メンフィス(アメリカ):ロックの創始者、エルヴィス・プレスリー始まりの場所

アメリカを代表するロックミュージシャン「エルヴィス・プレスリー」。「キング・オブ・ロックンロール」とも称され、ロックミュージックの誕生と普及に多大なる影響を及ぼした、偉大なミュージシャンです。「監獄ロック」など、現代でも語り継がれる名曲の数々は、未だ変わらない輝きを放っています。そんなエルヴィス・プレスリーのミュージシャンとしての始まりの場所が「メンフィス」です。双方の魅力を詳しくお伝えしていきます。

ロックの創始者「エルヴィス・プレスリー」

(Public Domain /‘Elvis Presley publicity photo for The Trouble with Girls, 1968’ by MGM. Image via WIKIMEDIA COMMONS)

「エルヴィス・アーロン・プレスリー(Elvis Aron Presley)」は1935年生まれのミュージシャン。「キング・オブ・ロックンロール」と称される彼が生み出した功績は、計り知れないものです。ギネスには「史上最も成功したソロ・アーティスト」として認定。ロックンロールの誕生と普及に多大なる影響を及ぼし、ロックの創始者の一人にも数えられています。アメリカン・ドリームを体現した彼の音楽性は現代でも人気を集めているのです。

アメリカのミシシッピ州、テュペロに誕生したエルヴィス・プレスリー。11歳の誕生日にギターをもらったことから、彼の音楽の歴史は始まりました。13歳のときにはテネシー州のメンフィスへと移住。1953年には初めてのレコーディングをおこない、歌手としての知名度を高めていきました。また、30本以上の映画に出演をしている映画俳優としての側面も持ち合わせています。42歳の若さでこの世を去るまで輝かしい歴史を残し続けました。

ロックンロールをメジャーな音楽へと飛躍させたエルヴィス。若年層への影響はとりわけ大きく、音楽はもちろんファッションなどの分野でも影響を及ぼしました。1956年に発表した「ハート・ブレイク・ホテル(Heartbreak Hotel)」は、自身初のビルボード・チャート1位を獲得した名曲。1957年に発表した「監獄ロック(Jailhouse Rock)」は、同名映画の主題歌として人気を博した作品です。今なお圧倒的な存在感を放つ偉大なミュージシャン、エルヴィス・プレスリー。その始まりの場所が「メンフィス」の街です。

エルヴィス・プレスリー始まりの場所「メンフィス」

「メンフィス(Memphis)」はアメリカ南部、テネシー州に属する街です。州では最大の規模を誇るメンフィスの名称の由来は、エジプトの古代都市。ミシシッピ川に面した街は、歴史上さまざまな出来事を経験してきました。エルヴィス・プレスリーをはじめとしたミュージシャンゆかりの街として、また多様なジャンルの音楽の発祥地として、その名を馳せています。

1796年にテネシー州最西端の地域として、アメリカに加入したメンフィスの一帯。1819年にはメンフィスの街が建造されました。崖の上に建造された街は、運送の要所として発展。20世紀には世界でも最大規模の綿花と木材の集散地としての地位を確立。この地位は現在まで続いています。1950年にはラバの市場としても有名になった街。現在は近隣地域の商業の中心地として繁栄を重ねており、世界各国からさまざまな人々が訪れています。

メンフィスの見所

とりわけアメリカの音楽業界で強い影響を及ぼしてきた街。メンフィスには音楽にまつわる見所が豊富に溢れています。「グレイスランド」はエルヴィス・プレスリーが住んでいた邸宅。現在その一部は一般公開されています。「サン・スタジオ」や「メンフィス・ロックンソウル博物館」は、メンフィスの音楽の歴史を体感できる貴重な場所。歴史的に重大な出来事が発生した「公民権博物館」も注目です。メンフィスの見所を、紹介します。

エルヴィス・プレスリーの邸宅「グレイスランド」

「グレイスランド(Graceland)」はキング・オブ・ロックと称されるエルヴィス・プレスリーがおよそ20年間住んでいた邸宅です。緑に囲まれた邸宅は豪奢な造り。正面は「風の神殿」と称される、4つの円柱が連なった宮殿調の佇まいです。1982年から博物館として一部が一般に公開、彼の命日には世界各国からファンが集まる「聖地」の様相を呈しています。2006年にはアメリカ国定歴史建造物に指定。建物自体にも注目が集まる見所です。

内部には23の部屋が完備されているグレイスランド。さまざまな言語のガイドも用意されているため、エルヴィスの辿った軌跡を体験することもできるでしょう。実際にレコーディングで使用されていた部屋やたくさんのレコード、衣装にビデオまで、豊富なエピソードを知ることができるはずです。また「瞑想の庭」と呼ばれる庭園部分も注目。エルヴィスと彼の両親、祖母が眠る場所です。静かに巡ってみるのもよいかもしれません。

