ワルシャワ(ポーランド):ピアノの詩人、ショパンが生まれた場所

ピアノの独奏曲を多く作曲したことで知られるピアノの詩人「ショパン」。「幻想即興曲」などの優雅な旋律を奏でる名曲の数々は、現代でも多くの人々を魅了し続けています。母国に対する強い愛国心も、ショパンの持つ人間性の魅力のひとつ。そんなショパンが生まれた場所が、現在ポーランドの首都となっている「ワルシャワ」です。歴史的な作曲家ショパンと、ポーランドの首都ワルシャワの魅力を、詳しくお伝えしていきます。

ピアノの詩人「ショパン」

(Public Domain /‘Portrait of Fryderyk Chopin.’ by Maria Wodzińska. Image via WIKIMEDIA COMMONS)

「フレデリック・フランソワ・ショパン(Frédéric François Chopin)」は1810年に誕生。ポーランドを代表する前期ロマン派の作曲家です。活動当時から作曲家としてはもちろん、ピアニストとしても名声を轟かせていました。また、作曲した作品の多くはピアノの独奏曲のため「ピアノの詩人」とも称されています。ピアノの表現様式を大きく拡大したことも、ショパンの功績です。母国ポーランドに対する強い愛国心も、彼の魅力のひとつでしょう。

当時のワルシャワ公国、中央に位置する「ジェラゾヴァ・ヴォラ(Żelazowa Wola)」に誕生したショパン。7歳の頃からピアノの手ほどきを受け、神童と呼ばれるほどの実力と才能を開花、同様にこのときから作曲も手がけています。年齢を重ね、ワルシャワで最高のピアニストとも称されていました。16歳のときにはワルシャワの音楽院に入学。1832年にはパリで初めての演奏会を開催し、名声を拡大していきました。その評価は圧倒的です。

「幻想即興曲(Fantasie-Impromptu)」はショパンの没後、1855年に発表された代表曲のひとつです。「軍隊ボロネーズ」はシンプルな旋律を奏でる名曲。ショパンの愛国心が込もったかのような、明るく堂々とした曲調は、必聴の作品といえるでしょう。生前から高い評価を集め続けていた作曲家ショパン。そんなショパンが生まれた場所こそが、現ポーランドの首都「ワルシャワ」なのです。

ショパンが生まれた場所、ポーランドの首都「ワルシャワ」

「ワルシャワ(Warszawa)」はポーランドの首都であり、国内最大の街です。1980年に最古の地区がユネスコ世界遺産に認定。「ワルシャワ歴史地区(Stare Miasto, Starówka)」には、街の見所が集中しています。また、ワルシャワ大学を要する学術都市、製造業や鉄鋼業を中心とした、工業都市としての側面も無視できないでしょう。歴史を重ねた鮮やかで華やかな街並みは、散策中にも眼に映るはずです。その美しさには、息を飲みますよ。

ワルシャワの最古の記録は1285年の文献に残されています。当時は漁業を中心とする村であったのだとか。1611年にはポーランドの首都としての役割を就任。歴史の変遷の中でワルシャワ王国の地位を築くも、1918年には再度ポーランドの首都に返り咲いています。現在のワルシャワの旧市街と新市街は、第二次世界大戦後に市民によって修復されたもの。「ヒビの一本に至るまで」修復された街並みは市民の強い情熱が込められています。

ワルシャワの見所

北のパリとも称されている美しいワルシャワの街並み。新市街の発展した街並みと、旧市街の歴史的な佇まいのコントラストは、観光で訪れた多くの人々を魅了しています。「ワルシャワ王宮」や「ヴィラヌフ宮殿」、「ワジェンキ公園」などは街の見所の代表でしょう。ショパンにまつわる「ショパン博物館」や「聖十字架教会」も注目。名物の「ピエロギ」も必食です。豊富な見所を誇るワルシャワ。その中でも屈指の名所をご紹介します。

煌びやかな装飾の数々、「ワルシャワ王宮」

「ワルシャワ王宮(Zamek Królewski w Warszawie)」はバロック様式の壮麗な宮殿です。かつてはヨーロッパで最も美しい宮殿と称されていた建物。14世紀に基礎が建造された宮殿は、16世紀末からは「ジクムント3世(Zygmunt III)」によって拡張が施され、美しい姿を披露するようになりました。

オレンジとターコイズブルーの鮮やかな外観は、街を代表するシンボルのひとつ。王宮広場に悠々と佇む姿は、威風堂々の存在感をたたえています。
ワルシャワ王宮内部の宴会場は、最も豪華な装飾が施された部屋です。王室の行事や祝宴もおこなわれた場所。天井画やシャンデリアの豪華絢爛な佇まいは必見でしょう。大理石の間も同様に豪華な佇まいの部屋です。ポーランド王の肖像画が並べられた一角は見逃せません。そのほか、赤と金の装飾が鮮やかな玉座の間なども注目でしょう。ワルシャワ市民の手によって2009年に修復が完了した建物。ワルシャワ宮殿の堂々たる姿は必見ですよ。

