パルマ(イタリア):バロック期を代表する画家、ジョヴァンニ・ランフランコの出身地

『ジョヴァンニ・ランフランコ』は、イタリア・バロック期を代表する画家です。幼少期より芸術の才能に溢れ、教会の装飾を多く手がけた事で知られています。そんなジョヴァンニ・ランフランコは、“美食の街”として知られるイタリアの『パルマ』で生まれました。今回は、画家ジョヴァンニ・ランフランコと彼の出身地・パルマの魅力をご紹介します。

■イタリアのバロック期を代表する画家『ジョヴァンニ・ランフランコ』

『ジョヴァンニ・ガスパーレ・ランフランコ(Giovanni Gaspare Lanfranco)』は、1582年に生まれた、イタリア・バロック期を代表する画家です。教会の装飾などを手がけ、静かな空間の中に華やかな世界観を与えてきました。そんなジョヴァンニ・ランフランコは、首都ローマやパルマ、南部の主要都市ナポリなど、イタリアの各地で活躍し、教皇『パウルス5世』から贔屓にされた画家としても有名になりました。

幼少期より芸術の才能に溢れていたジョヴァンニ・ランフランコは、イタリア人画家『アゴスティーノ・カラッチ』の下で技術を磨きます。ローマ滞在後にパルマへ帰還、その後再びローマへ戻って制作を続けるなど、活動拠点を目まぐるしく変えていきました。生涯で制作した作品の多くは教会や礼拝堂の装飾画で、“ブオンジョヴァンニ礼拝堂”や“サン・カルロ・アイ・カティナリ教会”の装飾が代表作として挙げられます。

ジョヴァンニ・ランフランコは、1647年にローマで生涯を終えるまで、傑作の数々を生み出していきました。描いた作品の数々は、現在も礼拝に訪れる人々の心を明るく照らしています。

そんなジョヴァンニ・ランフランコは、イタリア北部に位置する街『パルマ』で生まれました。

■ジョヴァンニ・ランフランコの生まれた街『パルマ』

『パルマ(Parma)』は“円形の盾”を意味するエミリア=ロマーニャ州の街で、パルマ県の県都でもあります。かつて、パルマ公国の首都でもあったパルマには、今でも中世の雰囲気が色濃く残っています。街の中心に佇むパルマ大聖堂は、かつての雰囲気が漂う中心的な建物です。また、パルマは“美食の都”としても知られており、世界三大ハムの一つである“プロシュット”が名物です。

パルマの歴史は古く、紀元前の青銅器時代には、すでに原型となる村があったとされています。中世時代には、フランク王国やミラノ公国の支配下になるなど、激動の時代を経験しました。そんな激動の時代の中、世界最古の大学の一つである『パルマ大学』が創設されています。(1502年創設)

1860年、ようやくパルマはイタリアの街となり、現在までに様々な発展を遂げていきました。

パルマの歴史背景を学んでから訪れると、より深く興味を持って観光する事が出来るかもしれません。

そんなパルマの見所といえば、街の中心に位置し、信仰の中心地でもある『パルマ大聖堂』と、隣接する『パルマ礼拝堂』でしょう。ファルネーゼ家の邸宅であった『ピロッタ宮殿』には、国立美術館と国立考古学博物館があります。また、パルマの芸術鑑賞や歴史の変遷を堪能するなら『ピロッタ宮殿』が最適です。もちろん、世界三大ハムの一つ『プロシュット』も外せません。そんなパルマの見所をご紹介していきましょう。

■パルマのランドマーク『パルマ大聖堂』

『パルマ大聖堂(Cattedrale di Parma)』は、パルマの中心 “ドゥオモ広場”の東に位置する建物です。正式名称は『サンタ・マリア・アッスンタ大聖堂(Cattedrale di Santa Maria Assunta)』と言いますが、人々から『パルマ大聖堂』の名称で親しまれています。ロマネスク様式の外観は、シックで落ち着いた印象を受けます。さらに、パルマ大聖堂で有名なのが外部と内部のコントラストです。特に、壁や天井を埋め尽くすような装飾は、思わず溜め息が出るほど圧倒的です。