輝かしい音楽の歴史の出発点「サン・スタジオ」

「サン・スタジオ(Sun Studio)」は1950年に創設されたスタジオです。2003年にはアメリカの国定歴史建造物に指定。グレイスランドと併せて、エルヴィスの軌跡を体感するには欠かすことのできない場所です。エルヴィス初のレコーディングをおこなった場所として有名なほか、さまざまなアーティストの出発点としても多くの功績を残してきました。ブルース界の巨匠「B.B.キング(B.B.King)」も、レコーディングをおこなっています。

入り口正面のオフィスに置かれた珍しい形状のAVコンポや、かつての状態を残したレコーディングスタジオなど、内部の見所も豊富です。天井や防音壁も当時のまま、ポスターやバンドセットが、魔法のような音楽の魅力へ誘ってくれるでしょう。レコーディングの際、実際に使用されたマイクは記念撮影に最適。思い思いのポーズを決めて旅の思い出を彩るのもよいでしょう。メンフィスから発信された音楽の真髄、体験するのは必須ですよ。

メンフィスの音楽の歴史を一堂に、「メンフィス・ロックンソウル博物館」

「メンフィス・ロックンソウル博物館(Memphis Rock‘n’Soul Museum)」は2000年にオープン。2004年に現在の場所に移転した、メンフィスの音楽の歴史を語る施設です。ショートフィルムや充実したヘッドフォンガイドで音楽の歴史を堪能。1930年代〜1970年代にかけての音楽の歴史を、さまざまな展示作品の数々と共に、知ることができます。30を超える楽器や40以上の鮮やかな衣装はとりわけ人気の展示。ぜひ目を凝らしてみてください。

メンフィス・ロックンソウル博物館の内部は、大きく7つの展示ブースに分かれています。「1930年代の農村」では、音楽が誕生した背景についての解説を、「ソウル・ミュージック」では、メンフィスで生まれた音楽、ソウル・ミュージックの重要性を伝えています。それぞれのブースで異なるメッセージが伝えられており、メンフィスの音楽の歴史を色濃く知ることができるでしょう。本格的な博物館で音楽の歴史に浸ってみるのも一興です。

歴史を語る「公民権運動博物館」と「ビール・ストリート」、名物の「リブ」も必食!

「公民権運動博物館(National Civil Rights Museum)」の前身は「ロレイン・モーテル(Lorraine Motel)」。この場所はアフリカ系アメリカ人公民権運動の指導者「マーティン・ルーサー・キング・ジュニア(Martin Luther King, Jr.)」牧師が暗殺された場所です。1968年4月4日、306号室のバルコニーで凶弾に倒れたキング牧師。1991年に改装された博物館には、当時の状況や背景が豊富なパネル展示で解説されています。歴史上重大な出来事が発生した場所。生々しさも残りますが、史実を知ることで学べることもあるはずです。

「ビール・ストリート(Beale Street)」はメンフィスで最も有名なストリート。「ブルースのホームタウン」とも称されるビール・ストリートは、昼間から数十件を超えるお店がオープンしています。あちらこちらから流れる音楽に、自然に気分は高揚。演奏に耳を傾けながら、地元の人々と穏やかな会話を楽しむのもよいでしょう。主となるブルースの旋律は必聴です。全身で音楽の躍動を感じることができる場所。ぜひ訪れてみてください。

メンフィスの名物は「バーベキュー(BBQ)」です。さまざまなスタイルで供されるバーベキューは、メニューを選ぶのも一苦労のはず。そんなときは、絶品の「ポーク・リブ(Pork Ribs)」に挑戦してみてください。表面はジャーキーのようにドライな状態。たっぷりまぶされたスパイスが食欲を刺激します。サイズはフルとスモールがありますが、初めての人はスモールがオススメ。溢れる肉の旨味は虜になる美味しさです。胃袋も満足するはずですよ。

さまざまな音楽の発祥地、メンフィスで歴史を追体験!

ロックの創始者の一人、エルヴィス・プレスリー始まりの街であるメンフィスの魅力をご紹介してきました。エルヴィスが実際に住んでいた邸宅グレイスランドや、数多くの音楽の出発点サン・スタジオ、メンフィス・ロックンソウル博物館まで、とりわけ音楽にまつわる見所が豊富な街でした。メンフィスを訪れたことをキッカケに、ロックンロールやソウル・ミュージックの魅力に目覚める人もいるでしょう。旅の目的地にも最適の場所です。

メンフィスの空の玄関口は「メンフィス国際空港(Memphis International Airport)」です。メンフィスの中心地から南東におよそ1.6km、アクセスするにも容易でしょう。街中には主要な観光地をカバーした、可愛らしいトロリーも走っています。2路線運行しているので、便利に使って観光を快適に進めてくださいね。アメリカン・ミュージックの立役者ともいうべきメンフィス。その歴史を、滞在を通して追体験してみてはいかがでしょうか?

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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