アムステルダム(オランダ):『アンネの日記』の著者、ゆかりの地

60以上の言語に翻訳され、世界的なベストセラーとなった文学作品『アンネの日記』。その著者である『アンネ・フランク』はユダヤ系のドイツ人です。2年間のオランダでの隠れ家生活を綴った作品は世界中で読まれ続け、たくさんの人々の共感と希望を集めてきました。その舞台となった場所が、オランダ最大の街である『アムステルダム』です。アンネ・フランクとそのゆかりの場所アムステルダムの魅力を、当記事で詳しくご紹介していきます。

アンネの日記の著者『アンネ・フランク』

(Public Domain /‘Anne Frank in 1940’ by Unknown photographer. Image via WIKIMEDIA COMMONS)

『アンネリース・マリー・フランク(Annelies Marie Frank)』は1929年、ドイツのフランクフルトに誕生したユダヤ系のドイツ人です。1942年〜1944年のオランダ・アムステルダムでの隠れ家生活を綴った日記状の作品『アンネの日記(Het Achterhuis)』の著者として、世界的に有名な人物。15歳のときに強制収容所で人生を終えた彼女の作品は、戦後1947年に父によって出版され、60以上の言語に翻訳。世界的ベストセラーとなりました。

銀行家の父親と資産家一族の娘である母親の元、ドイツで暮らしていたアンネ・フランクは、迫害を避けるためドイツからオランダのアムステルダムに家族とともに亡命。アムステルダムに亡命後は、自由な教育方針を持つモンテッソーリ・スクールに入学しました。ドイツによるオランダ占領後、映画館への出入りが禁止されるなどユダヤ人に対する規制が激化。1942年から家族と共に『後ろの家』と呼ばれる隠れ家での生活が始まりました。

後ろの家での生活は音に配慮しなければならないなど、厳しいものであったことは間違いありません。しかし、アンネの綴った日記には力強い言葉と共に、彼女の抱いた明るい理想と希望が書かれています。逮捕後、15歳の若さでこの世を去ったアンネの日記は、戦後に父によって出版され、世界的な支持を集めてきました。映画化もされているほどです。また、将来の夢は作家になることであったアンネが書いた作品は、短編集などにもまとめられています。

希望を捨てず、理想を持って生きた力強い女性アンネ・フランク。その代表的な作品である『アンネの日記』の舞台となった場所が、オランダ最大の街『アムステルダム』です。

アンネ・フランクが生きた街『アムステルダム』

アンネ・フランクがその人生の多くを過ごした街が、オランダ最大の街である『アムステルダム(Amsterdam)』です。2010年にはその景観と歴史から、ユネスコ世界遺産にも認定された街。ときに『北のヴェネツィア』とも形容されるほどの運河網が魅力の場所でもあります。張り巡らされた運河の総長は100km以上、架けられた橋の数は1,500以上という事実には圧倒されるでしょう。オランダ最大の街は国内屈指の観光都市でもあるのです。

北ホランド州に属するアムステルダムは、憲法上はオランダの首都に制定されています。13世紀に漁村として形成された街は、14世紀に貿易を通して飛躍的な発展を遂げてきました。15世紀にはバルト海の貿易の、16世紀後半には世界的な貿易の中心地としてその名を世界に轟かせた歴史があります。17世紀には運河網が発達し、オランダの文化の中心地にもなりました。その名残は現在も色濃く残り世界から多くの人がこの街を訪れています。

アムステルダムの見所

アムステルダムの特徴は、中央駅を中心に放射状に街や運河が形成されていることです。気候も穏やかで温暖、英語も飛び交う国際性豊かなことも魅力でしょう。街中には17世紀のオランダ絵画が充実した『アムステルダム国立美術館』や、オランダの画家ゴッホの作品を200以上も所蔵した『ゴッホ美術館』、旧市街のアイコンである『王宮』など、見所が豊富です。『アンネ・フランクの家』も人気のスポット。街の見所を紹介していきます。

17世紀のオランダ絵画を豊富に所蔵『アムステルダム国立美術館』

『アムステルダム国立美術館(Rijksmuseum Amsterdam)』は、充実したオランダ絵画のコレクションを誇るアムステルダム屈指の注目スポットです。1800年にオランダ第3の街『デン・ハーグ(Den Haag)』で開催された展覧会を基礎に、1808年にナポレオンの命令によってアムステルダムへ移転をしました。絵画のほか、彫刻などの展示も充実しています。80にもなる展示室では美術品のほか、オランダの歴史を知ることもできますよ。

世界的に著名な画家である『フェルメール(Vermeer)』の作品は『牛乳を注ぐ女(Het melkmeisje)』をはじめとして4点を所蔵。オランダのバロック期を代表する画家『レンブラント(Rembrandt)』の代表作である『夜景(De Nachtwacht)』も所蔵しています。また、美術館前にある『I amsterdam』のモニュメントは街で屈指の写真撮影スポットです。歴史ある建物も見所のひとつでしょう。アムステルダムでの芸術鑑賞ならこの場所です!

