ボルチモア(アメリカ):アメリカ球界の巨人、ベーブ・ルースが誕生した場所

アメリカ野球界の立役者「ベーブ・ルース」は、生涯本塁打714本の大記録を生み出した伝説の野球選手の一人です。初めての野球殿堂入りを果たした人物としても有名。その生涯は数々の本にも記録され、現在も変わらない人気を集めています。そんなベーブ・ルースが誕生した場所が、アメリカ東部に位置する「ボルチモア」です。今なお栄光の歴史が伝わる野球選手ベーブ・ルースとその故郷ボルチモアの魅力を、詳しくご紹介していきます。

アメリカ野球界の巨人「ベーブ・ルース」

(Public Domain /‘Babe Ruth’ by Paul Thompson. Image via WIKIMEDIA COMMONS)

「ジョージ・ハーマン・ルース・ジュニア(George Herman Ruth Jr.)」、通称「ベーブ・ルース(Babe Ruth)」は1895年生まれの伝説のスラッガー。1927年に生み出したシーズン60本塁打の記録は34年の間塗り替えられることのなかった大記録。生涯の通算本塁打数が714本という事実には驚愕でしょう。ベーブ・ルースはアメリカの野球人気を牽引した人物です。その功績から「野球の神様」「アメリカ野球界最大の巨人」とも称されています。

アメリカ東部、メリーランド州の街ボルチモアに誕生したベーブ・ルース。自営業の酒場を経営していた両親の元、わんぱくに成長を遂げていきました。悪童ともいわれたベーブ・ルースは7歳から矯正学校兼孤児院に入り、12年の歳月をそこで過ごしました。野球との出会いはこの孤児院での出来事です。1914年、19歳のときにスカウトを受け本格的な野球生活を開始。スカウト当時、本人は野球を辞めるつもりであったというから運命的でしょう。

初期は投手として活躍。思うような結果が出せず、徐々に野手としての出番が増えていきました。その猛打の噂から、当時のスタジアムには多くの人々が訪れたといいます。また、子供好きでファンサービスにも熱心であったというベーブ・ルース。落馬の事故から瀕死状態になった子供のためにサインボールを送り、「水曜日の試合で君のために本塁打を打つ」と伝えた逸話は「約束のホームラン」という名称で、伝記に度々登場しています。

アメリカの野球人気を牽引した重要人物。ベーブ・ルースの栄光は今後も衰えることはないでしょう。そしてその原点になった街こそがメリーランド州の街「ボルチモア」です。

ベーブ・ルースの生まれ故郷「ボルチモア」

「ボルチモア(Baltimore)」はアメリカ東部に位置するメリーランド州で最大の街。1729年にタバコの輸出港として開かれ、発展を重ねてきました。ボルチモアの街が誕生したのは1797年のことです。街の名前の由来は植民地時代の立役者の名前から。かつては豊富な漁獲量を誇る漁港としても名を馳せた街。現在のボルチモアには、その繁栄の名残をふんだんに味わうことができる、豊かな海の幸が名物としてしっかりと根付いています。

また、ボルチモアを語るうえで外すことのできない事実が「アメリカの国歌、星条旗が誕生した場所」ということです。誕生のキッカケとなったマクヘンリー要塞の出来事は、歴史的にも重要な史実。観光で訪れる人々のキッカケのひとつになっていることは間違いありません。1830年にはアメリカで初めての鉄道が開通したことも有名。歴史上、国内で2番目の人口を誇っていた大都市でもあります。アメリカで重要な街のひとつでしょう。

ボルチモアの見所

アメリカの歴史上、欠かすことのできない存在であるボルチモアの街。その街中、及び近郊には今なお残る重要な資産や観光スポットが溢れています。代表的な見所である「マクヘンリー要塞」やアメリカ屈指の規模を誇る「ボルチモア国立水族館」、色彩の魔術師アンリ・マティスの作品を世界最高数で展示している「ボルチモア美術館」などは外せません。新鮮な海の幸や名物の「クラブケーキ」も必食でしょう。街の見所を紹介します。

アメリカの国歌、星条旗が誕生した場所「マクヘンリー要塞」

「マクヘンリー要塞(Fort McHenry)」は美しい星型の要塞。雪の結晶を彷彿とさせる外観が印象的な、ボルチモア屈指の見所です。アメリカ独立後、重要な港であるボルチモア防衛のために建造され、国家歴史重要財にも認定されています。マクヘンリー要塞がとりわけ注目を集める理由は「アメリカの国歌、星条旗が誕生した場所」という史実にあります。そのキッカケとなったのは1814年に勃発したボルチモアの戦いでの出来事です。

イギリス海軍からの25時間に及ぶ砲撃を耐え抜いた堅固な要塞。その状況を別の船から目撃していたアメリカの弁護士であり詩人「フランシス・スコット・キー(Francis Scott Key)」が当時の感動を描いた詩が「星の煌めく旗(The Star-Spangled Banne)」です。その詩にメロディをのせたものが現在の国歌。この物語はマクヘンリー要塞で映像を通して知ることもできます。アメリカ史上重要な出来事、国歌誕生の瞬間を体験してみては?

