ストラトフォード=アポン=エイヴォン(イングランド):文豪ウィリアム・シェイクスピアが生まれた街

誰もが知る世界的な劇作家「ウィリアム・シェイクスピア」。「リア王」や「ハムレット」を代表とする4大悲劇やそのほかの作品は、時代を超えても多くの人々を魅了し続けています。最も優れた英文学の作家と称されている事実にも納得でしょう。そんなシェイクスピアが生まれた街が、イングランド中部に位置する「ストラトフォード=アポン=エイヴォン」です。歴史に残る文豪とその故郷に根付いた魅力を、詳しくご紹介していきます。

世界に名だたる文豪「ウィリアム・シェイクスピア」

(William Shakespeare, an English poet, playwright, Madame Tussauds Berlin wax museum.)

「ウィリアム・シェイクスピア(William Shakespeare)」は、イングランドの歴史を代表する伝説的な詩人であり劇作家です。人間の心理描写に優れ、さまざまな傑作を生み出してきた名高い文豪。その作品は世界各国で翻訳され、時代を経てもなお普遍の名作として愛され続けています。その功績から「最も優れた英文作家」と称されることもあるほど。「ロミオとジュリエット」「ヴェニスの商人」などは、シェイクスピアの代表作です。

1564年、イングランドのストラトフォード=アポン=エイヴォンに誕生したシェイクスピア。その父親は皮手袋の商人として成功しており、町長を務めていたこともある人物でした。街中にあるグラマー・スクールで、ラテン語の文法や文学について集中的に勉強し、1582年には8歳年上の「アン・ハサウェイ(Anne Hathaway)」と結婚。1592年までには拠点をロンドンへ移し、大きな成功を手にしました。1613年には故郷へと戻っています。

さまざまな逸話が残るシェイクスピアですが、誕生日と命日が同じ日であることは、彼の劇的な人生を決定づける要因のひとつでしょう。4大悲劇の「ハムレット(Hamlet)」や「マクベス(Macbeth)」などのストーリーは、シェイクスピアの人生における経験も、大いに反映されているはずです。時代を経ても色褪せない名作を生み出した文豪シェイクスピア。その始まりの地ストラトフォード=アポン=エイヴォンにも、注目でしょう。

文豪ウィリアム・シェイクスピアが生まれた街「ストラトフォード=アポン=エイヴォン」

「ストラトフォード=アポン=エイヴォン(Stratford-upon-Avon)」はイングランド中部に位置する街です。街のいたるところにシェイクスピアの面影が残る場所。その人気は衰えず、年間50万人以上の人々がこの街を目的に訪れています。中世には商業都市として発展を重ね、街の認可が下りたのは1196年頃のこと。以降800年以上の長い歴史を誇る街には中世の香りが色濃く残り、また木々などの自然も豊富です。散策するにも最適でしょう。

ほとんどの観光名所が集中しているストラトフォード=アポン=エイヴォン。半日ほどあれば、時間をかけて主要な見所を巡ることが可能です。「ロンドン(London)」や「バーミンガム(Birmingham)」の街からも直通電車が出ておりアクセスも快適。シェイクスピアがラテン語を学んだとされる「エドワード6世校(Edward VI School)」も現存しています。ストラトフォード=アポン=エイヴォンでの滞在はきっと強い印象を残すでしょう。

ストラトフォード=アポン=エイヴォンの見所

街全体を通してシェイクスピアの軌跡を味わうことができる街、ストラトフォード=アポン=エイヴォンには、さまざまな見所があります。シェイクスピアが洗礼を受けた「聖トリニティ教会」や「ロイヤル・シェイクスピア劇場」、もちろん「シェイクスピアの生家」も美しい状態で残されています。孫のエリザベス夫妻の家「ナッシュハウス」や、妻であるアン・ハサウェイの「コテージ」も必見。街に広がる名所見所を紹介していきます。

シェイクスピアが洗礼を受けた場所「聖トリニティ教会」

「聖トリニティ教会(Holy Trinity Church)」は「エイヴォン川(River Avon)」のほとりに佇む教会です。13世紀に建造されたという聖トリニティ教会は、尖塔が目を引く豪華な姿。シェイクスピアが生まれて間もなく洗礼を受けた場所としても非常に有名です。また、教会内にはシェイクスピア一族のお墓があります。彼自身のお墓は左から2番目に位置。左側の壁に設置されたシェイクスピアの胸像にも、ぜひ注目してみてください。

聖トリニティ教会は観光客も少なく、比較的ゆったりと鑑賞することができる場所です。本堂部分を囲うように取り付けられたステンドグラスが生み出す空間は、神秘的かつ幻想的。柔らかな日差しはシェイクスピアの眠りを見守る守り人のようです。裏庭部分は木々が生い茂り自然も豊富。遠景から教会を捉えれば自然との調和が絵になります。雄大なエイヴォン川のほとり、散策の目的地に聖トリニティ教会は外せない場所のひとつですね。

