リエカ(クロアチア):フローの提唱者、ミハイ・チクセントミハイの出身地

完全なる集中状態“ゾーン”の概念を提唱したのが、ポジティブ心理学の権威『ミハイ・チクセントミハイ』である。“無我の境地”とも呼ばれるゾーンの存在は、世界中で知られているだろう。著書は複数あり、翻訳され世界中で読まれている。そんなミハイ・チクセントミハイの出身地が、クロアチアに属する『リエカ』である。クロアチアで屈指の港湾都市として繁栄を謳歌している街。ミハイ・チクセントミハイとその故郷の魅力を紹介しよう。

ポジティブ心理学の権威『ミハイ・チクセントミハイ』

『ミハイ・チクセントミハイ(Mihaly Csikszentmihalyi)』は1934年生まれ、人生を充実させるための心理学、“ポジティブ心理学”の権威として知られる人物です。また、“ピークエクスペリエンス”、“無我の境地”とも呼ばれる、圧倒的な集中状態“ゾーン”の概念を提唱した人物としても有名でしょう。その研究の成果は幅広い分野で論じられており、世界各国に少なくない影響を与えてきました。今ではすっかり馴染み深い言葉になっていますね。

22歳の時にアメリカの市民権を獲得したミハイ・チクセントミハイは、夜は働き、昼間はシカゴ大学で学びました。しかし、その出身は現在のクロアチアのリエカ、当時のイタリア王国領であるフィウメです。父親はハンガリーで外交官を務めていた人物だったといいます。そんなミハイ・チクセントミハイが心理学者を目指したのは、“ユング心理学”で有名な『カール・グスタフ・ユング』の講演をみたことがキッカケだそうです。

アメリカに渡米し活動の幅を広げていった彼は、著書も複数出版されており、たくさんの国で翻訳もされています。人生の充実を目標に掲げるポジティブ心理学は、これからの時代も注目を集めていくでしょう。ミハイ・チクセントミハイは、まさしく人類の幸せに大きな貢献をしている人物です。その故郷『リエカ』の魅力を紹介しましょう。

ミハイ・チクセントミハイの出身地『リエカ』

『リエカ(Rijeka)』は“川”を意味する言葉です。クロアチアで有数の港湾都市に挙げられるリエカは、イタリア領時代の名称である“フューメ”の呼称でも親しまれています。アドリア海に面したリエカは、物流や工業を主軸に発展を重ねてきました。その土地には古代から人類が居住し、繁栄していたといいます。中世の時代には、城壁が街の周辺を囲む“城塞”のような様相を呈してきました。その名残は、現在も街のそこかしこにみてとれます。

とりわけ1960年代には街の規模が飛躍的に拡大し、ユーゴスラビアで最大の港としての地位を獲得してきました。1991年にクロアチアに属する街となり、変わらぬ発展を続けています。地中海性気候で年間を通して温暖なことも、リエカが人気を集める理由のひとつでしょう。また、街の規模はコンパクトなので、一日あれば十分みて回ることができます。

そんなリエカの見所は、丘の上の高台にある『トルサット城塞』や、キリストの奇跡が起こったとして世界からの巡礼者が集まる『トルサット聖母教会』、クロアチアの紙幣にもその姿が描かれている『聖ヴィート大聖堂』が代表的でしょう。目抜き通りである“コルゾ通り”にある『時計台』も見逃せません。また、バルカン半島で広く愛される名物『ブレク』を食べることもお忘れなく。アドリア海に面した美しいリエカの見所を紹介します。

リエカで屈指の展望スポット『トルサット城塞』

『トルサット城塞(Trsatska gradina)』は、“トルサットの丘”に佇む石造りの城塞です。高台に位置しているため、リエカの街並みと奥に広がるアドリア海の絶景を堪能することができます。敷地内には塔があり、頂上からは360℃の絶景が楽しめます。トルサット城塞は、かつての外敵の侵入を防ぐために建造された“防衛拠点”です。周辺には城壁が張り巡らされ、堅牢な一面を覗かせています。大砲なども設置され、雰囲気もバツグンですよ。

