サンタモニカ(アメリカ):音楽家ジョン・ケージが感性を育んだ場所

「ジョン・ケージ」は現在まで高い評価を集め続ける音楽家です。これまでにない新しい表現方法を多様に取り入れ、音楽の新境地を開いてきました。沈黙を題材にした「4分33秒」は、彼を語るうえでは外すことのできない代表作です。音楽に深い歴史を刻み込んできたジョン・ケージ。彼が音楽に出会った場所がアメリカの「サンタモニカ」です。革命的な音楽家ジョン・ケージとサンタモニカの魅力を、詳しくお伝えします。

革命的な音楽家「ジョン・ケージ」

「ジョン・ミルトン・ケージ・ジュニア(John Milton Cage Jr.)」は1912年生まれ、アメリカ出身の音楽家。これまでにない独自の音楽性や表現方法で音楽の定義を広げたといわれる人物です。中でも有名な作品の題材はまったくの沈黙。音楽の世界に一石を投じたジョン・ケージは、まさに革命的な音楽家といえるでしょう。レコードを録音したり、ラジオを楽器に見立てたりと、多種多様な音楽の表現方法は現在も高い評価を集めています。

アメリカのカリフォルニア州、ロサンゼルスの出身。ジョン・ケージの父親は発明家で、母親の叔父叔母は音楽家であったといわれています。幼い頃から感性や芸術性を刺激される環境にいたといってよいでしょう。転居に伴い多くの学校へと通ったジョン・ケージは、サンタモニカでピアノのレッスンを開始。1931年からは本格的に音楽を学んでいきました。代表作と呼ばれる作品の数々は、1933年から手がけ始めています。世界を舞台に音楽を追求したジョン・ケージの存在は、圧倒的に偉大でしょう。

(Public Domain /‘John Cage (1988)’ Image via WIKIMEDIA COMMONS)

「プリペアド・ピアノ(Prepared Piano)」は1940年に考案された、ジョン・ケージの革命的な音楽の原点です。グランドピアノの弦にゴムや木片などを挟み込み、音色を打楽器のようなものに変化させました。現代音楽ではよく知られた存在です。「4分33秒」は1952年に作曲された代表作。沈黙を題材に扱った4分33秒はひたすら無音。時間が経過したら演奏者は舞台を降り、曲の終了を知らせます。無響室での経験が生み出した傑作は多くの論争を巻き起こしました。その並々ならぬ感性の原点はサンタモニカにあるのでしょう。

ジョン・ケージの音楽性の原点「サンタモニカ」

ジョン・ケージが幼い頃にピアノを習い始めた場所、カリフォルニア州ロサンゼルス郡に属する「サンタモニカ(Santa Monica)」は、20世紀初頭から観光の名所としてその名を馳せてきました。1980年代以降はビジネスの拠点としても有名。聖人であるモニカの名前を地名に冠した魅力的な街には、世界からの熱視線が注がれています。開放的な青い空と美しいビーチ。アメリカの情熱的な雰囲気を体感するのに、最高の場所のひとつでしょう。

年間の晴天日数は300日以上ともいわれるサンタモニカは、温暖で過ごしやすい気候も魅力のひとつです。年間の平均気温はおよそ26℃。過ごしやすい気候も旅の滞在先を選ぶ際には重要な要素でしょう。空とビーチ、ヤシの木など南国の様相を呈するサンタモニカはロサンゼルスを代表する街のひとつです。中心地からの所要時間はバスや電車を利用すれば1時間ほど。快適なアクセスも魅力でしょう。多様な見所溢れる街は人気を集めています。

サンタモニカの見所

ハリウッドスターも多く居を構えているというサンタモニカには、魅力的な見所が豊富です。代名詞である桟橋「サンタモニカ・ピア」や4.8kmにもなる美しいビーチ「サンタモニカ・ビーチ」徒歩圏内にあるボヘミアンな「ベニス・ビーチ」も必見でしょう。大通りである「サード・ストリート」や色鮮やかな遊園地「パシフィック・パーク」、名物の海産物も見逃せません。多種多様な魅力が宿るサンタモニカの見所をそれぞれご紹介します。

1909年に公開!街のランドマーク「サンタモニカ・ピア」

海に突き出た全長700mに及ぶ桟橋、「サンタモニカ・ピア(Santa Monica Pier)」は1909年9月9日に一般に公開されました。木造の桟橋としては南カリフォルニアで最も古いもののひとつ。1980年代に改修工事が施された桟橋は、映画やドラマにも数多く登場しています。カフェやレストランまでが揃うサンタモニカ・ピアは街の中心たるランドマーク。快晴の青に映えるその姿は旅の思い出を彩るにも最適の場所といえます。

「サンタモニカ・ピア水族館」は、サンタモニカピアに建造された水族館。驚くことに桟橋の上部に水族館も設置されているのです。100種類以上に及ぶ魚や水生生物をのんびりと鑑賞してみるのもよいでしょう。また、サンタモニカはアメリカ初の長距離国道である「ルート66」の最西端、すなわち終点です。シカゴ〜ロサンゼルスまで、アメリカ大陸を貫くように横断するルート66の全長は3,755km。終点の証としてサンタモニカ・ピアには「Route 66 End of The Trail」サインが設置されています。記念撮影もお忘れなく。

