グラーツ(オーストリア):エジソンのライバル、ニコラ・テスラが学んだ街

発明家エジソンのライバルとも称される人物『ニコラ・テスラ』。8つの言語を操り、さまざまな発明品を生み出して世界に革命をもたらした発明家です。テスラ・コイルなど、自身の名前を冠したアイデアは、現在でも多くの事象に活用されています。その名前をご存知の人も多いでしょう。そんなニコラ・テスラの在籍した大学がある街が、オーストリアの『グラーツ』です。ニコラ・テスラとゆかりの街グラーツの魅力を紹介していきます。

エジソンのライバル!発明家『ニコラ・テスラ』

『ニコラ・テスラ(Nikola Tesla)』は19世紀〜20世紀にかけて活躍した発明家であり電気技師。8つの言語を巧みに操る天才的な側面や、音楽や哲学に至るまで精通していたという事実も有名です。美男子であったが独特の性格のため、生涯独身であったというニコラ・テスラ。その名前は磁束の単位である『テスラ』にも残されており、耳にする機会もあるでしょう。発明家エジソンのライバルであったという逸話も現在まで伝わっています。

1856年に誕生したニコラ・テスラは『自身以上の神童』とも呼ばれた兄を、5歳の頃に亡くしています。その影響から勉学に励み、とりわけ数学では天才的な功績を残してきました。グラーツ工科大学への入学、中退を経た後はプラハ大学への留学を経験。1884年にはアメリカへ渡り、エジソンの会社に勤め始めました。しかし、エジソンとの確執が原因で辞職。1887年に独立を果たしテスラ電灯社を設立し、交流電流の特許も取得しました。

エジソンとニコラ・テスラの確執は火と油に形容されるほど根深く、数々のエピソードが残されています。中でも衝撃的なのは、エジソンの名前が冠された勲章の授与を断ったことでしょう。エジソンの死後にも否定的なコメントを残しているほどです。また、潔癖症や独特の奇怪な発言でもニコラ・テスラは知られています。稀代の天才的な人物であった、といえるのかもしれませんね。テスラ・コイルなど、有名な発明品も多くあります。

天才的な電気技師であり発明家であったニコラ・テスラ。その人生の中で学生生活を送った場所が、オーストリアの『グラーツ』です。

ニコラ・テスラゆかりの街『グラーツ』

『グラーツ(Graz)』はオーストリアで2番目の人口数を誇る大規模な街です。シュタイアーマルク州の州都の役割を果たしているグラーツは、1999年に街の中心部がユネスコ世界遺産に認定されました。『グラーツの市街-歴史地区とエッゲンベルク城(City of Graz – Historic Centre and Schloss Eggenberg)』の名称で登録された街並みは、時代ごとの異なる建物が見事に共存、調和を果たした中世の雰囲気が魅力です。絶好の観光地でしょう。

グラーツの起源となったのは古代ローマ時代に建造された砦です。街の名前の語源も砦を意味しています。中世以降は名門ハプスブルク家の支配下に置かれたグラーツ。1586年にはグラーツ大学が創設され、多くの学生を街に引き寄せていきました。19世紀に交通網の発達から飛躍的な発展も経験し、現在はオーストリア随一の繁栄を謳歌しています。何人もの歴代皇帝が誕生した場所としても注目を集めるグラーツの街は、非常に魅力的です。

グラーツの見所

グラーツ大学をはじめ、博物館や美術館も数多く点在するグラーツは『学術の街・芸術の街』といってもよいでしょう。留学生も多く国際性豊かな場所は、住みやすい街としての人気も集めています。世界遺産に認定された『旧市街』や『エッゲンベルク城』、歴史ある『グラーツ大聖堂』や『グラーツ霊廟』は見逃せない見所でしょう。旧市街に突如現れる『クンストハウス』の外観も特徴的です。グラーツの見所を詳しくご紹介しましょう。

まずは世界遺産認定の街並みを堪能!『旧市街』

ユネスコ世界遺産に認定された美しい街並み。『旧市街』はオレンジの屋根が連なる鮮やかな光景が広がるグラーツ観光のハイライトです。建物の細部に目を凝らせば、時代ごとの特徴の違いにも気づくことができるでしょう。歴史を重ねた建物群の堂々たる佇まいは見事です。新しい建物の数も少ないため、旧市街はさながら中世時代そのもの。『建築の宝石箱』とも称されるグラーツの旧市街、ぜひゆっくりと散策を楽しんでみてください。

宇宙をテーマにした壮大なお城『エッゲンベルク城』

『エッゲンベルク城(Schloss Eggenberg)』は1460年から建造された、マニエリスム様式のお城です。白亜の外壁とオレンジ色の屋根が印象に残るお城は、現在博物館として開放されています。コインコレクションや考古学博物館など、多岐に渡る展示品を楽しむことができますよ。敷地内には庭園もあり、自然美を堪能することもできるでしょう。芸術品に関しては19世紀までの絵画を中心に所蔵しています。隅々までゆっくりとご覧ください。

