アテネ(ギリシャ):古代の哲学者、プラトンが生まれた場所

古代のギリシャを代表する哲学者『プラトン』。対話形式でまとめられた著書の数々は、現代で哲学を学ぶうえでも欠かすことのできない傑作ばかりです。師匠であるソクラテスと共に、哲学を語るうえでは欠かすことのできない存在でしょう。そんなプラトンの生まれた場所が、現在のギリシャの首都である『アテネ』です。歴史を代表する偉大な哲学者プラトンとその出身地であるアテネの魅力を、当記事で詳しく掘り下げていきます。

古代ギリシャを代表する哲学者『プラトン』

『プラトン(Πλάτων)』は、古代のギリシャを代表する哲学者。師匠であるソクラテスや、弟子であるアリストテレスと同じく、哲学を代表する巨人として現代でも厚い尊敬を集めています。そんなプラトンが誕生したのは、紀元前427年と遠い昔のこと。ギリシャの首都であるアテネ(当時の呼び名はアテナイ)に誕生したプラトンは、青年の頃にレスラーとして活躍したことでも知られています。異例の経歴、ともいえるかもしれませんね。

アテナイ最後の王の血を引く家系に生まれたというプラトン。レスラーとしての活躍に加えて、政治家を目指していたことも有名な事実です。哲学や対話の勉強をしつつも、政治家を目指していたプラトンは、師匠であるソクラテスの不条理な死を目の当たりにし、政治家になる道を断念しました。その後はイタリアやエジプトなどを訪問し、ピュタゴラス派やエレア派などの哲学の考えに触れ、哲学への理解や傾倒を深めていったといいます。

紀元前387年には『アカデメィア』という学園を創設。天文学や生物学、哲学などを学ぶ場所として、教師と生徒が対話を通して学びを深める場所として、古代ギリシャでの教育を牽引してきました。80歳で人生を終えるまでには『ソクラテスの弁明(Ἀπολογία Σωκράτους)』を代表とする著書を、多数生み出しています。哲学史に残る偉大な功績を残してきたプラトン。そんなプラトンの故郷が、ギリシャの首都である『アテネ』です。

哲学者プラトンの生まれた場所、ギリシャの首都『アテネ』

『アテネ(Αθήνα)』は、南ヨーロッパに属する国ギリシャの首都です。プラトンが生まれた当時の名前は『アテナイ(Ἀθῆναι)』。アテネは世界で最も古い街のひとつといわれ、およそ3,400年もの歴史を誇っています。古代には学問や文化の中心地として栄えてきました。現在はギリシャの経済や文化の発信地として中心的な役割を担っています。また、アテネはステップ性気候で年間を通して温暖なため、観光地としても訪れやすいでしょう。

街中の至るところで歴史の変遷を感じることができるアテネ。アテネに残された人類最古の痕跡は、なんと紀元前6,000年〜11,000年のものだといいます。ミケーネ文明の発展と衰退、アテネ公国の誕生と滅亡、ギリシャ王国の誕生と首都への任命など、アテネを巡る歴史の流れはまさしく波乱万丈。1896年には近代五輪として初の『アテネオリンピック』も開催されました。ギリシャの首都たるアテネは、歴史上重要な役割を担った街なのです。

アテネの見所

アテネの見所といえば、真っ先に思いつくのが『パルテノン神殿』でしょう。古代ギリシャの栄光を現代にまで色濃く残す、ギリシャを代表する建造物です。小高い丘に位置する『アクロポリス』や『アクロポリス博物館』も見逃せませんよ。また、『アゴラ』と呼ばれるかつての人々の生活拠点も注目です。アテネの見所を、詳しくお伝えしていきます。

アテネのシンボル『パルテノン神殿』

『パルテノン神殿(Παρθενών)』は、小高い丘の上に佇むアテネのシンボルたる建造物。1987年に世界遺産に認定された『アテネのアクロポリス』の一角に保存されています。神殿が完成を遂げたのは、紀元438年のことです。その後はキリスト教の聖堂として使用されたり、イスラム教のモスクとして使用されたりと、さまざまな宗教での重要な場所としての役割も果たしてきました。アテネの歴史の変遷を見守ってきた生き証人ともいえます。

パルテノン神殿は古代の女神であるアテナを祀った、神聖な建物です。当時としては最高峰の建築技術を要して建てられた神殿は、円柱を多用した『ドーリア様式』の最高傑作ともいわれています。建物を支える円柱の数は46本です。また、神殿に施された装飾は、ギリシャ美術の傑作とも称されています。大理石をふんだんに使用した、古代ギリシャの栄光を伝える神聖な神殿。パルテノン神殿は、アテネ観光で欠かせない屈指の見所です。

アテネの街にある高い丘の上の都市『アクロポリス』

『アクロポリス(Ἀκρόπολις』は『高い丘の上の都市』を意味する、アテネの見所の代表です。標高156m、市街地からの高さは70mの小高い丘の上には、パルテノン神殿をはじめとした、古代ギリシャの建物が残されています。『アテナ・ニケ神殿』や『アテナイ音楽堂』など、見所は尽きないでしょう。また、アテネの街並みを一望できる絶好の鑑賞スポットとしても、アクロポリスはオススメできます。特に夕暮れ時の景色がオススメです!

