ブエノスアイレス(アルゼンチン):世界的なピアニスト、マルタ・アルゲリッチの出身地

(Public Domain /‘Martha Argerich’ by Dick DeMarsico. Image via WIKIMEDIA COMMONS)

クラシック音楽で最も高い評価を受けている人物の一人が、『マルタ・アルゲリッチ』です。幼少の頃からピアノに親しみ、大統領の計らいによって留学の機会まで手にした、才能溢れるピアニスト。その正確かつ力強い音楽は世界中でたくさんの人々を魅了し続けています。そんなマルタ・アルゲリッチの出身地が、南米アルゼンチンの首都である『ブエンスアイレス』です。マルタ・アルゲリッチとブエノスアイレスの魅力を紹介します。

世界的なピアニスト『マルタ・アルゲリッチ』

『マリア・マルタ・アルゲリッチ(Maria Martha Argerich)』は、世界的にも高い評価を受け続けている天才的なピアニスト。現代のクラシック音楽で、最も高い評価を受けている人物の一人です。母国語であるスペイン語をはじめとして、英語やフランス語など、合計で6ヶ国語を操るマルチリンガルでもあります。若い頃にはその語学力を生かして、ピアニストから秘書への転職を考えたこともあるのだとか。才色兼備の人物ともいえますね。

1941年、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスに生まれたマルタ・アルゲリッチは、幼稚園時代からピアノに親しんできました。5歳のときにはピアノのレッスンを受け始め、8歳のときには初めて公の場で演奏をおこなったといいます。その才能を見出されたマルタ・アルゲリッチは、当時の大統領の計らいによって、オーストリアに家族と共に移住しました。ウィーンやジュネーヴなどで名だたる音楽家に師事し、技術を磨いていったのです。

1957年には国際的なコンクールで優勝し、1960年にはレコードを発表。1990年からは自身の名前を冠したコンクールを開催しています。テンポが速い演奏が特徴のマルタ・アルゲリッチ。しかし、その鍵盤を叩く手さばきは正確で、かつ力強いものだといいます。クラシックに興味がないという人でも、彼女の演奏を聞いた途端にその違いに気付くでしょう。そんなマルタ・アルゲリッチの出身地が、南米の街『ブエノスアイレス』です。

マルタ・アルゲリッチの出身地『ブエノスアイレス』

『ブエノスアイレス(Buenos Aires)』は、南米で最南端の国アルゼンチンの首都。国内の政治や経済、文化の中心地であり、随一の発展を遂げている先進的な街です。その発展ぶりは国内でも抜きん出ていることから『国内共和国』と称されることもあります。高層ビルが林立する街並みは先進的で、夜景の美しさは目を見張るものがあります。年間を通して温暖で、夏は30度前後、冬は15度前後が平均気温と、観光もしやすい気候といえます。

ブエノスアイレスの前身となったのは1536年に建造された街です。16世紀〜17世紀には、イギリスやフランスなどの国との貿易を通して発展を重ねてきました。当時は政府によって規制が強化されていたため、貿易は秘密裏におこなわれていたといいます。1806年、1807年にはイギリスによる侵攻を撃退。19世紀半ばからはヨーロッパからの移民を多く受け入れてきた歴史があります。『南米のパリ』ともいわれる雰囲気には要注目でしょう。

ブエノスアイレスの見所

ブエノスアイレスは歴史的な背景から、ヨーロッパ風の建物が多く残されています。南米にいながら、まるでヨーロッパを旅行しているような気分に浸ることもあるでしょう。世界三大劇場のひとつである『コロン劇場』や、国内外の幅広い芸術作品を展示した『アルゼンチン国立美術館』、アルゼンチンの国民的英雄の霊廟がある『メトロポリタン大聖堂』などは、ブエノスアイレスの見所です。見逃せない観光スポットを紹介しましょう。

世界三大劇場のひとつ『コロン劇場』

『コロン劇場(Teatro Colón)』は、ギリシャ宮殿のような様相を呈した美しい建物。世界で最も音響効果の高い劇場のひとつともいわれ、ミラノのスカラ座やパリのオペラ座と共に『世界三大劇場』として知られています。1857年に開館を迎え、1908年に改装を経て再開館。2006年〜2010年にかけても改修工事がおこなわれ、時代を感じさせない豪華な姿を披露しています。美術品や建材はヨーロッパから取り寄せたものを使用したそうですよ。

正面玄関の上部に設置されたステンドグラスや、宮殿のような豪奢な装飾が見事なサロンなど、外観だけではなく内装にも要注目です。オペラやオーケストラを鑑賞すれば、席数およそ2,500に及ぶコンサートホールの佇まいに圧倒されるでしょう。また、コロン劇場では見学ツアーも催行されています。スペイン語か英語で詳しい解説を聞きながら、劇場の歴史に思いを馳せるのもよいでしょう。インターネットからの事前予約がオススメです!

