成都市(中国):中国の武術家タイガー・チェンの出身地

世界中で大ヒットを記録した映画“マトリックス”。その影の功労者が中国出身の武術家、タイガー・チェンです。主演であるキアヌ・リーブスの武術指導を務め、自身も俳優活動を行っています。そんな彼は、激動の三国時代“蜀”の首都であった街、中国・成都市で生まれました。タイガー・チェンと成都市、それぞれの魅力を詳しく紹介していきましょう

■中国の武術家『タイガー・チェン』

『タイガー・チェン(Tiger Chen)』は、1975年に中国で生まれた武術家兼、俳優です。『陳虎(チェン・フー)』という名前も持ち、成長と共に圧倒的な種類を誇る“中国武術”を学んできました。18歳の時には、出身地である四川省の代表に選出され、中国の全国大会で見事に優勝しています。翌年19歳で渡米し、アクション監督を務める『ユエン・ウーピン』の元、技術を学んでいきました。

1998年には、映画“マトリックス”で武術指導を担当し、主演である『キアヌ・リーブス』との親交も深めたとされています。2003年に公開された続編“マトリックス・リローデッド”では、俳優としても出演し、活動の幅を広げていきました。後年には、キアヌ・リーブスが監督を務めた映画に主演で登場しています。注目を集めるその演技力と、世界スタント賞にノミネートされた確かな技術によって、世界中の人々を魅了し続けるのでしょう。

アメリカで行われた武術の国際大会でも優勝を経験している彼は、武術家としての活躍ぶりも圧倒的と言えます。そんな武術家と俳優、2つの表情を持ち合わせている彼の出身地は、“天府の国”とも呼ばれる中国の街『成都市』です。

■タイガー・チェンの出身地『成都市』

『成都市(セイトシ・Chengdu)』は、中国・四川省の省都にあたる街です。広大な成都高原の中心にある成都市は、自然豊かな“天府の国”とも呼ばれています。中国の英傑が活躍した三国時代には、劉備によって建国された“蜀”の都として栄えてきました。成都市で生産される絹や紙は、上質な事で有名です。蚕(カイコ)を育て、その繭(マユ)から絹を作り出す“養蚕業(ヨウサンギョウ)”は、工業都市・成都市の発展を後押ししてきました。

※開発が進む成都市

その後は荒廃を経験するも、積極的に移民を受け入れる事により、繁栄を取り戻します。1982年には“国家歴史文化名城”に指定されました。また、中国西部の再開発プロジェクトの拠点にもなっており、益々の発展が期待されるでしょう。

そんな成都市の見所は、三国時代に名を馳せた丞相“諸葛亮”を祀った霊廟『成都武侯祠』、中国三大宗教の一つ“道教”の重要な寺院『青羊宮』、ユネスコ世界遺産にも認定されている『青城山』や『都江堰』でしょう。また、四川省の名物『麻婆豆腐』も、絶対に食べておきたい逸品です。魅力が満載な成都市の見所を詳しく紹介します。

■丞相“諸葛亮”を祀った霊廟『成都武侯祠』

『成都武侯祠(セイトブコウシ・Chengdu Wuhou Memorial Temple)』は、三国時代に名を馳せた丞相『諸葛亮』を祀った霊廟です。“武侯祠”とは、諸葛亮を祀った霊廟の総称で、中国各地に点在しています。成都市の武侯祠は、その中でも最も重要な物と言われており、1961年には“中国重要文物単位”に指定されました。現在では、国家を挙げて保護される重要な遺産となっています。緑豊かな敷地内で、様々な武将の像、歴史的な建物や素晴らしい景観などを楽しむ事が出来るでしょう。

実を言うと、この場所には諸葛亮の主君であった『劉備』が祀られていました。しかし、諸葛亮が祀られた後、その人気ぶりから“武侯祠”の名前が浸透していったようです。その他にも、関羽や張飛などの時代を代表する英傑や、それぞれの一族も祀られており、後世に制作された武将像も設置されています。総数50体にも上りますので、お気に入りの武将を探してみてはいかがでしょうか。

