カンザスシティ(アメリカ):現代美術家ロバート・モリスの生誕地

アメリカ出身の現代美術家「ロバート・モリス」。自然素材を使用したランドアートや、概念芸術とも呼ばれるコンセプチュアル・アートを牽引する存在として、注目を集めている人物です。一見無機質に見える作品の数々は、心に深い印象を残すでしょう。そんなロバート・モリスの故郷が、アメリカの「カンザスシティ」です。ミズーリ州の中心地としてその名前を馳せています。それでは、ロバート・モリスとカンザスシティの魅力を、お伝えしていきます。

現代芸術家「ロバート・モリス」

(Public Domain /‘Observatorium’ by Robert Morris. Image via WIKIMEDIA COMMONS)

「ロバート・モリス(Robert Morris)」は1931年生まれのアメリカの芸術家。画家であり彫刻家で、20世紀を代表する芸術家といってもよいでしょう。土や木などを素材に砂漠や平原に作品を生み出す「ランド・アート(Land art)」や、1960年代〜1970年代にかけて発生した芸術運動「コンセプチュアル・アート(Conceptual art)」は、彼が手がけた代表的なジャンルです。さまざまな芸術の表現方法の存在もロバート・モリスの特徴でしょう。

アメリカの中西部に位置するミズーリ州。その西部に位置するカンザスシティに、ロバート・モリスは生まれました。1948年〜1950年にかけてはカンザスシティの大学で、1950年〜1951年にはサンフランシスコの美術学校で学びと感性を深めていったといいます。1960年代〜1970年代の芸術シーンでは主要な役割を演じ、その名をアメリカ全土、世界各国にまで轟かせていきました。アートに関するエッセイの執筆も、彼を語るうえでは外せません。

「無題(Untitled)」の作品が多いことも、ロバート・モリスの特徴でしょう。鏡やナイロンの糸、木材に至るまで、多種多様といえる彼の手がけた作品は、抽象的で普遍的な真理を備えているかのようです。「蒸気(Steam)」は1974年に手がけたランド・アートの先駆けとなった作品です。液体と蒸発という自然現象を扱った作品。彫刻に分類されるという作品は、これまでの芸術にはない新境地を生み出したのでしょう。歴史に名を刻む偉大な芸術家ロバート・モリス。その感性は故郷カンザスシティで養われたのでしょう。

ロバート・モリスの故郷「カンザスシティ」

アメリカ中西部、内陸に位置するミズーリ州。数多あるミズーリ州の街の中でも、最高の人口数を誇る街が「カンザスシティ(Kansas City)」です。ミズーリ州側とカンザス州側に二分されるというカンザスシティ。高層ビルが軒を連ねたアメリカ的な摩天楼の街並みは、ミズーリ州側で見ることができます。また、街中には200を超える噴水があり、「噴水の街(Fountain City)」と呼ばれていることも、カンザスシティの特徴でしょう。

地理的なアメリカの中心、「ハート・オブ・アメリカ(Heart of America)」と呼ばれることもあるこの街。その歴史は1850年から始まりました。ミズーリ川とカンザス川の合流地点に建造された街は、鉄道環境の整備により発展を重ね、人口も増加。周辺地域の中心都市としてその存在感を高めてきました。「トルネード・アレイ(Tornado Alley)」と呼ばれる竜巻多発地帯に位置していることは、地理上の特性のひとつです。アメリカの中心に位置する街カンザスシティ。その街並みには魅力的な名所も数多く存在しています。

カンザスシティの見所

「メジャーリーグ・ベースボール(MLB)」に所属するチームの本拠地でもあり、ジャズや芸術が根付く街としても有名なカンザスシティ。多岐に及ぶ魅力的なスポットは、滞在を彩る重要な要素でしょう。カンザスシティ・ロイヤルズの本拠地である「カウフマンスタジアム」や、ジャズの歴史を物語る「アメリカン・ジャズ博物館」、建物自体にも注目の芸術文化センター「カウフマンセンター」など、見所は豊富です。滞在中はめくるめく好奇心の渦に飛び込むことができるでしょう。カンザスシティの見所をご紹介していきます。

MLBチームの本拠地「カウフマンスタジアム」

MLBチーム「カンザスシティ・ロイヤルズ(Kansas City Royals)」の本拠地、「カウフマンスタジアム(Kauffman Stadium)」は、1973年に開場したカンザスシティの熱狂の中心地です。1993年に球団の初代オーナー「ユーイング・カウフマン(Ewing Kauffman)」の功績を讃えて現在の名称へと変更、2007年からは改修工事がおこなわれ、さらに美しい球場へ生まれ変わりました。ときにはアメリカで最も美しい球場と評されることもあります。

管理が行き届いた圧倒的に美しいグラウンド、滑らかな曲線美を描いた客席部分。スタジアム内に一歩足を踏み入れれば、きっとあなたも魅了されるでしょう。収容人数は40,000人以上。王冠付きのスコアボードが、一筋の愛嬌を与えています。また、カウフマンスタジアムを語るうえで欠かせないのが高さ98mになる噴水です。スコアボードの横にある噴水は、古くから愛される球場のランドマーク。熱狂の渦に飛び込んでみてはいかがでしょうか?

