ザルツブルク(オーストリア):古典派音楽の巨匠、モーツァルトの故郷

古典派音楽の巨匠「モーツァルト」。幼少期からその才能を見出され、数々の名曲を世に送り出してきた、天才的な音楽家です。ウィーン古典派の三大巨匠と称される事実にも納得でしょう。その名前をご存知の人も多いはず。そんなモーツァルトの故郷がオーストリアの街「ザルツブルク」です。古くから塩の生産で発展を遂げた歴史的な街で、ユネスコ世界遺産にも認定されています。モーツァルトとザルツブルクの魅力を紹介していきます。

古典派音楽の巨匠「モーツァルト」

「ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart)」は1756年生まれ、古典派音楽を代表する音楽家です。「ハイドン(Haydn)」や「ベートーヴェン(Beethoven)」と共に、ウィーン古典派の三大巨匠とも称される人物です。生涯で生み出した作品の総数は900以上ともいわれ、今もなおその名声は知れ渡っています。作曲はもちろん、ピアニストとしても人気を博し、時代を代表する音楽家の地位にまで登り詰めました。

かつての神聖ローマ帝国領、現在はオーストリア領に属する街「ザルツブルク」にて生を受けたモーツァルト。その父親はザルツブルクの宮廷音楽家であったといいます。父親によってその才能を早くから見出され、幼少期から音楽の手ほどきを受けていました。3歳でチェンバロを、5歳の頃には作曲をしていたというから驚きです。1781年、25歳からはウィーンへと移住。交響曲の父、ハイドンからの評価も高いものだったといいます。

「交響曲第40番」は、モーツァルトが手がけた曲の中でも最も有名な作品のひとつです。1788年にウィーンにて作曲された名曲は、現在3大交響曲と呼ばれています。「魔笛(Die Zauberflöte)」は1791年に制作された作品です。生涯最後のオペラは、現在でも高い評価を受け続けています。幼年期から、音楽家としての才能をいかんなく発揮してきたモーツァルト。そんな彼の生まれた街、故郷と呼べる場所がオーストリアのザルツブルクです。

モーツァルトの故郷「ザルツブルク」

「ザルツブルク(Salzburg)」は、オーストリアの中西部に位置する街。同名の州、ザルツブルク州の州都の役割を担っています。街の名称の意味は「塩の砦」。その名称通り、ザルツブルクは岩塩の生産で発展を重ねてきました。また、1996年には旧市街と建造物がユネスコ世界遺産に認定。「ザルツブルク市街の歴史地区(Historic Centre of the City of Salzburg)」として世界的な注目も集めています。見所は豊富にあるといえるでしょう。

標高424mに位置するザルツブルクは、「北のローマ」「北のフィレンツェ」と称されるほど、美しい街並みを誇っています。歴史上その名前が初めて登場したのは696年のこと。過去にはバイエルン王国に併合されていたこともあり、ドイツのバイエルン州との関係性も深いものです。夏に開催される世界でも最大規模の音楽祭「ザルツブルク音楽祭(Salzburger Festspiele)」には、世界から多くの人々が訪れます。旧市街と新市街の街並みのコントラストも、見逃せないでしょう。街の姿は多くの人々を魅了し続けています。

ザルツブルクの見所

ユネスコ世界遺産に認定されているザルツブルクの歴史的な街並み。メンヒスブルク山の山頂に佇む「ホーエンザルツブルク城」や、1606年に建造された「ミラベル宮殿」、モーツァルトが洗礼を受けた「ザルツブルク大聖堂」など、見所は街の各所に点在しています。「モーツァルトの家」やザルツブルク最古の教会「聖ペーター教会」も見逃し厳禁。名物スイーツの「ザルツブルガー・ノッケルン」まで、街の見所を詳しく紹介します。

ザルツブルクを見守る山の上のお城「ホーエンザルツブルク城」

「ホーエンザルツブルク城(Festung Hohensalzburg)」は、ザルツブルクの世界遺産を構成する一部であり、街を見守るランドマーク。1077年、大司教ゲプハルト・フォン・ヘルフェンシュタイン1世によって建造が始まったお城は、15世紀後半に鐘楼や防壁を増築、17世紀に現在の姿に変貌を遂げました。白塗りで遠目からも目を引く存在感はさすがの一言。メンヒスブルク山の頂上に佇むお城は美しく、また優しげに、街の姿を見守っています。

街からのアクセスは快適なケーブルカーで。所要時間は1分弱です。館内にはオーディオガイドが完備され、いくつかのルートを選んで見学出来るようになっています。歴史上重要な役割を果たした塩の貯蔵庫に、歴代の大司教の肖像画、拷問部屋などいくつかの注目点もあります。展望台から望む360℃の大絶景にも注目でしょう。城内には3つの博物館も併設。中世の武器やお城の模型などが展示されています。隅々まで堪能してみてください。