敷地内にある劉備の墓“恵陵(ケイリョウ)”にも、ぜひ足を運んでみてください。恵陵の周囲は赤い壁と竹やぶに挟まれているため、“紅壁狭道”と呼ばれています。静かな時間と澄んだ空気を味わう事が出来るので、散策にもおすすめの場所です。

■成都市で最大の道教寺院『青羊宮』

青羊宮(セイヨウキュウ・Qingyang Palace)』は、成都市で最大の道教寺院です。名前の由来は、道教の始祖と言われる『老子』が青い羊を連れてきたという逸話からだとされています。神格化された老子の話ともなれば、不思議と信じてしまうものです。紀元前に建造された寺院は、唐の時代に規模が拡大したものの火事で焼失、現在の建物は清の時代に再建されました。入り口には青銅製の羊像がありますので、ぜひ撫でてみてください。

81匹の龍が彫られた左右対称の『八卦堂』も見逃せません。自然が豊富で敷地も広く、圧倒的なスケール感を味わう事が出来ます。道教の寺院“青羊宮”、ぜひ近くで鑑賞してみてください。

ユネスコ世界遺産『青城山』と『都江堰』

『青城山(セイジョウサン・Qīngchéng Shān)』は、中国三大宗教の一つ“道教”発祥の地と言われる場所です。成都市からは北西およそ68kmの地点にあり、城郭のように美しい山脈から“青城山”と命名されました。“天師洞”などの建物と大自然のコントラストは、訪れた人々を虜にしてしまうでしょう。建物の中では、現在も道教を信仰する人々が修行を行なっていると言います。その厳かな空気は、他の場所では味わう事が出来ません。

『都江堰(トコウエン・Dūjiāngyàn)』は、紀元前3世紀に建造され、世界最古の水利施設と言われています。水利施設とは、農業などのために水源を確保する施設の事です。都江堰が完成した後、水源の少なかった成都市の人々に豊かな恵みがもたらされました。3種類の堤防からなる構造は注目です。2000年には、青城山と共にユネスコ世界遺産に認定されました。成都市の発展を支えた重要な施設、都江堰は見逃せません。

■成都市の名物『麻婆豆腐』

四川省の料理といえば、山椒や唐辛子をたっぷり使用した、ピリリと辛い“四川料理”です。その代表といえば『麻婆豆腐(Mápó dòufu)』が挙げられるでしょう。さいの目に切った豆腐に挽き肉を加え、山椒や唐辛子などで味付けした、痺れるような辛さと旨みは、やみつきになります。そんな麻婆豆腐を食べるのであれば、元祖と言われる “陳麻婆豆腐店”がおすすめです。本場の味わいを、心ゆくまで堪能してみてはいかがでしょうか。

■中国注目の街、成都市で歴史を味わう

武術家兼、俳優としてアメリカで活躍しているタイガー・チェン。そんな彼の出身地、中国四川省・成都市の魅力を紹介してきました。三国志時代の英傑を祀った霊廟や、道教の大規模な寺院、ユネスコ世界遺産に認定された貴重な施設など、成都市には多くの見所があります。事前に中国の歴史に触れてから訪れると、より滞在を楽しむ事が出来るでしょう。

成都市の玄関口は、『成都双流国際空港(Chéngdū Shuāngliú Guójì Jīchǎng)』です。現在、新しい空港の開発も進んでおり、成都市はこれからも右肩上がりに発展していく事でしょう。成都双流国際空港から市街地までは、高速鉄道でおよそ10分〜15分の距離です。バスも発着しているので、予定に合わせて選択しましょう。また、北京や上海からは、飛行機でおよそ2時間30分です。次回の旅の目的地は、成都市に定めてみてはいかがでしょうか。

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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