また、エッゲンベルク城は日本の大阪城と城下町の姿を描いた屏風があることで知られています。屏風本来の大きさは高さ182cm幅480cmと非常に大規模なものです。1607年〜1614年に描かれたと推定される作品には、大阪城や神社、500にも及ぶ武士や町人の姿が描写されています。保存されているのは『ジャパニーズ・キャビネット』と呼ばれる部屋です。東方にある国『日本』の歴史を伝える貴重な資産は、絶対に見逃せない見所ですよ。

宇宙をテーマにして建造されたというエッゲンベルク城は、建物にも注目です。4つの塔は四季を、12の門は12ヶ月を、365ある窓は日数を表現しているのだとか。4月から10月にはガイドツアーも催行されています。ぜひ参加してお城の魅力を堪能してみてください。

グラーツの街を見守る『大聖堂』と『霊廟』

『グラーツ大聖堂(Grazer Dom)』はゴシック様式のカトリックの教会です。神聖ローマ皇帝であるフリードリヒ3世によって、1438年〜1462年にかけて建造されました。ターコイズブルーの塔が象徴する大聖堂の外観は、驚くほどに簡素なものです。しかし、内装に目を向ければそのギャップに驚かされるでしょう。ゴシック様式の特徴であるヴォールト天井が映える白の内装は圧巻。5,345本のパイプが使われたパイプオルガンも注目ですよ。

『グラーツ霊廟(Mausoleum)』はグラーツ大聖堂の隣にある建物です。霊廟には神聖ローマ皇帝フェルディナント2世が永遠の眠りについています。建物は十字構造の講堂と楕円状の部屋の2つから構成。祭壇画と天井のフレスコ画の美しさには、思わず目を奪われるでしょう。白壁とのコントラストは息を飲むほどです。地下には皇帝がその妻と息子と共に眠りについた棺が設置されています。礼節を守って静かに鑑賞するようにしてください。

見た目はまるで巨大なナマコ!?『クンストハウス』

『クンストハウス(Kunsthaus)』は旧市街の中に突如現れる建物です。巨大なナマコのような建物の役割は美術館。青いアクリル板で覆われた外観は、世界遺産である旧市街の景観に異色の雰囲気を与えています。建築家『ピーター・クック』と『コリン・フルニエ』によって設計されたクンストハウスの別名は『フレンドリー・エイリアン』。2003年に建造されてから、グラーツの街に新しい風を吹き込んできました。夜にはアクリル板に配された蛍光灯が輝き神秘的なオーラを放ちます。一風変わったその姿をお楽しみください。

グラーツの象徴『時計塔』と、名物『カイザーシュマーレン』

『時計塔』は『シュロスベルクの丘(Schlossberg)』に立つグラーツのランドマーク。1125年に建造された要塞には、1588年に時計が設置されました。丘の高さは473m、時計塔の高さは34mにもなります。街のどこからでも目にすることができるでしょう。また、グラーツの景観を一望できる展望スポットでもあります。時計塔まではエレベーターかケーブルカー、そのほか260段にもなる階段も選択肢です。街の象徴たる時計塔をぜひお近くで!

グラーツはオーストリアの美食の首都ともいわれるグルメの街です。数ある美食の中でもオススメしたいのが『カイザーマシューレン(Kaiserschmarren)』、いわゆるパンケーキです。小麦粉や牛乳を練りこんだ生地をたっぷりのバターで焼き上げ、細かく切った後に粉砂糖やリンゴのソースをかけたもの。デザートとしてはもちろん、食事としても満足感を与えてくれますよ。口いっぱいに頬張れば至福の時間になることは間違いありません!

世界遺産の街並みが輝くグラーツ!滞在を通して魅力を堪能してみて

エジソンのライバルといわれる天才的な発明家ニコラ・テスラ。そのゆかりの街であるグラーツの魅力をご紹介してきました。世界遺産に認定された旧市街を中心に、エッゲンベルク城や大聖堂など、見所はたっぷりと用意されています。訪れて損はないでしょう。これまでに訪れたどんな街より、深い魅力を発見できるかもしれません。滞在を通して、あなたなりのグラーツの魅力を発掘してみてください。街の虜になることをお約束します。

グラーツの空の玄関口は『グラーツ空港(Flughafen Graz-Thalerhof)』です。空港の隣には博物館も併設されており、楽しむこともできるでしょう。また、オーストリアの首都であるウィーンからは、電車を利用すればおよそ3時間の距離です。日帰りで弾丸ツアーを催行してみるのもよいかもしれませんね。歴史と街並みが語るグラーツの底知れない魅力。ぜひあなた自身で体感してみてください。次回の旅の目的地はグラーツで決まりですね。

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

関連記事一覧