壮麗な宮殿と艶やかな庭園「ヴィラヌフ宮殿」

「ヴィラヌフ宮殿(Pałac w Wilanowie)」は「ヤン3世ソビエスキ(Jan Ⅲ Sobieski)」によって17世紀に建造された、夏の宮殿です。18世紀に拡張を重ねた宮殿は、1805年から博物館としての役割も果たしています。正式名称「ヴィラヌフのヤン3世宮殿博物館(Museum of King Jan III Palace at Wilanov)」と呼ばれる壮麗な建物。バロック様式の宮殿も、45ヘクタールに及ぶ庭園も、それぞれ見所が溢れるワルシャワの名所の代表格です。

ワルシャワの中でも数少ない戦火を逃れた建物。ヴィラヌフ宮殿内部には絵画や彫刻、時計に肖像画などが幅広く展示されています。中でも中国や日本など、東洋の陶器の展示が充実しています。また、王の寝室や王女の居室など、宮殿内の豪奢な部屋の数々にも注目でしょう。バロック様式の庭園や、ネオ・ルネサンス様式のローズ・ガーデンなどの庭園部分も見逃せません。優雅な暮らしぶりが想像できる、贅沢な空間を楽しんでください。

ワルシャワの象徴「ワジェンキ公園」と、ほとりに佇む「ワジェンキ宮殿」

「ワジェンキ公園(Park Łazienkowski)」は1764年から30年の期間を経て建造された公園です。ワルシャワの東部に位置する公園内には、バラの庭園や街を象徴するシンボルであるショパンの像が設置されています。毎年5月〜9月、夏の日曜日にはショパンの像の下で野外コンサートが開催されます。柔らかな旋律に耳を傾け、穏やかな時間に身を預けることが出来ますよ。

「ワジェンキ宮殿(Lazienki Palace)」は、別名「水上宮殿」と呼ばれる建物です。18世紀後半に建造された宮殿は、ワジェンキ公園の池のほとりにゆったりとそびえています。その見た目はまるで水上に浮いているかのよう。ポーランド王家が夏の時間を過ごすために建てられた美しい建物。池の向かいから写真に収めれば、見事な光景になるはずです。

ショパンゆかりの場所と、ワルシャワの名物「ピエロギ」を堪能

「ショパン博物館(Muzeum Fryderyka Chopina)」はショパンにまつわる貴重な品々を展示した博物館です。直筆の手紙や最後に演奏したピアノなど、見所も豊富。所蔵している資料の総数は7,000を超えます。近年リニューアルがおこなわれ、タッチパネルなどの最先端技術も導入。1時間に入ることができる人数には制限があるため、事前の予約をオススメします。ワルシャワが生んだ世界的な作曲家、ショパンの軌跡を知るならココでしょう。

「聖十字架教会(Kosciol Swietego Krzyza)」は、ショパン一家が熱心に通っていた教会です。遺言によってワルシャワにもたらされたショパンの心臓は、本堂左の石柱の下に収められています。また、17世紀後半に建造された教会の正面には、ポーランド出身の天文学者「コペルニクス(Copernicus)」の像が設置されています。ポーランド出身の著名な人物のお墓もあり、歴史的にも重要な場所といえます。

「ピエロギ(Pierogi)」はポーランド風の水餃子。ワルシャワでは専門店もあるほど、市民の生活に密着しています。肉やチーズ、ジャガイモや玉ねぎにマッシュルームなど、さまざまな具材も人気の秘密。もっちりとした生地に包まれた素朴な味わいは、何個でも食べたくなるものです。茹でたもののほか、焼いたものもあり、味の変化を楽しむことも可能。気づけば何皿も食べてしまうほどの美味しさ。ぜひ試してみてください。

優雅な空気が流れる街、ポーランドの首都「ワルシャワ」を堪能する旅へ

世界的にも有名なポーランドの作曲家、ショパンが生まれた場所ワルシャワの魅力をご紹介してきました。壮麗なワルシャワ王宮やヴィラヌフ宮殿、ワジェンキ公園に設置されたショパンの像などは必見でしょう。そのほか、ショパンゆかりの場所も街中に点在しています。歴史と自然が調和した街並みの美しさは、ポーランドでも屈指のものでしょう。

ワルシャワの玄関口は「ワルシャワ・ショパン空港(Lotnisko Chopina w Warszawie)」です。ワルシャワの中心地から南におよそ10km。ポーランドで最大の空港は1934年に開港、2001年に現在の名称に変更されました。中心地へは電車、もしくはバスの利用が一般的です。ショパンの名曲に劣らない、見事な姿を披露するワルシャワ。パスポートを用意して、この魅力溢れる街を訪れてみてはいかがでしょうか。きっと充実した時間になりますよ。

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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