フランクフルト(ドイツ):17世紀初頭の画家、エルスハイマーの生まれた街

17世紀初頭に活躍した画家『エルスハイマー』。作品に付けられた印象的な照明効果は、後世の画家にも大きな影響を及ぼしてきました。神話や宗教の中でもあまり題材にされないものを選んで描いてきたことも、特徴のひとつでしょう。そんなエルスハイマーの生まれた街が、ドイツ第5の都市『フランクフルト』です。国際金融の中心地であり、ドイツの成長を牽引する重要な街のひとつ。エルスハイマーとその故郷の魅力を、ご紹介していきます。

17世紀初頭に活躍!キャビネット絵画の『エルスハイマー』

(Public Domain /‘Self-portrait’ by Adam Elsheimer. Image via WIKIMEDIA COMMONS)

『アダム・エルスハイマー(Adam Elsheimer)』は17世紀の初頭に活躍した画家。『キャビネット絵画(Cabinet Painting)』と呼ばれる銅板に描いた小さな絵画は、エルスハイマーの作品の代名詞です。作品に付けられたさまざまな照明効果は特徴的で、後世の画家にも大きな影響を及ぼしてきました。特に夜景に用いる淡い描写は印象的です。まるで浮かび上がっているかのような幻想的なタッチは、エルスハイマーの作品の魅力でしょう。

1578年、ドイツのフランクフルトに仕立屋の息子として誕生したエルスハイマー。1598年にはイタリアを訪れたといわれており、その作品にはヴェネツィアの影響が色濃く投影されているといいます。代表作とされるいくつかの作品も、ヴェネツィアで描かれました。1600年頃にはローマを訪れ、フランドルの画家『ルーベンス(Rubens)』とも知り合い、交友を深めていきます。残された作品はおよそ40点、制作数の少なさも彼の特徴でしょう。とはいえ、作品の質の高さから多くの芸術家から高い評価を受け続けていました。

(Public Domain /‘Tobias and the Archangel Raphael returning with the Fish’ by Adam Elsheimer. Image via WIKIMEDIA COMMONS)

『トビアスと天使ラファエル』は17世紀中頃に制作された作品です。風景画に新しい概念をもたらしたとされるエルスハイマーの代表作のひとつといえます。『バウキスとピレモンの家のユーピテルとメルクリウス』は1608年頃に制作された珠玉の名作。それまでに絵画にされることがなかった珍しい題材を描いた、エルスハイマーの傑作です。歴史にその名を刻んだ画家エルスハイマー。その故郷が、ドイツ第5の街フランクフルトです。

エルスハイマーの生まれた街『フランクフルト』

『フランクフルト・アム・マイン(Frankfurt am Main)』はフランクフルトの通称を持つドイツ第5の規模を誇る街です。アム・マインとは『ライン川沿いの』を意味する言葉。ヘッセン州に属する巨大な街は、かつてはドイツの中心都市として繁栄を遂げてきました。794年の文献にはすでに名前が登場しており、その歴史の長さも屈指のものです。国際金融や工業、産業の中心地として発展を重ねてきた街並みは新旧の美しさが混在しています。

穏やかな気候で過ごしやすいフランクフルトは、ヨーロッパで最も裕福な街のひとつとも称されています。『マインハッタン』ともいわれる美しさを誇るスカイラインや摩天楼群、豊かな自然も街を語る魅力のひとつでしょう。石畳が連なる中世の街並みも同様に魅力的です。気候に街並み、自然と、フランクフルトが人気を集める理由は明白です。旅の目的地にするにもよいでしょう。そんなフランクフルトの名所を、ご案内していきます。

フランクフルトの見所

ドイツでも屈指の規模を誇るフランクフルト。先進的な街並みも、歴史を重ねてきた風景も、すべてが強く印象に残るでしょう。『フランクフルト大聖堂』の荘厳な外観に『シュテーデル美術館』での芸術鑑賞のひととき、ドイツ最大の植物園『パムガルデン』など、見所も豊富にあります。その他、街の絶景を堪能できる『マインタワー』や文豪ゲーテの生まれた『ゲーテハウス』なども見逃せません。フランクフルトの見所を紹介します。

皇帝の戴冠式もおこなわれた由緒ある『フランクフルト大聖堂』

『フランクフルト大聖堂(Dom St. Bartholomäus)』は、フランクフルトの旧市街にあるレーマー広場に佇む建物です。その別名は『カイザードーム(Kaiserdom)』といわれ、過去には皇帝の戴冠式の舞台にもなっていました。赤茶色の外壁が歴史を物語る荘厳な雰囲気。建物の基礎になっているのは7世紀に建造されたという修道院です。その後1250年から400年ほどの歳月をかけて改修し再建造。ゴシック様式が印象的な大聖堂になりました。