『エレクティオン(ΈρέχθειονΈρέχθειο)』は、アクロポリスの敷地内にある建物です。イオニア様式の傑作といわれるエレクティオンは、紀元前5世紀末に完成を遂げました。古代ギリシャの建物の中では、特に複雑な構造をしているといわれています。中でも『カリアティード(Καρυάτις)』と呼ばれる、6人の少女の像が有名です。建物の玄関にあるもので、少女の像が建物を支える柱として使用されています。細部まで施された細工は見逃せませんよ。

アクロポリスの出土品を所蔵した『アクロポリス博物館』

『アクロポリス博物館(Μουσείο Ακρόπολης)』は、アクロポリスからの出土品を豊富に展示した博物館です。その総数はおよそ4,000点を超えています。古代ギリシャのレリーフや彫像など、アテネの歴史を知るうえでこの場所以上に適したところはないでしょう。エレクティオンの少女像『カリアティード』のオリジナルも、このアクロポリス博物館に所蔵されています。地下鉄『アクロポリ駅』から徒歩3分の好立地も観光に適していますね。

アクロポリス博物館は、古代の遺跡の上に建てられています。1階部分の床はアクリルガラスでできており、遺跡の姿を上から眺めることができるのだとか。まるで巨人になったかのような気分を味わえますよ。『スフィンクスの瞳を持つ少女』『思索にふけるアテナ』『アレクサンドロス大王の彫像』など、躍動感ある彫刻にも注目です。1階にはショップも併設されているので、Tシャツやマグカップをお土産に購入してみてはいかがでしょうか?

かつての生活の拠点『アゴラ』と『へファイトス神殿』

『アゴラ(Ἀγορά)』は『人が集まる場所』を意味する広場です。古代の人々の重要な生活拠点であり、政治や経済の中心地として機能していました。商取引も頻繁におこなわれることで、市場としても活用されていたようです。また、哲学者であるプラトンやソクラテスが、この場所で演説したことでも有名です。広大な敷地には遺跡や神殿が豊富に残され、歩き回るだけでも一苦労なほど。反面、遺跡好きにはたまらないスポットですね。

『へファイストス神殿(Ναός Ηφαίστου)』は、アゴラの敷地内にある神殿です。古代ギリシャの宮殿の中でも、とりわけ保存状態がよいことで知られています。鍛冶や釜の業者が集まる場所に建造されたため、炎と鍛治の神である『へファイトス』を祀るための宮殿になったのだとか。パルテノン神殿と同様の美しいドーリア様式の宮殿、見逃せません!

アテネで絶対食べたい名物、その名は『ムサカ』です!

旅の醍醐味である地元の名物料理。アテネでのオススメは『ムサカ(Μουσακάς)』です。ムサカとはギリシャの伝統的な野菜料理で、ナスやジャガイモ、ラムの挽肉やベシャメルソースを重ねて焼き上げたもの。その見た目はグラタンによく似ています。焼きたてのムサカを熱々で頬張れば、それはもう至福の味わいです。とろけるようなナスの食感にコクのあるマッシュポテト、旨味の詰まったラムに濃厚なベシャメルの味わいは最高ですよ。

哲学者プラトンが生まれた街!アテネを満喫してみては?

古代から脈々と受け継がれる哲学者プラトンの思想。その原点となったのは、ギリシャの首都であるアテネでの生活でしょう。学問や芸術の中心地であったアテネは、少なくない影響をプラトンに与えてきました。その名残は、未だに色濃くアテネの街に残されています。パルテノン神殿やアクロポリス、アクロポリス博物館などに宿る尽きることのない魅力を、滞在を通して感じてみてはいかがでしょうか?印象に残る時間をお約束しますよ。

アテネへのアクセスは、市街地から東におよそ20kmに位置する『アテネ国際空港(Διεθνής Αερολιμένας Αθηνών)』の利用が一般的です。世界の主要都市との国際便も充実していますよ。アテネの市街地までは電車でおよそ40分、バスを利用すればおよそ1時間の距離にあります。雄大な時間の流れを感じることができる街アテネ。気付けばあなたも歴史の虜になってしまうかもしれません。次回の旅の目的地に、アテネはとてもオススメですよ!

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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