セントルイス(アメリカ):ロック界の伝説、チャックベリー誕生の街

ロック界の伝説といわれ、ロックンロールの創始者の一人である「チャック・ベリー」は、最初期のギターヒーローとして世界にその名を知らしめているミュージシャンです。デビュー曲「メイベリーン」から鮮烈な印象を残し続けた稀代の人物。その存在は、後世のミュージシャンにも少なくない影響を与えてきました。そんなチャック・ベリーが誕生した街がセントルイスです。チャック・ベリーと彼の故郷セントルイスの魅力を、お伝えしていきます。

ロック界の伝説「チャック・ベリー」

(Public Domain /‘Publicity photo of Chuck Berry’ by Chess Records. Note there is an “R” in circle which is a registration mark for the Chess Records logo seen at lower right of the uncropped photo. Image via WIKIMEDIA COMMONS)

「チャック・ベリー(Chuck Berry)」の通称で知られるミュージシャン「チャールズ・エドワード・アンダーソン・ベリー(Charles Edward Anderson Berry)」は、ロックンロールの創始者の一人といわれるアメリカ生まれのミュージシャンです。独特のギターリフと、腰を曲げながらギターを演奏する「ダックウォーク」は彼の代名詞。その印象的な名曲とパフォーマンスの数々は、1950年代〜1960年代の若者に多大な影響を与えてきました。

1926年、ミズーリ州のセントルイスに誕生したチャック・ベリー。父親は建築業者として、母親は教師として働いていたといいます。6歳のときには聖歌隊へ加入。音楽には幼少期から大きな関心を示していたのだとか。1953年にはギタリストとしての活動を開始、1955年にはチェス・レコードと契約を結び、鮮烈なデビューを飾りました。1963年には世界的なアーティストである「ザ・ビートルズ(The Beatles)」や「ザ・ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)」が名曲をカバー。より大きな飛躍を遂げました。

1986年にはロックの殿堂入りを果たしているチャック・ベリー。1955年に発表したデビュー曲「メイベリーン(Maybellene)」は、全米チャートで5位を記録しました。その後も名曲の数々を発表し続け、2017年には「ビッグ・ボーイズ(Big Boys)」を含むアルバムをリリースしています。ロックの王道ともいわれるフレーズとキャッチーなサウンドは、心を掴むでしょう。そんなチャック・ベリーの故郷が、セントルイスの街なのです。

チャック・ベリー誕生の街「セントルイス」

「セント・ルイス(St. Louis)」は、アメリカ中西部に位置するミズーリ州の街です。ミシシッピ川とミズーリ川の合流地点に建造されたこの街は、商業都市として発展を重ねてきました。1764年に毛皮の取引所が設けられたことをキッカケに、水運業で革新を遂げてきたのです。1904年には万国博覧会のほか、夏季オリンピックの開催地として脚光を浴び、世界的な注目も獲得。鉄道網が発達した後は、鉄道関連の産業でも発展を遂げました。

群には属しておらず独立した市であるセントルイスは、ときに犯罪都市と形容されることもあります。しかし、治安が悪い地域に踏み込むことさえなければ、危険が及ぶ心配もないでしょう。また、アメリカの大都市の中では物価が安い街としても有名。1950年以降のセントルイスは近隣地域の経済や文化の中心地として、存在感を高めてきました。交通網も発達しているため、観光にも最適。多くの側面を持つ個性的な街が、セントルイスです。

セントルイスの見所

ミシシッピ川とミズーリ川の合流点に位置するセントルイスには、さまざまな見所が隠されています。高さ192m、街のランドマークである「ゲートウェイ・アーチ」や、北米最古の大聖堂「セントルイス大聖堂」、アメリカの国定歴史建造物にも指定されている「ミズーリ植物園」などがその代表でしょう。そのほか「市立博物館」や「セントルイス科学センター」も注目の見所。周辺地域の中心地、セントルイスの見所を詳しく紹介します。

高さ192m、街のランドマーク「ゲートウェイ・アーチ」

「ゲートウェイ・アーチ(Gateway Arch)」は1967年から一般公開を開始。ジェファーソン国立記念公園の敷地内に建造された、街のランドマークです。虹のような見事なアーチを描いた姿は圧倒的。その高さは192mにもなり、セントルイスの多くの場所から目にすることができます。街を訪れたらまず足を運びたい見所といえるでしょう。快晴に映える銀色は見るものを魅了します。写真に残して旅の思い出を彩るにもよいでしょう。

ゲートウェイ・アーチの内部は実は空洞です。驚くことに博物館や資料映画館、ショップなどが設置されているのだとか。資料映画館では街の歴史にまつわるドキュメンタリーを毎日2本公開。セントルイスが発展を重ねてきた背景を知ることができるでしょう。また、上部には展望台が設置されています。チケットは人気のため、インターネットからの事前購入が必須でしょう。夜にはライトアップもされ、幻想的な一面を覗かせてくれますよ。

