ゲランド(フランス):ミステリー作家ジャン=フランソワ・パロのゆかりの街

フランス出身の歴史ミステリー作家『ジャン・フランソワ・パロ』。海外の国々を飛び回り、外交官としての経歴も持つ人物だ。その著書は英語などに翻訳され、いくつもの国で人気を集めてきた。そんなジャン・フランソワ・パロのゆかりの街が、フランスの街『ゲランド』。名産の高級塩“フルール・ド・セル”は、世界中の人気レストランで使用されている。作家ジャン・フランソワ・パロとゲランドの魅力を、紹介していこう。

歴史ミステリー作家『ジャン・フランソワ・パロ』

『ジャン・フランソワ・パロ(Jean-François Parot)』は1946年生まれ、フランスのパリ出身の作家です。歴史ミステリーのカテゴリーを代表する作家の一人であり、外交官としての経歴も重ね、さまざまな国で総領事や参事官として勤務してきました。作家としての代表作は、フランスの警察を描いた“ニコラ・ル・フラック”シリーズでしょう。主人公『ニコラ・ル・フラック』は、美食を愛するグルメ家でゲランドの出身という設定です。

幼少期から周辺に俳優の友達がいたり、母親が映画監督の元で働いていたりなど、映画に造形が深い家庭環境で育ったというジャン・フランソワ・パロ。大学では歴史の修士号を取得し、進学した大学院では人類学や神学などについて学んでいきました。1974年には学術書も出版しています。作家として生み出した作品は英語やイタリア語など、複数の言語に翻訳され、ドラマにもなりました。フランスで人気の高い小説家の一人でしょう。

そんなジャン・フランソワ・パロの生み出した作品、“ニコラ・ル・フラック”の主人公の出身地が、フランスの『ゲランド』です。では、ゲランドの魅力を紹介していきましょう。

ジャン・フランソワ・パロのゆかりの街『ゲランド』

『ゲランド(Guérande)』は、フランス西部に位置するロワール=アトランティック県に属する街です。ゲランドの意味は“白い土地”。その名前の通り、ゲランドでは白く輝く美しい塩の花“フルール・ド・セル”が、伝統的な製法で作られています。

天然塩であるフルール・ド・セルは、生産量が少なく希少な塩です。ミネラルが豊富で風味豊かな味わいは、世界各地の高級レストランで使われている一級品です。このことからもゲランドは塩の街といえるでしょう。

そんなゲランドの起源は紀元前まで遡ります。新石器時代には、すでに人類の居住が始まっていたそうですよ。10世紀の中盤にはブルターニュ公国の領土になり、その後フランスへと併合されました。ゲランドには未だに美しい城壁が残されており、4つの門が現役でその役割を果たしています。中世の雰囲気を残した旧市街はゲランド観光の目玉でしょう。

長い歴史を誇るゲランドの見所は、『サントーバン・ド・ゲランド教会』や『ノートルダム・ラ・ブランシュ礼拝堂』などの教会建築です。街の中心にある城壁に囲まれた旧市街にも、ぜひ訪れてみてください。また、ゲランドの名産である『フルール・ド・セルの塩田』を見学してみるのもよいでしょう。名物はいくつもあるクレープリーで楽しめる『ガレット』です。

自然と歴史が根付いた街ゲランドの見所を紹介していきます。

さまざまな歴史の建築様式が混在した『サントーバン・ド・ゲランド教会』

『サントーバン・ド・ゲランド教会(Collegiale St-Aubin)』は、6世紀に建造されたゲランドの教会です。ブルターニュ戦争で崩壊したのち、1380年に再建されました。1840年には歴史的建造物に指定されています。重ねた歴史の長さを物語る、重厚感がある佇まいは必見でしょう。建物には12世紀や13世紀、時代ごとに異なる建築様式が少しずつ混在しており、まるでパズルやモザイクのように、刻々と変化する印象を楽しませてくれますよ。

主祭壇の奥には鮮やかなステンドグラスが設置されており、幻想的な空間を生み出しています。また、設置された巨大なパイプオルガンの音色には癒されます。ゲランドの歴史の変遷を見つめてきた重厚な教会。ぜひ、その雰囲気ある空間を楽しんでみてください。

