚げた料理です。イギリスでは軽食やピクニック料理として食べられることが多く、冷めた状態で食べるのが基本のようです。またスーパーマーケットなどではうずらの卵を使用したスコッチエッグも売られているそうです。

◇アメリカ:ポーチドエッグ◇

ポーチドエッグは主にエッグベネディクトとしてマフィンの上に乗せられていることが多いです。作り方も殻のまま茹でるのではなく、割った生卵を塩と酢を入れた湯の中に入れて卵白を卵黄に被せるようにまとめながら余熱で茹でます。茹でる卵の調理法の中でも特殊で繊細な印象を受けますね。

◇ロシア:ミモザサラダ◇

マヨネーズを繋ぎとして、ゆで卵やチーズ、ジャガイモ、お米、水煮の魚などを重ねて作られたサラダです。それぞれの素材が層となっており、見た目もとても美しい料理です。サラダですが、その形状故にケーキのようにカットして食べられます。ミモザサラダの由来は、粒状になった卵黄が雪に咲く春の花のミモザのように見えるからその名が付いたそうです。とても素敵ですね。

≪卵料理の調理法:煮る、漬ける≫

茹でた卵とは違い、煮る際に様々な味付けを行うことで同じ卵でも全く違った味となります。また調味料に漬けることによって卵に味を付ける料理もあります。主に中国などのアジアで多く見られる調理法です。

◇中国:茶葉蛋◇

中国で古くから伝わる食品で、特に軽食として食べられている料理の一種です。ゆで卵にヒビを入れてから茶葉、醤油、香辛料で煮込んだものになります。使用される茶葉が違っていたり、茶葉を使用していなかったりするものもあるそうです。香り高く風味の良い煮卵です。

◇中国:鹹蛋◇

中国や台湾、東南アジアなどで作られている、アヒルなどの卵の塩漬けです。保存がきくため保存食はもちろん、調味料として家庭料理で使用されていることもあるそうです。アヒルの卵が使用されることが多いですが、ニワトリの卵を用いることもあるようです。

◇中国:糟蛋◇

粕漬け卵とも呼ばれている、酒粕を原料としたタレにアヒルの卵を漬けこんだものです。卵を漬け込んでいると殻からカルシウムが溶け出し、白身などに吸収されるため通常の卵よりカルシウムが多くなります。またタンパク質の一部が分解され、アミノ酸に変わるため旨味が増すそうです。

≪卵の調理法:その他≫

上記で挙げた以外にも色々な調理法で卵は食べられています。もっと様々な料理があるかと思いますが、いくつか例を紹介したいと思います。

◇朝鮮:ケランチム◇

ケランチムは卵を蒸して作られた料理です。卵と水が主な材料ですが、水の代わりに出汁を使用したり、野菜や薬味などを加えることもあります。

◇地中海料理:アヴゴレモノ◇

こちらは卵と出汁、レモン汁を使用したスープです。スープとしてだけではなく、ソースとして用いられることもあります。肉料理から魚料理、パスタなど幅広い料理のソースとして活躍しています。スープとして食べられる際はお米やタピオカ、少量の野菜などを入れることもあります。

◇中国:荷包蛋◇

華北、北京などで一般的に食べられている卵を素揚げしたものです。ライスに乗せたり、スープに入れたり饅頭に挟んだりと様々な食べ方をされています。作り方はポーチドエッグと似ていますが、こちらは水ではなく熱した油の中で作られます。

◇ベトナム:エッグコーヒー◇

ベトナムの伝統的な飲み物で、ロブスタと呼ばれる種類のコーヒーに卵黄と砂糖、加糖練乳を混ぜたコーヒーです。その作り方から、液体ティラミスと称されることもあります。1950年ごろから定番となっており、ベトナムでも特にハノイのカフェのほとんどで提供されているようです。

≪卵の調理法:デザート≫

多くのデザートで卵は使用されています。その使用法も様々で、卵黄と卵白を分けたりすることも多いです。白身を泡立てたメレンゲなどがいい例ですね。

◇フランス:スフレ◇

クリームソースやピュレなどのベースに、卵黄とメレンゲを加えてふわふわの食感に仕上げた料理です。デザートだけではなく、主菜に用いられることもあるようです。チーズやチョコレート、レモンなどを加えて甘く仕上げられています。

◇イタリア:ザバイオーネ◇

イタリアのピエモンテの名物のデザートです。卵黄に砂糖を加え、温めながら洋酒を加えて煮詰められたカスタードクリームをそのまま食べるそうです。また、ソースとしてティラミスなどに使用されていることもあります。

◇アメリカ他:フレンチトースト◇

フレンチトーストはアメリカ以外にもヨーロッパやアジアなどでも食べられているデザートです。デザートとしてだけではなく、朝食や軽食に食べることもあります。作り方は色々あるようですが、基本的にはトーストに卵と牛乳やオレンジジュースなどを加えたカスタード液を染み込ませてフライパンなどで焼いた料理です。

卵料理の魅力

世界中で卵は様々な形で食されていることがわかりました。卵は栄養価が高く、また他の食材との相性も大変良いためこれだけ多くの料理が存在するのでしょう。サラダからデザートまで卵を使用する料理は大変多く、卵の有用性は計り知れません。

卵は栄養価が高いだけではなく、消化もいい食材です。また熱を加えると固まる特性を生かした料理もたくさんあります。さらに乳化性もあり、水と油を均一に混ぜることで調味料やソースとしても活躍しています。起泡性もあるため、これを生かしたデザートも数多くあります。また色や風味を付けるために使用されることもあります。

みなさんはどういった卵料理が好きですか?もしかしたらまだまだ食べたことのない卵料理が世界中に存在するかもしれません。これを機に、色々な卵料理にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

出典:
【ウィキペディア】Wikipedia Egg_as_food 2021.02.26

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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