北米最古の大聖堂「セントルイス大聖堂」

「セントルイス大聖堂(Cathedral Basilica of Saint Louis)」は1914年に完成した、セントラル・ウエスト・エンド地区に佇む大聖堂。北米で最古の大聖堂といわれる歴史的な建造物は、街中で静かな存在感を放っています。白の外壁と緑のドーム天井が印象的。カトリック教会であるセントルイス大聖堂は、ミサの時間を除いて内部鑑賞をすることも可能です。長い歴史を誇る大聖堂。厳かな存在感は、深い感銘をあなたに与えるはずです。

セントルイス大聖堂内部の見所は、1912年〜1988年にかけて施された壮麗なモザイク画です。期間にしておよそ80年。世界で最大の規模を誇るというモザイク画の数々は、圧巻というほかないでしょう。使われている色の種類は7,000を超えるのだとか。アーチ状の窓から差し込む柔らかな陽光が、モザイク画の神秘的な印象を加速させます。地下には「モザイク博物館(Mosaic Museum)」も併設。見所たっぷりの大聖堂は必見といえます。

国定歴史建造物にも指定された「ミズーリ植物園」

「ミズーリ植物園(Missouri Botanical Garden)」は1859年に一般に公開された植物園です。イギリス生まれの慈善家「ヘンリー・ショー(Henry Shaw)」の屋敷を基礎に建造されたというミズーリ植物園。その歴史的な価値から、アメリカの国定歴史建造物にも指定されています。敷地面積32ヘクタールにも及ぶ広大な土地には、植栽を使った迷宮やハーブ園、温室などが点在。ビクトリア調をはじめとした、さまざまな庭園にも注目でしょう。

「清和園(Seiwa-en)」は北米最大級の日本庭園です。敷地面積5.7ヘクタールの美しく整備された庭園。とりわけ桜の展示は有名、春は艶やかで華やかな姿を披露してくれます。秋には紅葉を楽しむこともできるようですよ。ほかにも「イングリッシュ・ウッドガーデン」や「ババリア・ガーデン」、多数の熱帯植物が生育されている「クリマトロン・ドーム温室」など魅力的なエリアが点在。穏やかな時間を過ごしてみてはいかがでしょう。

街の歴史を語る博物館と科学センター、名物の「スリンガー」でお腹を満たす

「市立博物館(City Museum)」はセントルイスの歴史や文化の変遷を、わかりやすく解説した博物館です。以前は靴工場としての役割を果たしていたという建物。現在は飛行機や宇宙船のカプセル、実際に触れることができる体験型のアトラクションが充実しています。中でも注目はビルの3階相当の高さを誇るという滑り台です。その疾走感は特筆ものでしょう。街の歴史を童心と共に。忘れられない体験が博物館であなたを待っていますよ。

「セントルイス科学センター(Saint Louis Science Center)」は白を基調としたモダンな外観が目を引く施設です。屋根のドーム部分はプラネタリウム。星座の説明に耳を傾けながら、のんびりとした時間を過ごすことができます。恐竜の模型や錯覚を利用した体験型アトラクションのほか、科学実験を実演で楽しむことも可能です。半円球状のスクリーンを使用した「オムニマックス・シアター(OmniMax)」も完備。お子様連れも安心です。

「スリンガー(Slinger)」はセントルイスを代表する名物の代表格。ハンバーグやソーセージ、ポテトや目玉焼きなどを盛り付けた皿の上から、肉汁をギュッと閉じ込めた贅沢な「グレービーソース(Gravy)」をたっぷりと。アメリカらしい豪快な一皿です。口に運べばそのリッチで複雑な味わいがクセになるはず。ビールとの相性も抜群なのでぜひ試してみてください。チーズをトッピングして、より豪華な組み合わせにするのもアリですね。

ミズーリ州を代表する街、セントルイスで滞在を謳歌

ロック界の伝説と称されるミュージシャン、チャック・ベリー。彼の故郷である街、ミズーリ州セントルイスの魅力をここまで紹介してきました。街のランドマークであるゲートウェイ・アーチやセントルイス大聖堂、穏やかな時間を過ごせるミズーリ植物園まで、甲乙つけがたい魅力的な見所が溢れていました。観光都市としても発展を遂げているセントルイスは、交通の便も快適。ストレスフリーな滞在を謳歌することができるでしょう。

「セントルイス・ランバート国際空港(St. Louis Lambert International Airport)」は、セントルイスの玄関口です。元々は気球の発着場として使用されていた場所。セントルイスの中心部までのアクセスには、電車かバスを使用するのが一般的です。便利なアクセス網の発達も、滞在に欠かすことのできない重要な要素。セントルイスはその点もクリアしています。次回の旅の目的地は、この魅力的なセントルイスにしてみてはいかがでしょうか。

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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