現在のトルサット城塞は整備され、野外コンサートの会場などに活用されています。また、インフォメーションセンターや歴史資料室などもあり、情報収集や歴史を学ぶこともできますよ。オシャレなカフェや古城の雰囲気を楽しめるバーも併設されています。絶景を鑑賞しながら、乙な時間を過ごしてみるのもよいでしょう。徒歩でもアクセスは可能ですが、階段の数はなんと500段です!無難にバスを利用したアクセスをおすすめします。

キリストの奇跡が起きた場所『トルサット聖母教会』

『トルサット聖母教会(Gospa Trsatska)』は、“カトリック教の聖地”として名高い場所です。13世紀末の5月10日、ナザレにあったキリストの家が天使によって建てられたのがその由縁だそうで、これは科学的にも証明されていると言います。教会内に設置された聖母子像もとても貴重なもので、必見の見所です。設置されているのはレプリカですが、ぜひ鑑賞してみてください。

リエカの目抜き通りのシンボル『時計塔』

リエカの目抜き通りである“コルゾ通り”は、中世の雰囲気が香るオシャレなストリートです。凝った作りの彫刻がいくつも設置されており、散策するだけでも心が踊るでしょう。そんなコルゾ通りのシンボルとなっているのが、『時計塔(Gradski toranj)』です。 “テレジアン・イエロー”と呼ばれる、『マリア・テレジア』が愛した美しい色合いは、街角に彩りを添えていますよ。

また、時計の下に設置された名門ハプスブルク家の紋章である、“双頭のワシのレリーフ”は見逃せません。時計台の下層部分はトンネルになっており、くぐることもできますよ。リエカの路地裏に迷い込んで、散策を楽しんでみるのもおすすめです。コルゾ通りでショッピングやカフェタイムを楽しむときは、ぜひ時計台も一緒に探してみてくださいね。

クロアチアの紙幣にも描かれている『聖ヴィート大聖堂』

『聖ヴィート大聖堂(Katedrala Svetog Vida)』は、バロック様式のモダンな教会です。17世紀に建造されてから、街の信仰の一角を担ってきました。この場所には以前も教会が建てられており、そこで起こった出来事は今も伝説として語り継がれています。その伝説とは、祭壇に設置されたキリストの磔像の左脇腹から、血が流れだしたというものです。ギャンブルで負けた男が腹いせに投げた石があたったのがきっかけだそうです。

石を投げた男の体は、裂けた地面に飲み込まれ消え去ってしまったといわれています。信じがたい話ではありますが、主祭壇の横には、その伝説のキッカケとなった石が安置されていますよ。リエカの守護聖人である“聖ヴィート”を祀った教会には、こんな逸話が残されていたのですね。クロアチアの紙幣にも描かれた教会、じっくり鑑賞してみてください。

リエカの名物『ブレク』

『ブレク(Burek)』はバルカン半島で愛される庶民の味です。パイ生地を渦状にキレイに巻き込んだもので、もちろんリエカでも味わうことができます。挽き肉をメインにチーズやほうれん草など、さまざまな種類の具材がありますよ!スイーツのように甘いブレクもあるようです。手軽に食べられるので、たくさんの味を食べ比べてみるのもおすすめですよ。お供にするのは、“テクチ・ヨグルト”という液体のヨーグルトが、最もおすすめです。

アドリア海に面した美しい街、リエカで思い出に残る時間を!

フローの提唱者、ポジティブ心理学の権威であるミハイ・チクセントミハイの出身地、リエカが持つ魅力や見所を紹介してきました。輝くアドリア海に面した美しいリエカの街並みは、古今東西どんな人でも虜にする、圧倒的な魅力を備えています。トルサット城塞やトルサット聖母教会、時計台などの見所を、ぜひじっくりと堪能してみてください。きっとあなたの思い出に残る、素晴らしい時間を演出してくれるはずです。

リエカの玄関口は『リエカ空港(Rijeka Airport)』です。とはいえ、発着する飛行機の数は少ないので、クロアチアの首都であるザグレブからのアクセスもおすすめします。バスを利用すれば、所要時間はおよそ2時間30分です。電車も運行していますが、本数も少なく所要時間も長いので、バスの利用がおすすめです。アドリア海最北端に広がるリエカの街並み。ぜひ次回の旅の目的地に、リエカを選んでみてはいかがでしょうか?

出典:【ウィキペディア】

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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