リヨン(フランス):フランスを代表する小説家、サン=テグジュペリのふるさと

世界200を超える国や地域で愛されるベストセラー「星の王子さま」。その著者がフランスの小説家「サン・テグジュペリ」です。操縦士としての経歴を持ちながらも、意欲的に作品制作を続けた人物。その作品の数々は、現代でも多くの人々を虜にしています。お気に入りの作品がある人も多いでしょう。そんなサン・テグジュペリのふるさとが、フランスの「リヨン」です。サン・テグジュペリとリヨンの魅力を、当記事でご紹介していきます。

フランスを代表する小説家「サン・テグジュペリ」

(Public Domain /‘Saint-Exupéry’ by Unknown author. Image via WIKIMEDIA COMMONS)

「サン=テグジュペリ(Saint-Exupéry)」はフランスの小説家。星の王子さまなどの代表作で知られる著名な人物です。小説家として数々の名作を生み出しながらも、操縦士としての経歴も長く、世界各国に操縦士のファンもいるといいます。小説家と操縦士、あまり関連性が見出せない人もいるかと思いますが、彼の作品には操縦士としての経歴が大きく反映されています。星の王子さまもそれは同様。不時着の経験が基になっているのです。

1900年生まれ、リヨンの伯爵の子として誕生したサン・テグジュペリ。スイスの聖ヨハネ学院で文学を学んだ後、陸軍に操縦士として所属。この経歴は当時でも異例であったといいます。1926年には小説家としてデビューを飾りました。操縦士としての実体験が反映された作品の数々は、世界中に多くのファンを生み出していったといいます。1935年にはサハラ砂漠への不時着を経験。3日の後に徒歩でカイロの街に辿り着いた逸話は有名です。

「夜間飛行(Vol de nuit)」は1931年に発表された代表作。フランスで最も権威ある文学賞のひとつである「フェミナ賞(Prix Femina)」を受賞した傑作です。「星の王子さま(Le Petit Prince)」は1943年に出版された、誰もが知る大ベストセラー。世界200を超える国と地域で翻訳され今なお愛され続ける名作。不朽の名作といってもよい代表作でしょう。

小説家として、操縦士として、異例の経歴で世界を感動の渦に巻き込んできた人物サン・テグジュペリ。そのふるさとがフランス南東部に位置する街「リヨン」です。

サン・テグジュペリのふるさと「リヨン」

リヨンはフランスの南東部に位置する街。メトロポール・ド・リヨンの県庁所在地です。近郊の人口数はフランスで2番目と屈指の規模を誇る地域。その起源となったのは紀元前43年に建造された街です。14世紀初頭にはフランスへ加入し交易の中心地として発展。とりわけ絹の生産では有名な街となっていきました。中世にはヨーロッパ各地の手形交換所としての役割を果たし、さらなる発展を経験。その繁栄はもちろん現在まで続いています。

現在のリヨンは中世からの交易の中心地としての役割をさらに強め、金融の中心地としてフランスでの存在感を高めています。高度に発展した街並みにも注目でしょう。気候は年間を通して温暖なことが特徴。1998年には「リヨン歴史地区(Site historique de Lyon)」としてユネスコ世界遺産に認定。海外からの観光客も多く引き寄せています。歴史ある街並みと温暖な気候、多くの観光スポットがあるリヨン。旅の目的地にも最適な街ですね。

リヨンの見所

フランス国内でもとりわけの発展を遂げているリヨン。紀元前からの長い歴史が物語る佇まいは必見といえます。リヨンの始まりの場所といわれる「フルヴィエールの丘」や「ノートルダム大聖堂」、幅広い美術品を展示した「リヨン美術館」などは見逃せないでしょう。「サン・ジャン大聖堂」やリヨンの台所「ポールボキューズ中央市場」も絶対に訪れたい場所。数え切れないほどの見所があるリヨン。その中でも注目の名所を紹介します。

リヨン旧市街の中心地、始まりの場所「フルヴィエールの丘」

「フルヴィエールの丘(Fourviere)」はローマ時代に造られた丘です。神の丘を意味するフルヴィエールの丘は、リヨン建造の始まりの場所。リヨンの街はこの場所から建造が始まりました。世界遺産である旧市街のシンボルである丘。緑豊かな外観からは、街を見守る慈愛のようなぬくもりを感じます。丘の頂上まではケーブルカーの利用が便利。頂上からはリヨンの美しい街並みが一望できます。隅々まで素晴らしい景色をご堪能ください。

フルヴィエールの丘には古代ローマ時代の劇場が美しい状態で保存されています。紀元前1世紀に建造されたという劇場の収容人数は10,000人以上。毎年夏には「フルヴィエールの夜」というイベントが開催されています。時代を跨いだ劇場の荘厳な姿は必見でしょう。