12世紀に一旦完成しましたが、その後も増改築が施されていきました。大聖堂に隣接する鐘塔は、13世紀に増築された物です。また、16世紀に制作された天井画は、圧倒的な存在感を放っています。中でも、祭壇に描かれた『聖母被昇天』は屈指の名作です。これは、ルネサンスを代表するイタリア人画家『コレッジョ』の作品で、聖母マリアが天国へ導かれている様子を描いています。制作には、なんと約5年もの歳月をかけたのだとか。パルマ大聖堂を訪れた際、内部までじっくりと鑑賞してみてはいかがでしょうか。

また、同じくドゥオモ広場に面して建造された『パルマ洗礼堂』も、パルマ大聖堂と共に訪れるべき場所です。ピンク色の外観がまるで宝石箱のような洗礼堂は、地元の人々から愛されています。彫刻家兼、建築家の『ベネデット・アンテーラミ』によって建造された礼拝堂は、35メートルもの高さを誇り、内部にある12ヶ月を表現した擬人像が見所です。

■名門貴族の邸宅『ピロッタ宮殿』

ファルネーゼ家は、ローマ教皇やパルマ公などを輩出したイタリアの名門貴族です。『パラッツォ・デッラ・ピロッタ宮殿(Palazzo della Pilotta)』は、そんなファルネーゼ家の邸宅として建造されました。

現在、邸宅内には国立美術館や国立考古学博物館、ファルネーゼ劇場などの施設があります。パルマを観光する際、必見な場所の一つと言えるでしょう。

国立美術館には、主に15世紀〜18世紀のパルマの芸術作品が所蔵されています。イタリアを代表する芸術家『コレッジョ』や、その後継者とも言われる『パルミジャニーノ』の作品など、ここでしか見られない作品が豊富にあります。

ファルネーゼ劇場は、ヨーロッパ最古の劇場の一つと言われています。世界でも珍しい木造建築であるこの劇場は、保存が難しいため、使用される頻度は年に数回程度なのだとか。

ピロッタ宮殿自体にも注目ですが、敷地内にある各種の施設も、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

■パルマ郊外で屈指の注目スポット『トッレキアーラ城』

『トッレキアーラ城(Torrechiara)』は、パルマからおよそ20キロメートルに位置しています。トッレキアーラ城は、エミリア=ロマーニャ州で最も保存状態の良い城とされ、パルマ郊外の見所として真っ先に挙がる場所です。周囲に広がる美しい自然も魅力ですが、城内にある様々なフレスコ画も注目を集めています。ちなみに、1981年に制作された映画“ある愚か者の悲劇”は、トッレキアーラ城を舞台にした映画です。 

■パルマの名物『プロシュット・ディ・パルマ』

パルマといえば、生ハムを連想する方も多いのではないでしょうか。『プロシュット・ディ・パルマ(Prosciutto di Parma)』は、“世界三大ハム”として知られるパルマの名物です。

パルマから車でおよそ20〜30分の距離に位置する“ランギラーノ”には、プロシュットを製造する工場が約200箇所もあるのだとか。厳しい基準をくぐり抜けた上質なプロシュットは、口に入れた瞬間に塩気と甘み、そして圧倒的な旨味が全身を駆け巡ります。その旨味は、まさに至福の一言に尽きるでしょう。

パルマのレストランでは、プロシュットの盛り合わせを楽しむ事が出来ます。とろけるような生ハムから、凝縮した旨味を堪能できるサラミまで、パルマでの夜のメインはコレに決まりでしょう。メインのお供には、エミリア=ロマーリャ州の名産“ランブルスコ”がおすすめです。弱発泡性の赤ワインで、独特の甘みとコク、程よいボディ感を楽しむ事が出来ます。プロシュットとの相性も抜群なので、2つのマリアージュをぜひお楽しみください。

■美食の都パルマで観光にグルメを満喫!

イタリア・バロック期を代表する画家ジョバンニ・ランフランコ、そんな彼の出身地であるパルマの魅力を紹介してきました。“美食の都”パルマで、イタリア屈指の美食を満喫する事が出来るでしょう。これまで紹介してきた“プロシュット・ディ・パルマ”や“ランブルスコ”に加えて、イタリアチーズの王様と言われる “パルミジャーノ・レッジャーノ”もパルマ近郊で生産されています。

パルマの空の玄関口は『パルマ空港(Parma Airport)』です。市街地からも近いので、快適に利用する事が出来るでしょう。また、イタリアの主要都市からは、電車でアクセスする事も出来ます。ミラノからは電車でおよそ2時間、イタリアの首都ローマからは1時間30分〜2時間の距離です。街並みや建物、そして美食まで楽しめるパルマの街へ、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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