全長4.8km、圧倒的に美しい「サンタモニカ・ビーチ」

「サンタモニカ・ビーチ(Santa Monica Beach)」の全長は4.8km。100年以上も愛され続けている、サンタモニカを代表するスポットです。連日多くの人々で賑わうのも納得の美しさ。果てまで見通せる砂浜と海の紺碧はまさしく絶景でしょう。とはいえ「混雑する時間帯は避けたい…」そう思う人もいるでしょう。そんなときは朝の時間が比較的静かでオススメです。波の音を聴きながら砂浜を散策するだけで、気分を盛り上げることができますよ。

「オーシャン・フロント・ウォーク(Ocean Front Walk)」は、海岸を眺めながら歩くことができるビーチフロントの遊歩道。スケートボードやローラーブレードなど、アクティビティを楽しむこともできます。自転車ももちろんレンタル可能ですが、オススメするのは電動スクーターの「バード(Bird)」です。体を預けて駆け抜ける爽快感はほかでは味わえないもの。ローカル感に浸るなら絶対にオススメしたい楽しみかたといえます。

ボヘミアンな空気感を堪能「ベニス・ビーチ」

サンタモニカの南へおよそ4km。自転車でおよそ20分、徒歩でおよそ40分の距離に「ベニス・ビーチ(Venice Beach)」はあります。前衛的で自由奔放な空気感が魅力の場所。屋台やさまざまな路上パフォーマーの姿が溢れています。ストリートアートも豊富なベニス・ビーチはギャラリーも多く、感性を刺激する出会いもあるでしょう。南カリフォルニアの芸術の中心ともいわれる場所です。あなた好みの作品や場所もきっと見つかるはずです。

「マッスル・ビーチ(Muscle Beach)」は、俳優であり2003年〜2011年にかけてカリフォルニア州知事を務めた「アーノルド・シュワルツェネッガー(Arnold Schwarzenegger)」が若い頃に通っていた屋外ジム。現在はロサンゼルス中の筋肉自慢たちが集う聖地となっています。費用を支払えばジムを利用することも可能。あなたもぜひ参加してみてはいかがでしょうか?サンタモニカ近郊のベニス・ビーチ、ぜひ足を運んでみてください。

サンタモニカを代表する大通りと遊園地、名物の海産物も必食です

「サード・ストリート・プロムナード(Third Street Promenade)」はいわゆる歩行者天国。総長600mにもなる街を代表する大通りには、200以上のお店が軒を連ねています。高級ブランドショップやセレクトショップで、至福の買い物タイムを楽しんでみるのもよいでしょう。路上にはパフォーマーも多く楽しみも充実。優雅な時間をお過ごしください。

「パシフィック・パーク(Pacific Park)」はサンタモニカ・ピアに佇む色鮮やかな遊園地。アメリカ西海岸で唯一、桟橋の上に位置する遊園地です。太陽光をエネルギーに稼働する観覧車は遊園地の代表格。その頂上からはサンタモニカの街が一望できます。海上にコースが飛び出たローラーコースターはスリル満点。1916年に建造された歴史あるメリーゴーランドも必見でしょう。カップルはもちろん家族連れにもオススメのスポットです。

太平洋に面しているサンタモニカは、海産物が有名です。新鮮な牡蠣やロブスターはぜひとも味わっておきたいところでしょう。数あるレストランの中でも「ババガンプ(Bubba Gump)」は海老を使った料理で有名です。1994年に公開された映画「フォレスト・ガンプ(Forrest Gump)」をテーマにしたレストランです。数店舗あるチェーン店ですが、サンタモニカ店はオーシャンビューが魅力です。映画の世界に浸りながら美食を堪能してみては?

ロサンゼルスを代表する観光地、サンタモニカの魅力を謳歌

温暖な気候と魅力的な見所の豊富さから、ロサンゼルスでも屈指の人気を誇るサンタモニカ。ジョン・ケージが音楽家としての一歩を刻んだ場所は、多様な魅力が宿っていました。ランドマークたるサンタモニカ・ピアや、近郊に位置するベニス・ビーチも侮れません。充実した時間を過ごすことができるでしょう。風を切るような爽快感を味わえるサイクリングもオススメ。ローカル感を心ゆくまで楽しんでみるのもよい選択です。

「ロサンゼルス国際空港(Los Angeles International Airport)」はアメリカ西海岸の主要な玄関口のひとつです。サンタモニカへアクセスするなら、バスの利用が一般的でしょう。所要時間はおよそ1時間です。また、ロサンゼルスの中心地からサンタモニカへの所要時間も同様に1時間ほど。日帰りで訪れてみるのもよいでしょう。世界各国さまざまな人々を魅了している街サンタモニカ。ぜひ、あなたも次回の旅で訪れてみてはいかがでしょうか?

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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