レオン(スペイン):新体操のスター、カロリーナ・ロドリゲスのふるさと

3度のオリンピック出場を果たした、スペイン出身の新体操選手『カロリーナ・ロドリゲス』。若手が活躍する新体操界では異例の、30歳にしてオリンピック入賞の快挙を成し遂げた人物である。そんなカロリーナ・ロドリゲスのふるさとが、スペイン北部の街『レオン』。キリスト教の巡礼路に位置する拠点として発展を遂げてきた街です。スペインの新体操界を牽引してきたカロリーナ・ロドリゲスと、その故郷レオンの魅力を紹介していこう。

スペイン新体操のスター『カロリーナ・ロドリゲス』

『カロリーナ・ロドリゲス・バリェステロス(Carolina Rodríguez Ballesteros)』は1986年生まれ、スペイン出身の新体操選手です。アテネやロンドン、そしてリオデジャネイロの3回のオリンピックに出場、30歳のときにオリンピック入賞の快挙を成し遂げました。7歳の頃に新体操に出会ったというカロリーナ・ロドリゲスは、新体操競技をみて

「初めて出会った時からこの競技に恋に落ちた」

引用:カロリーナ・ロドリゲス – Wikipedia

と語っています。

2001年にはスペインのジュニア選手権で準優勝を獲得し、シニア選手権では合計で3回の優勝を勝ち取ってきました。名実ともにスペインを代表する新体操のスター選手といってもよいでしょう。2013年には飛躍的な活躍を遂げ、ワールド・カップでも4位入賞の好成績を収めています。リオデジャネイロオリンピック以降は、競技には出場していませんが、復帰の話も話題になりました。そんなカロリーナ・ロドリゲスの故郷が『レオン』です。

カロリーナ・ロドリゲスのふるさと『レオン』

『レオン(León)』は、スペインの北部に位置するレオン県の県都です。中世にイベリア半島に存在した“レオン王国”の首都だった場所であり、キリスト教の三大巡礼地のひとつ “サンティアゴ・デ・コンポステーラ”への巡礼路の拠点となった場所です。レオンの地には紀元前1世紀に街が建造されており、その原型となったのは軍事施設のキャンプ場でした。914年にはレオン王国の首都に任命。中世には、家畜の飼育によって街は発展を重ねていきます。1960年代には人口が急増し、さらなる発展を遂げました。

そんなレオンには、さまざまな見所があります。シンボルである『レオン大聖堂』や、レオン王国の王家が眠る霊廟『サン・イシドロ教会』、スペイン出身の建築家“アントニオ・ガウディ”の初期の傑作『カサ・デ・ロス・ボティーネス』などは、その筆頭でしょう。激動の歴史を辿ったレオンの見所を、紹介していきましょう。

レオンを代表するシンボル『レオン大聖堂』

『レオン大聖堂(Catedral de León)』は、フランスゴシック様式を採用した美しい教会建築です。正面には直径8mにもなるバラ窓が設置されており、ロマネスク様式も散見されます。両脇には特徴的な2つの尖塔が設置されており、威風堂々の存在感が圧巻でしょう。レオン大聖堂が建造されている場所には、かつてローマ時代に大規模な浴場があったとされ、浴場の遺構も発見されています。レオンの歴史上、重要な役割を担ってきた場所といえます。

内装に目を向ければ、総数182枚にも及ぶ華やかなステンドグラスが目を引きます。レオン大聖堂はステンドグラスの比率が壁よりも多く、“世界一ステンドグラスの比率が高い大聖堂”とのこと。聖書をはじめとしたさまざまな題材が描かれたガラスは必見です。光が差し込む時間には、虹のように幻想的な空間を演出してくれますよ。レオンのシンボル、ぜひ訪れてみてください。

レオン王国の王家の人々が眠る『サン・イシドロ教会』

『サン・イシドロ教会(Basílica de San Isidoro)』は、8世紀に建造されたロマネスク様式の塔がシンボルの建物です。重厚な石造りの教会本体は、11世紀に建造されました。サン・イシドロ教会には、その名前の通り“聖イシドロ”の聖遺物が祀られています。建物の中央に設置された彫刻は、馬にまたがる勇猛な聖イシドロです。主祭壇に設置された祭壇画は金色で縁取られており、壮麗な美しさです。