ジャズの街にある聖地「アメリカン・ジャズ博物館」

カンザスシティは、特に1920年代〜1930年代にかけて、ジャズの盛んな街としての地位を確立してきました。現在も「ジャズの街」と呼ばれるカンザスシティの一角にはジャズクラブも多く、たくさんの人々が優雅でロマンチックな時間を過ごしています。「アメリカン・ジャズ博物館(American Jazz Museum)」は、とりわけジャズが浸透している地区に佇む博物館です。カンザスシティが辿ったジャズの歴史や文化を体感できるでしょう。

館内に歩を進めれば、20世紀を代表するジャズ・ボーカリスト「エラ・フィッツジェラルド(Ella Jane Fitzgerald)」が実際に着用していたドレスや、天才的なトランペット奏者といわれた「ルイ・アームストロング(Louis Armstrong)」ゆかりの品など、多くの所蔵品を目にすることができます。併設されたライブ空間「ブルールーム・ジャズクラブ(Blue Room Jazz Club)」では、週に4回ライブもおこなわれています。ジャズの聖地でジャズを堪能。こんな贅沢な時間はないでしょう。心ゆくまでその世界を謳歌してみてください。

モダンな造りが目を引く新しい街のランドマーク「カウフマン・センター」

カンザスシティのダウンタウンの南端、「カウフマン・センター(Kauffman Center for the Performing Arts)」は、銀のアーチが連なった特徴的な外観が目を引く街のランドマークです。小高い丘の上に建造された芸術文化センターは、2011年にオープンしました。2つのホールとそれらを覆う外殻部分の多層構造。先進のさらに先をいく圧倒的なモダンデザインは、世界からの注目を集めています。クリエイティブを刺激する姿は必見でしょう。

カウフマン・センターには主となる2つのホールがあります。「ミュリエル・カウフマンシアター」は、収容人数1,800人を誇るバレエ・オペラ劇場です。もう一方の「ヘルズバーグ・ホール」の収容人数は1,600人。音楽鑑賞に最適なコンサートホールとしての役割を備えています。延床面積33,000㎡にもなる一大施設で、すでにカンザスシティの芸術の中心地として知られていることは間違いありません。街を一望できるオープンスペースも完備されていますよ。

カンザスシティで芸術を謳歌、歴史ある動物園と名物BBQは必食です!

「ネルソン・アトキンス美術館(The Nelson-Atkins Museum of Art)」は、1933年に開館した歴史ある美術館です。2007年には増築部分が開館、ボザール様式を用いた美術館は芸術鑑賞に最適の場所でしょう。宮殿のような豪奢な造りが印象的です。所蔵作品には、「カラヴァッジョ(Caravaggio)」や「レンブラント(Rembrandt)」などの著名な画家のものから、アメリカの先住民が使用していた陶器や宝飾品まで幅広く、記憶に深く残るはずです。

「カンザスシティ動物園(Kansas City Zoo)」は1909年に開園。アジアや熱帯など、地域ごとに異なるセクションが用意された動物園です。飼育されている動物の数はおよそ1,000頭以上。さまざまなイベントも企画されており、時期や季節によって違った楽しみかたもできるでしょう。また、お子様連れも安心のキッズゾーンも完備。カップルや家族連れに人気のある、カンザスシティの名所のひとつです。忘れていた童心を思い出すことができますよ。

カンザスシティといえば名物はBBQです!「カンザスシティ・バーベキュー(Kansas City Berbeque)」は、街を代表する名物レストラン。1986年に公開された「トム・クルーズ(Tom Cruise)」主演の映画「トップガン(Top Gun)」に登場したことで、一躍脚光を浴びました。店内には撮影当時の写真や帽子、映画で使用されたピアノなどが展示されています。名物BBQはもちろん美味。ぜひお試しいただきたい味わいです。

アメリカの中心地、カンザスシティでの滞在を心ゆくまで

ハート・オブ・アメリカこと、アメリカの中心に位置するカンザスシティの多様な魅力をご紹介してきました。現代を代表する芸術家ロバート・モリスの故郷には、彼の豊かな感性にも匹敵する豊富な見所が溢れていました。カウフマンスタジアムでスポーツの熱狂を、アメリカン・ジャズ博物館で静かな音楽鑑賞を、カウフマン・センターでクリエイティブな刺激を得ることができるでしょう。ひとつひとつの見所を、ぜひ堪能してみてください。

「カンザスシティ国際空港(Kansas City International Airport)」は、カンザスシティのダウンタウンから北西24kmの地点に位置する、街の玄関口です。シャトルバスのサービスも充実しているため、空港から街の中心を訪れるのに迷う心配もありません。数あるアメリカの観光都市の中でも、屈指の魅力を誇るカンザスシティ。あなたの大切な旅の目的地、その筆頭に加えても後悔はないでしょう。ぜひとも足を運んでみてはいかがでしょうか。

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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