フルヴィエールの丘のランドマーク「ノートルダム大聖堂」

「フルヴィエール・ノートルダム大聖堂(Basilique Notre Dame de Fourviere)」は1896年に建造された、フルヴィエールの丘のランドマーク。ロマネスク様式とビサンチン様式が混在した姿は壮観。4つの塔と中央に佇む鐘楼が特に印象的です。4つの塔にはそれぞれ力と正義、節制と慎重の名前が冠されているのだとか。中央の鐘楼の頂上には金色の輝きをまとった聖母マリアの銅像が鎮座。ノートルダム大聖堂を慈愛の表情で統一しています。

ノートルダム大聖堂は上部と下部の構造が異なることも特徴です。上部は金細工やステンドグラスをふんだんに使用した絢爛豪華な造りが特徴。下部は装飾を抑えた落ち着いた雰囲気が特徴です。リヨンの街のいたるところから目にすることができるシンボル。ガイドツアーも催行されています。参加して大聖堂の歴史や造りを知ってみるのもよいでしょう。その佇まいはまさしく威風堂々。リヨンの街では絶対に外せない見所の代表格です。

フランス最大規模の美術館、芸術の聖地「リヨン美術館」

「リヨン美術館(Musée des Beaux Arts de Lyon)」はフランスでも指折りの規模を誇る美術館。17世紀の建物、かつての修道院に作られた美術館には古代ローマや古代ギリシャの美術品をはじめとした芸術作品の数々が豊富に所蔵されています。リヨンの市庁舎もある「テロー広場(La Place des Terreaux)」に面しており、アクセスも便利。70にもなる展示室を巡れば、リヨンに集まった芸術コレクションの数々に、心奪われることでしょう。

古代美術コレクションのほか、リヨン美術館には絵画のコレクションも充実しています。モネやレンブラント、ゴーギャンなど歴史を彩る綺羅星のような芸術家たちの作品は圧巻。大階段に描かれた「ピエール・ピュヴィ・ド・シャヴァンヌ(Pierre Puvis de Chavannes)」による壁画「芸術とミューズにとって愛しい聖なる森」も必見です。幅広い時代の所蔵作品の数々。リヨンを訪れたら1日は芸術に浸る時間を作ってみてください。

世界遺産リヨン旧市街と街を彩る大聖堂、人気の中央市場も見逃せない

「リヨン旧市街(Vieux Lyon)」はユネスコ世界遺産に認定されたリヨン屈指の観光スポット。中世の雰囲気をそのまま投影したかのような、華やかな街並みが特徴です。レストランやカフェ、雑貨屋などが点在する旧市街は散策するだけでも心が踊るはず。石畳が連なる街並みはどこも絵になります。カメラ片手に、気ままな散策を楽しんでみてください。

「サン・ジャン大聖堂(Cathedrale Saint-Jean)」はフルヴィエールの丘のふもとに佇む大聖堂。12世紀〜16世紀、およそ300年の歳月をかけて建てられた大聖堂は、ロマネスク様式とゴシック様式が見事に調和。14世紀に設置されたという天文時計も見所です。三角形の装飾が印象的。中央に配されたバラ窓が華やかで優雅な雰囲気を与えています。夜はライトアップもされ、幻想的な表情を披露。サン・ジャン大聖堂は散策で見逃せないでしょう。

「ポール・ボキューズ(Les Halles de Lyon Paul Bocuse)」はリヨンの街を代表する市場。リヨンの中央市場であるポール・ボキューズは1859年に創設、1971年に現在の場所に移転を遂げました。美食の街とも称されるリヨンの食の魅力を詰めこんだグルメ必見の見所です。パンやチーズ、ワインまでジャンルも広く揃わないものはありません。48のお店には活気が満ち、多くの人が利用しています。上品で洗練された雰囲気も同様に楽しんで。

フランス屈指の観光都市、リヨンの魅力を滞在で謳歌!

フランスを代表する小説家サン=テグジュペリ。そのふるさとである街リヨンの魅力をご紹介してきました。長い歴史を誇るリヨン。世界遺産に認定された旧市街をはじめとした見所の数々は、絶対に見逃せないでしょう。フルヴィエールの丘やノートルダム大聖堂、芸術の粋を集めたリヨン美術館も必見です。街歩きの途中で魅力的なスポットを発見することもあるでしょう。今なお発展を重ねるリヨンはその街の変化にも注目といえますね。

「リヨン・サン=テグジュペリ国際空港(Saint-Exupéry International Airport)」はフランス南東部に位置するリヨンの空の玄関口です。フランスで4番目に利用者が多いこの空港は、街にアクセスするにも容易でしょう。また、フランスの首都パリからは高速列車「TGV」を使えば2時間の距離です。国内周遊の旅の目的地にもよいでしょう。魅力が尽きない街リヨン。次回の旅の目的地は、ぜひこの街に定めてみてはいかがでしょうか?

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

関連記事一覧