美しいレンガ造りが目を引く建物「ロイヤル・シェイクスピア劇場」

「ロイヤル・シェイクスピア劇場(Royal Shakespeare Company & Theatres)」は、エイヴォン川の西側に立つ赤いレンガ造りの建物です。1875年に創設されたシェイクスピア記念劇場が前身の建物は、1961年に現在の名称へ変更。内部はアール・デコ様式が散見される優雅な佇まいが魅力です。収容人数は1,040人以上。シェイクスピアの演劇はもちろん、年間を通してさまざまな演劇が上演されています。客席とステージの近さも特徴のひとつ。

ロイヤル・シェイクスピア劇場では演劇鑑賞のほか、劇場を巡るガイドツアーも用意されています。豪華でモダンな造りを披露する劇場の魅力を知る、唯一無二の貴重な機会となるでしょう。通訳付きのツアーは事前予約が必須のため要注意です。また、エイヴォン川を見下ろすことができるレストランやカフェ、建物のランドマークである高さ36mの塔には展望台も完備されています。演劇鑑賞と美しい街並みを一緒に味わうことができますよ。

文豪が生まれ、そして育った場所「シェイクスピアの生家」

「シェイクスピアの生家(Shakespeare’s Birth Place)」は文豪シェイクスピアが生まれ、育った家です。ストラトフォード=アポン=エイヴォンでは真っ先に名前が挙がる見所の筆頭。16世紀の中頃に建てられたといわれるハーフティンバー様式の建物。オレンジの屋根とベージュの外壁が落ち着いた印象を醸し出しています。シェイクスピアが結婚後、引越しをするまで暮らしを営んだ場所。当時の暮らしぶりが細部まで再現されています。

当時の家としては豪華でしっかりとした造りであるという建物。キッチンやリビング、寝室などから、かつての暮らしぶりを鮮明に想像することができるでしょう。また、隣接する「シェイクスピア・センター」はシェイクスピアの関連書物や資料などが展示されています。生家に足を踏み込む前にそれらに目を通しておくのがよいでしょう。庭園部分では時折即興の演劇も上演されています。シェイクスピアの生家、ぜひ訪れてみてください。

シェイクスピアの孫エリザベスの家と、妻アン・ハサウェイのコテージ

「ナッシュハウス(Nash’s House)」はシェイクスピアの孫エリザベスと最初の夫「トーマス・ナッシュ(Thomas Nash)」が暮らしたとされる家です。チューダーハウスの建築様式を用いた素朴な建物で、2階部分は現在、街の歴史を伝える歴史博物館として機能しています。隣接する「ニュー・プレイス(New Place)」はシェイクスピアが晩年を過ごした場所です。かつては街で2番目の豪邸もありましたが、現在は壊され空き地となっています。

「アン・ハサウェイのコテージ(Anne Hathaway’s Cottage)」は、シェイクスピアの妻であるアン・ハサウェイが育った家です。ストラトフォード・アポン・エイヴォンの中心地からおよそ1.6km。1582年まで、アンはこの場所で暮らしを営んでいました。また、シェイクスピアが求婚をした場所としても知られています。茅葺屋根と木枠が印象に残る素朴な佇まい。12部屋に及ぶ大きな家からは、当時の裕福な暮らしぶりが垣間見えるでしょう。

典型的なチューダー様式で建造されたアン・ハサウェイのコテージ。煙突が連なる姿は牧歌的な様相。世界各国には原寸大で再現された同様の建物がいくつか建造されているのだとか。春〜夏は庭園の花々が咲き乱れ、美しい表情を覗かせます。彫刻も設置されている庭園も見た目も豪華。期間限定ですが、音声ガイドの貸し出しもおこなわれています。文豪シェイクスピアが愛したアンの人生の軌跡。この場所で浸ってみてはいかがでしょうか。

街全体がシェイクスピアを尊ぶ場所、見所満載のストラトフォード=アポン=エイヴォン

世界に名だたる文豪ウィリアム・シェイクスピア。その人生の多くを過ごした街ストラトフォード=アポン=エイヴォンの魅力をご紹介してきました。聖トリニティ教会やロイヤル・シェイクスピア劇場、シェイクスピアの生家まで街を通してシェイクスピアの人生の軌跡を堪能することができるでしょう。彼自身のブロンズ像も設置されており、記念写真を撮るにも最適です。美しい自然に抱かれた街並みを、ぜひ滞在を謳歌してみてください。

ストラトフォード=アポン=エイヴォンへのアクセスは、イングランドの首都ロンドンから電車でおよそ2時間、バーミンガムからは電車でおよそ1時間の距離です。快適なアクセスも街の魅力でしょう。日帰りも十分に可能です。また、街で美食を謳歌するなら16世紀の建物を活用したレストラン「ラム(Lambs)」がオススメ。落ち着いた雰囲気で食を堪能することができますよ。シェイクスピアの小説を片手に、ぜひとも足を運んでみてくださいね。

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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