ポスト印象派の画家ゴッホの作品を堪能するなら『ゴッホ美術館』

『ゴッホ美術館(Van Gogh Museum)』はオランダを代表する画家『ゴッホ(Gogh)』の作品を200以上展示した美術館。代表作である『ひまわり(Zonnebloemen)』をはじめとした作品群には注目でしょう。デッサンに関しては500以上も作品が残されています。また、ゴッホの作品に大きな影響を与えたといわれる日本の浮世絵コレクションも展示されています。ポスト印象派を代表する画家の軌跡を知るにこれ以上の場所はないでしょう。

ゴッホ美術館は20世紀のオランダの建築家『ヘリット・リートフェルト(Gerrit Thomas Rietveld)』によって設計されたものです。美術館のモダンな佇まいにも注目でしょう。また、ゴッホ作品に関する世界的な権威でもある美術館には、ゴッホにまつわる書籍が多数所蔵された図書館も併設されています。芸術鑑賞と併せて時間を過ごしてみるのもよいかもしれませんね。アムステルダム国立美術館と一緒にこちらもぜひ訪れてみてください。

アムステルダムの『王宮』と、王室の戴冠式に使用された『新教会』

『王宮(Koninklijk Paleis Amsterdam)』はアムステルダムの旧市街の中心であるダム広場に立つ建物です。元々は市庁舎として使用されていた建物は、現在王室の迎賓館として活用されています。オランダの黄金時代の名残のある豪華な佇まいは必見でしょう。イベントなどがなければ、一般に公開もされていますよ。王室御用達の豪華な家具や調度品にも注目です。また、事前予約制のツアーに参加すれば、建物の歴史を知ることもできます。

『新教会(Nieuwe Kerk)』は、王宮と同じくダム広場に面して造られた建物です。オランダ王室の戴冠式にも使用されてきた新教会は、現在コンサートなども開催されています。15世紀に建造され、600年以上の歴史を誇る姿は堂々としたものです。アムステルダムの歴史を共に歩んできた新教会は、間違いなく観光のハイライトのひとつになるでしょう。

『アンネの日記』が書かれた場所『アンネ・フランクの家』

『アンネ・フランクの家(Anne Frank Huis)』は1942年〜1944年まで、アンネ・フランクが家族を含めた合計8人で、共同生活を送っていた場所です。『アンネの日記』を書いていたとされる屋根裏部屋も残されています。隠れ家に入るための回転式の本棚や、当時の暮らしぶりを想像できる家具など、展示品も充実していますよ。アムステルダムでも屈指の人気スポットのため、入場券はインターネットから事前に予約することがオススメです。

アムステルダムを巡る『運河クルーズ』と、世界で愛されるビールの歴史を満喫!

総長100kmにも及ぶアムステルダムの運河網。その恩恵の元で発展を重ねてきたアムステルダムの魅力を知るなら、『運河クルーズ』は外せない選択肢です。ツアーの多くは中央駅付近からスタートし、ワインやディナー付きのものまでオプションもさまざま。中でもオススメは1時間ほどのツアーへの参加です。17世紀の住宅や教会など、アムステルダムの魅力を運河の上から堪能できます。音声ガイド付きのツアーを推奨しますよ。

『ハイネケン・エクスペリエンス(Heineken Experience)』は、世界的に愛されるオランダ産のビール『ハイネケン』の、醸造手順や歴史を見学できる体験型の施設です。もちろん、最後にはハイネケンの試飲をすることも可能ですよ。ラベルやボトルのデザインの変遷や大型の醸造施設など、展示も充実しています。ゆっくりとまわれば2時間ほど要するでしょう。終盤には4Dを駆使した体験型のアトラクションも用意されていますよ。

魅力たっぷり!オランダ最大の街アムステルダムで贅沢な時間を

アンネ・フランクがアンネの日記を書いた場所、オランダ最大の街アムステルダムの魅力をご紹介してきました。中央駅を中心に見事な放射状に広がった街並みは、中世の雰囲気が香る穏やかな佇まいです。世界遺産登録の運河や街並みを目にするだけでも訪れる価値があるでしょう。アムステルダム国立美術館やゴッホ美術館、王宮や新教会などの由緒ある建物も観光リストからは外せませんね。ゆっくり時間をかけて堪能してみてください。

アムステルダムの玄関口は、街同様にオランダ最大規模の空港である『アムステルダム・スキポール空港(Amsterdam Airport Schiphol)』です。敷地内には美術館やカジノもあるというから驚きでしょう!アムステルダムの南西に位置する空港から、アムステルダム中央駅までは電車でおよそ20分の距離です。赤いレンガが美しい中央駅にも同様に注目ですよ。魅力が満載のアムステルダム、ぜひ次回の旅で訪れてみてはいかがでしょうか?

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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