歴史上、世界大戦で崩壊してしまったフランクフルト大聖堂は1940年代に再建造され、かつての姿を取り戻しました。外観も非常に印象的ですが、内面に配された全面の赤茶色の空間には息を飲むでしょう。大聖堂には博物館も併設されており、宝冠や祭服も展示されています。また、大聖堂のランドマークである塔には登ることもできます。高さ95m、総数328の階段を登りきった先には、フランクフルトの絶景があなたを待ち受けていますよ。

珠玉の芸術をこの場所で!『シュテーデル美術館』

『シュテーデル美術館(Das Städel)』は1818年に開館した美術館。銀行家であった『ヨハン・フリードリヒ・シュテーデル(Johann Friedrich Städel)』の遺言によって創設されました。4フロアから構成される館内は、絵画ごとに壁の色が異なるほどに凝った造りが特徴です。中世のドイツ絵画作品を中心にしたコレクションの数々は壮観そのもの。およそ700年に及ぶ芸術の歴史の変遷を、肌で感じることができるでしょう。

シュテーデル美術館は世界的に著名な画家の作品も多数所蔵されています。ドイツのルネサンスの画家『アルブレヒト・デューラー(Albrecht Dürer)』の『妻から嘲りを受けるヒオブ』や、バロック期を代表する画家『フェルメール(Vermeer)』の『地理学者』はとりわけ有名な作品です。その他、印象派を代表する『クロード・モネ(Claude Monet)』の『朝食』も見逃せません。優雅な時間をシュテーデル美術館で、ぜひお過ごしください。

ドイツ最大の植物園『パルメンガルテン』

『パルメンガルテン(Palmengarten)』は総面積29ヘクタールに及ぶ広大な植物園です。その規模はドイツで最大のもので、建てられた温室は14にもなるといいます。広大な敷地に咲き誇る花々や珍しい熱帯の植物にマングローブなど、植物の生命の鼓動を感じることができるでしょう。サボテンも種類豊富に展示されており、目を楽しませてくれます。

その広大な敷地面積から、パルメンガルテンには電車やバスも通っています。カフェなどもあるため、疲れたときの一休みにも最適でしょう。豊かな植物に囲まれる中、森林浴でリラックスするのもよいかもしれませんね。時期によってコンサートが開催されたり、フラワーショーが開催されたりと、イベントも豊富です。ご家族連れでも十分に楽しめるはず。パルメンガルテンで、地球に根付いた生命の息吹を感じてみてはいかがでしょうか。

フランクフルトの絶景と文豪の家、名物の『フランクフルター・ヴルスト』は必食!

『マインタワー(Main Tower)』はフランクフルトで4番目に高いビルです。1996年〜1999年にかけて建造されたマインタワーは56階建て。地上200mの地点には展望スペースも設置されています。フランクフルトの中心に佇んでいるため、絶景を独り占めすることができるでしょう。53階から上にはカフェやレストランもあり、景色を眺めながら食事をすることもできますよ。フランクフルトの美しい姿を知るにこれ以上の場所はありません。

『ゲーテハウス(Goethe-Haus)』はドイツを代表する文豪『ゲーテ(Goethe)』が生まれた家です。16歳までの歳月をゲーテはこの場所で過ごしました。当時の様子がそのままに再現された館内はもちろん内部鑑賞も可能です。『青の間』と呼ばれる食堂や『黄金の間』と呼ばれる応接スペースの美しさは必見ですよ。館内にはフランクフルトの画家の作品や2,000冊以上の本が収められた書斎もあります。ゲーテの生涯に思いを馳せてみては?

『フランクフルター・ヴルスト(Frankfurter Würst)』はフランクフルトの名物であるソーセージ。火で焼くグリルではなく、ボイルしてあることが最大の特徴でしょう。ジューシーな肉汁が溢れるフランクフルター・ヴルストは、ビールと相性抜群です。ドイツといえばソーセージは定番ですが、土地それぞれの個性が表現された名物は必食といえますよ。

魅力溢れるフランクフルト!隅々まで楽しむ豊かな滞在を

17世紀初頭の画家であるエルスハイマー。その生まれ故郷である街フランクフルトの魅力をご紹介してきました。ドイツでも5番目の規模を誇る街並みには、歴史と自然が混在しています。フランクフルト大聖堂やシュテーデル美術館、パルメンガルテンなどはその中でも必見の見所でしょう。滞在を彩る名所も豊か。フランクフルトの滞在はあなたの人生の中でも屈指の濃密な時間になるはずです。

フランクフルトの玄関口は『フランクフルト空港(Flughafen Frankfurt am Main)』です。ドイツでは最大規模、ヨーロッパでも屈指の規模を誇る大きな空港。その存在感にも注目でしょう。街へのアクセスは日中15分おきに運行している電車の利用が一般的。24時間の運行はしていますが、夜間は間隔が長くなるので乗り逃さないように注意しましょう。魅力溢れるフランクフルト。あなただけの思い出を探しにぜひ訪れてみてください。

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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