映画「サウンド・オブ・ミュージック」にも登場!「ミラベル宮殿」

「ミラベル宮殿(Schloß Mirabell)」は1606年に建造された壮麗な宮殿。白の外壁とターコイズブルーの屋根が印象的な美しい建物です。大司教ヴォルフ・ディードリヒが、その愛人と子供のために建てた宮殿は、1965年に公開された映画「サウンド・オブ・ミュージック(Sound of Music)」にも登場しています。訪れる前に映画をチェックしておけば、より楽しむことができるでしょう。華やかな佇まいは、映画ファンならずとも必見です。

宮殿の2階にある「大広間」では毎日のように演奏会が開催。この場所はかつてモーツァルトが演奏した場所としても有名です。豪奢な造りの空間で、音楽に酔いしれてみるのもよいでしょう。隣接する「ミラベル庭園(Mirabellgarten)」の、美しく整備された植栽も見ものです。鮮やかな花の共演のほか、ユニコーンやペガサスの彫像、ギリシャ神話の神々をモチーフにした彫刻も必見です。宮殿と庭園、ぜひ合わせて写真に収めてみてください。

モーツァルトが洗礼を受けた場所「ザルツブルク大聖堂」

「ザルツブルク大聖堂(Dom zu Salzburg)」は世界遺産地区である旧市街に佇む大聖堂。白亜の外観に淡い青のドーム天井が目を引く、壮麗な建造物です。774年に建造されて以来、およそ1200年以上の歴史を誇る大聖堂。過去に火事で焼失したものの、バロック様式で再建造。かつての荘厳な姿を見事に再現した大聖堂は、街の一角を鮮やかに照らしています。

大聖堂内部にある天井画や壁画の美しさには、目を見張るでしょう。1961年に設置された、ドイツ語圏最大の鐘や、ヨーロッパで最大の規模を誇るパイプオルガンも見逃せません。また、ザルツブルク大聖堂には「博物館(Dom Museum)」も併設。ゆかりの品々や貴重な所蔵品の数々を、目の当たりにすることができるでしょう。柔らかな光が差し込む大聖堂内部で、穏やかな時間の流れに身を任せてみるのも、よいのではないでしょうか。

「モーツァルトの家」や669年建造の「聖ペーター教会」、名物スイーツも見逃せない!

「モーツァルトの家(Mozarts Wohnhaus)」は、パステルピンクの外壁が可愛らしいモーツァルトの生家です。第二次世界大戦で崩壊した後、1996年に再建。現在はモーツァルトゆかりの品を展示する博物館として機能しています。譜面や楽器などの展示のほか、「魔笛」などの舞台風景の展示も完備。オーディオガイドを聞くことで、稀代の音楽家の辿った軌跡を知ることができるでしょう。ザルツブルクを訪れたら、ぜひ足を運んでみてくださいね。

「聖ペーター教会(Stiftskirche Sankt Peter Salzburg)」は669年に建造された、ザルツブルクで最古の教会です。建造当初はロマネスク様式を採用。その後度重なる改築を重ね、現在の建物にはルネサンスやバロック様式が混在しています。白と金を基調とした落ち着いた内装は、凛とした静寂を備えています。教会の敷地内には墓地もあり、カタコンベ、すなわち納骨堂や岩窟の礼拝堂などを目にすることも可能です。静かに鑑賞しましょう。

「ザルツブルガー・ノッケルン(Salzburger Nockerln)」は「ザルツブルクの山々」を意味する街の名物スイーツです。16世紀からの長い歴史を誇るお菓子。グラタン皿いっぱいにメレンゲとカスタードクリームを乗せ、オーブンで焼き上げた激甘スイーツ。ボコボコとした見た目は、確かに山のようです。一人ですべて食べるのはオススメしませんが、ぜひ挑戦していただきたい名物です。友達と一緒に、トライしてみてはいかがでしょうか。

世界遺産の街並み、美しいザルツブルクを隅々まで

古典派音楽の巨匠、モーツァルトの故郷ザルツブルクの魅力をご紹介してきました。1996年に世界遺産に認定された街並み。その中にはいくつもの見所が溢れていました。ホーエンザルツブルク城やミラベル宮殿、ザルツブルク大聖堂まで、どこも見逃せない名所といえるでしょう。名物のザルツブルガー・ノッケルンの圧倒的な食べ応えに挑戦してみるのもよいかもしれませんね。夏に開催される音楽祭に合わせて予定を組むのもアリですよ。

オーストリアの中西部に位置するザルツブルク。首都であるウィーンからは、電車でおよそ2時間半の距離にあります。日帰りで訪れることも可能でしょう。しかし、時間的には駆け足になってしまうかもしれません。できれば1泊して、ゆっくりと見所を回るのがオススメです。歴史的な音楽家モーツァルトの故郷。落ち着き、洗練を重ねた街の佇まいは必見です。次回の旅の目的地をザルツブルクに定めてみるのはいかがでしょうか?

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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