サン・イシドロ教会は聖イシドロの聖遺物のほかにも、レオン王国の王家の人々が眠る“霊廟”としての役割もあります。建物の中には石の棺が並んだ部屋もあるのだとか。展示されている王家の宝物なども、合わせて鑑賞してみてください。また、天井には美しいフレスコ画が描かれており、華やかな空間を生み出しています。日常の生活の風景を描いた作品は、絶対に見逃せませんよ。“ロマネスク様式の傑作”と称される建物は、必見ですね。

アントニオ・ガウディ初期の傑作『カサ・デ・ロス・ボティーネス』

『カサ・デ・ロス・ボティーネス(Casa de los Botines)』は、“サグラダ・ファミリア”などで知られるスペイン出身の建築家『アントニオ・ガウディ』が、活動の初期に手がけた作品です。現在は銀行として使用されており、内部鑑賞はできませんが、外観だけでも一見の価値があるでしょう。アーチの窓や4隅に設置された尖塔は、この建物の特徴です。ガウディの特徴である独自性は控えめですが、確かな個性を感じることができるでしょう。

出身地であるカタルーニャ地方以外では、珍しいというガウディの作品。ファサードの上部には、槍を手にドラゴンを突き刺す“聖ジョージ”の彫刻が設置されています。また、建物の前のベンチにはガウディの銅像があり、撮影スポットとして人気を集めていますよ。ガウディがレオンへの敬意を込めたというカサ・デ・ロス・ボティーネス、ぜひお近くで鑑賞してみてください。細部へのこだわりから、その思いが伝わってきますよ。

レオンの芸術鑑賞なら『カスティーリャ・イ・レオン現代美術館』

『カスティーリャ・イ・レオン現代美術館(Museo de Arte Contemporaneo de Castilla y León)』は、頭文字をとって“MUSAC”の名称でも親しまれている施設です。2005年に創設され、2007年にはヨーロッパの優れた建築に与えられる“ミース・ファン・デル・ローエ賞”を受賞しています。カラフルなガラスを駆使した外観は、虹のように鮮やかです。世界一カラフルな美術館のひとつでしょう。館内では現代芸術を鑑賞することができます。

レオンの名物『セシーナ』と『モルシージャ』

『セシーナ(Cecina)』は牛肉を塩漬けにした、いわゆる“牛肉のハム”のような、レオンの名物です。断面の鮮やかな赤色が食欲を刺激するでしょう。シンプルな牛肉の旨味が凝縮したセシーナには、オリーブオイルがよく合います。

また、『モルシージャ(Morcilla)』は、豚の血を使ったソーセージです。豚肉やスパイス、お米を加えたモルシージャは、意外なことに臭みは少ないのだとか…。赤ワインと一緒に、ぜひ味わってみてくださいね。

歴史の街レオンで充実の滞在を!

スペインの新体操界のスター、カロリーナ・ロドリゲスの故郷レオンの魅力を紹介してきました。かつてのレオン王国の首都であるレオンには、レオン大聖堂やサン・イシドロ教会など見所が豊富です。またアントニオ・ガウディ初期の傑作も、ぜひ鑑賞してみてください。夕暮れの美しい街並みを背景に、バルでワインを楽しむのも乙な楽しみ方ですよ。夜のレオンは建物が幻想的に浮かび上がり、一味違った表情をみせてくれるはずです。

レオンの近郊には『レオン空港(León Airport)』があります。アクセスはこの空港を利用するほか、マドリードから電車やバスが発着しています。所要時間はおよそ3時間です。また、同様にバルセロナからも電車でアクセスが可能です。バルセロナからの所要時間はおよそ8時間。スペイン各地を周遊する際にレオンに立ち寄ってみるのもおすすめです。見所が満載のレオンへ、ぜひ次回の旅で訪れてみてはいかがでしょうか?

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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