アメリカ屈指の規模を誇る「ボルチモア国立水族館」

「ボルチモア国立水族館(Baltimore National Aquarium)」は1981年に開館。アメリカ屈指の規模を誇る水族館です。3つの展示館には16,000以上の海洋生物を飼育。その種類は660以上にもなるといいます。中でも注目を集める人気者が、特別プールで飼育されているバンドウイルカです。伸び伸びと泳ぐ姿はどことなく嬉しげ。ボルチモア国立水族館を訪れたら真っ先に向かってみてください。人だかりの先にいるイルカの姿は必見といえます。

色彩豊かな熱帯魚も水族館を代表する見所のひとつ。そのほかオーストラリアの珍しい動物を飼育したエリアでは、ワニや毒ヘビ、カワセミなどの姿を拝むこともできます。ドーナツ型の水槽で飼育されているサメの姿も見逃せないでしょう。エンターテイメント性に溢れた場所であるボルチモア国立水族館は、家族連れにもオススメできるスポットです。

色彩の魔術師アンリ・マティスの作品を世界一所蔵、「ボルチモア美術館」

「ボルチモア国立水族館(Baltimore Museum of Art)」は1914年に開館した美術館。ギリシャ神殿を思い起こさせる外観が優雅な、芸術鑑賞のメッカです。所蔵作品総数は90,000点以上。絵画のほか、彫刻を展示した彫刻庭園などもあります。イギリス出身の彫刻家「ヘンリー・ムーア(Henry Moore)」の個性あふれる展示の数々は、心を虜にするでしょう。

20世紀を代表する画家「アンリ・マティス(Henri Matisse)」。色彩の魔術師と称され、「フォーヴィスム(Fauvisme)」の芸術運動を牽引した彼の作品を、ボルチモア美術館は世界最大数所蔵しています。ボルチモア出身のコーン姉妹が若き日のマティスの才能を見出し、熱心な援助をしたことがキッカケ。「ブルー・ヌード(Blue Nude)」などの色彩豊かな作品は見逃せません。ピカソやゴッホなど、著名な画家の作品も展示していますよ。

初代大統領を讃える記念碑と野球の神様の博物館、名物のクラブケーキは外せない!

アメリカの初代大統領である「ジョージ・ワシントン(George Washington)」。この偉大な人物をたたえたモニュメントが「ワシントン記念碑(Washington Monument)」です。1829年に完成し、2015年にはリニューアルオープン。ワシントンD.C.にある記念碑よりも先に建造された元祖ともいえます。記念碑には登ることもできるほか博物館も併設。ジョージ・ワシントン大統領やボルチモアにまつわる展示の数々。ボルチモアでは必見です。

「ベーブ・ルース博物館(Babe Ruth Museum)」はボルチモア出身、伝説の野球選手ベーブ・ルースの生まれた家です。野球の神様と称される偉大な人物。博物館では写真や肖像画、ユニフォームに至るまで幅広い種類の所蔵品が惜しげもなく披露されています。ベーブ・ルースが生涯で放った714本の本塁打、その詳細な記録も公開。アメリカの野球界を代表する名プレイヤー、ベーブ・ルースの軌跡を知るなら、この場所は外せませんよ。

新鮮な海の幸が名物のボルチモア。「クラブケーキ(Crab Cake)」はカニの身やパン粉、卵や玉ねぎをふんだんに使用した、街を代表する名物料理です。立ち食いで手軽に楽しむこともできますよ。「レキシントン・マーケット(Lexinton Market)」は1782年からの歴史を誇るスポット。ボルチモアで海の幸を堪能するなら、この場所がベストです。ローカル感に浸りながら純粋な旨味を凝縮した逸品の数々を味わえますよ。

アメリカの歴史を紡いだ重要な場所、ボルチモア散策を楽しもう!

アメリカ野球界を語るうえでは欠かせない重要な人物、ベーブ・ルースの誕生した街ボルチモアの魅力をご紹介してきました。アメリカの国歌が生まれた場所としても有名。マクヘンリー要塞やボルチモア国立水族館、芸術の粋を堪能できるボルチモア美術館も見逃せません。ワシントン記念碑やベーブ・ルース博物館、名物のクラブケーキも外せないでしょう。街の端々から感じる歴史の息吹。散策しながら、ぜひ堪能してみてくださいね。

ボルチモアの空の玄関口「ボルチモア・ワシントン国際空港(Baltimore Washington International Airport)」は街の中心地からおよそ16kmの地点に位置する空港です。全米を結ぶ鉄道「アムトラック(Amtrak)」も乗り入れており、ボルチモアへ10分ほどでアクセスが可能。アメリカの首都ワシントンD.C.へのアクセスも便利です。魅力たっぷりのボルチモア。次回の旅は歴史溢れるこの街で優雅な時間を楽しんでみてはいかがでしょうか。

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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