ブエノスアイレスの芸術鑑賞なら『アルゼンチン国立美術館』

『アルゼンチン国立美術館(Museo Nacional de Bellas Artes)』は、1896年に開館した美術館です。頭文字を取って『MNBA』の略称でも親しまれています。アルゼンチンアートの所蔵数は世界でも最大規模を誇り、ヨーロッパの画家による名画も多数所蔵しています。

2回の移転をした後、現在の場所に居を構えたというアルゼンチン国立美術館。その展示品の総数はおよそ13,000点を超えています。1階には24の展示ホールがあり、中世〜20世紀のコレクションが展示されていますよ。歴史に名を連ねる名画家の作品の数々は必見です。エル・グレコやレンブラント、マネやゴッホにゴーギャンなど、絵画の時代による変遷も体感できるはずです。嬉しいことに入場も無料!芸術鑑賞ならこの場所で決まりですね。

ブエノスアイレスを代表する教会『メトロポリタン大聖堂』

『メトロポリタン大聖堂(Catedral Metropolitana de Buenos Aires)』は、ブエノスアイレスの中心にある『5月広場』に面しています。1827年に完成を遂げた建物は、12使徒を表現した12本の柱が代名詞です。正面ファサードに設置された美しい円柱に、目を奪われるはずですよ。まるでギリシャの宮殿のような外観は、他の大聖堂にはない特徴といえます。

聖書の場面が描かれた壁画や天井画の鮮やかな見た目は、外観同様にメトロポリタン大聖堂の特徴です。また、大聖堂に入って右手にあるアルゼンチンの国民的英雄『ホセ・デ・サン=マルティン』の霊廟も見逃せません!ホセ・デ・サン=マルティン将軍は、アルゼンチンをはじめ、ペルーやチリの独立に貢献した人物です。その霊廟は多くの人々が注目する大聖堂のハイライト。祭壇や礼拝堂など、重厚な雰囲気に浸ってみてください。

ブエノスアイレスの中心『5月広場』と、世界一の大通り『7月9日通り』

『5月広場(Plaza de Mayo)』はアルゼンチンの大統領府、通称ピンクハウスも建つ、ブエノスアイレスの中心地です。1580年に作られて以来、交通の要所として発展の中心を担ってきました。広場の名前の由来は、アルゼンチンの独立運動が始まるキッカケとなった1810年の『5月革命』に起因しています。広場の中央には『5月のピラミッド』と呼ばれる白い塔が1811年に建てられており、アルゼンチン独立の誇りと栄誉をたたえています。

『7月9日通り(Avenida 9 de Julio)』は、16車線に及ぶ大通り。その規模はアメリカのマンハッタンよりも大きく、『世界一の大通り』として知られています。最大幅140mにもなる大通りを渡りきるには、数回の信号待ちをする必要があり、数分かかるのだとか。ブエノスアイレスを訪れた記念に、世界一の大通りを渡ってみるのもよいでしょう。ちなみに通りの名前は、アルゼンチンの独立記念日である『1816年の7月9日』に由来しています。

ブエノスアイレスの名物『パリージャ』

『パリージャ(Parrilla)』は、アルゼンチンで愛される伝統的な肉料理!一軒家の庭には高い確率でパリージャの焼き場があるといわれるほど、アルゼンチンでは浸透している料理です。パリージャとは炭火で調理した肉類を指す言葉です。シンプルな塩味でいただくジューシーな肉類は絶品ですよ。『アサード』と呼ばれる骨付きの牛肉や、『ボンディオラ』と呼ばれる豚肉の肩ロースなど、旨味溢れる肉類の味わいを、贅沢に堪能できます!

ブエノスアイレスは見所が満載!次回の旅の目的地に

世界的に高い評価を受け続けるピアニスト、マルタ・アルゲリッチの出身地であるブエノスアイレスの魅力をご紹介してきました。ブエノスアイレスはその歴史的な背景から、ヨーロッパのような雰囲気が漂っています。他の南米の街とは一味違う、個性豊かな時間を楽しむことができるでしょう。コロン劇場やメトロポリタン大聖堂など、さまざまな見所は、滞在中の気分を盛り上げてくれるはずです。

ブエノスアイレスの玄関口は『エセイサ空港(Aeropuerto Internacional de Ezeiza)』です。エサイサ空港は、市街地から南西約25kmの場所に位置しています。空港から中心街までのアクセスにはバスや配車サービスの『Uber(ウーバー)』を利用してください。ブエノスアイレス市街地はバスや地下鉄、トラムなどの交通手段が完備されているので、観光もしやすいですよ。南米屈指の世界都市、ブエノスアイレスをぜひ訪れてみてください。

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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