丸窓が可愛らしい教会『ノートルダム・ラ・ブランシュ礼拝堂』

『ノートルダム・ラ・ブランシュ礼拝堂(Chapelle Notre-Dame La-Blanche)』は1348年に創設された石造りの教会です。シンプルな外観のゴシック様式の建物ですが、正面に設置された丸窓が可愛らしい印象を与えてくれるでしょう。上に突き出た鐘楼が、礼拝堂のシンボルです。こじんまりとしていますが、そのまとまりある姿は美しく、周辺地域では最も美しいゴシック様式の教会といわれているのだとか。写真にも映えるはずですよ。

バイキングの侵略から街を守った『ゲランドの城壁』

『ゲランドの城壁』は歴史上あったバイキングの襲撃から、何度も街を守ってきた堅固な城壁です。無傷の状態で残った城壁は、フランス国内でもとても珍しいものです。城壁には東西南北に4つの門が設置されており、旧市街に入るためには門をくぐる必要があります。有料ですが城壁の上に登ることもでき、ゲランドの街が一望できます。

ゲランドは4つの門をもつ“シテ”とも呼ばれています。城壁内に広がる街並みは、まるで映画の舞台のように美しいもので、石畳が連続する街の雰囲気にはついため息が出てしまうほどです。名産の塩を採塩する子供の銅像など、ゲランドならではの景観を発見することもできるでしょう。カフェやレストランでゆっくりと休憩するのもおすすめです。

ゲランドを訪れたら『塩田』の見学ツアー

ゲランドの名産である“フルール・ド・セル”は、“塩の華”とも呼ばれる世界でも屈指の品質と人気を誇るブランド塩です。一説によると、製造は9世紀から続いているといわれています。今なお伝統的な手作業で製造されるフルール・ド・セルの塩田は、ゲランドを彩る魅力的な景観の代表にもなっています。そんなブランド塩の製造工程を見学できるのが、“塩田見学ツアー”です。塩職人によって採塩される工程を間近で見学できます。

『テール・ド・セル(Terre de Sel)』では、採塩の時期である夏場に塩田見学ツアーをおこなっているようです。専用の器具で採塩をするデモンストレーションをみたり、“サリコルヌ”という塩田に育つ植物の試食(塩分を含んでいるため、ミネラル感が溢れる豊かな風味)をしたりなど、生産地ならではの魅力を堪能できます。

建物ではゲランドの塩の歴史に関する解説もされていますよ。もちろん、ゲランドの塩を購入することも推奨します。

ゲランドの名物『ガレット』

ゲランド近郊のブルターニュ地方では、そば粉やバターが有名です。ゲランドを訪れたらぜひ試していただきたいのが、フランスの郷土料理『ガレット(Galette)』です。ガレットとはそば粉を使ったクレープのことで、ゲランドの街中にはたくさんのクレープリーがあります。大ぶりのガレットにソーセージやチーズ、ホタテなどをのせた贅沢な一皿。シンプルにゲランドの塩とバターを使った、素材の味が楽しめるものもおすすめですよ!

城壁に囲まれた歴史と塩の街ゲランド

フランスの歴史ミステリー作家、ジャン・フランソワ・パロゆかりの街であるゲランドの魅力や見所を紹介してきました。フランス国内で貴重な、無傷の城壁を鑑賞しに訪れてみるのもよいでしょう。さまざまな教会や城壁に囲まれた美しい旧市街など、絶好の観光スポットも豊富にあります。夏場には塩田で採塩の風景を楽しんでみるのもよいですね。

ゲランドへのアクセスは、フランスの首都であるパリから電車でおよそ3時間、バスに乗り換えておよそ30分の距離です。ちょっとした小旅行気分で、パリから訪れてみるのもよいでしょう。豊かな自然が残るゲランド周辺で、のんびりと時間を過ごしてみるのもおすすめです。グルメを楽しみながら歴史に浸る、そんなロマン溢れる時間をぜひどうぞ。

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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