西安市(中国):中国を代表する映画監督、張芸謀の故郷

張芸謀(チャン・イーモウ)は、中国映画界“第五世代”と言われる監督です。国際的な映画祭で最高賞を受賞するなど、輝かしいキャリアを彩ってきました。そんな中国で人気を集める張芸謀の故郷が、古代より中国の中心地として栄えてきた西安市です。(古くは世界最大の都市であった“長安”)
中国を代表する映画監督・張芸謀と、その故郷である西安市の魅力を紹介していきましょう。

■中国の映画監督『張芸謀』

『張芸謀(チャン・イーモウ・Zhāng Yìmóu)』は、中国映画界の“第五世代”と言われる映画監督です。映画監督の他に俳優も務め、東京国際映画祭で「主演男優賞」を受賞しました。また、映画監督としては、ベルリン国際映画祭で「金熊賞」、ヴェネツィア国際映画祭で最高賞の「獅子賞」を受賞しています。中国のみならず、国際的に評価の高い人物で、「秋菊の物語」や「LOVERS」などが代表作として挙げられるでしょう。

張芸謀は、1950年に中国のほぼ中心に位置する西安市で生まれました。農場や工場で労働した後、北京電影学院の撮影学科に入学し、映画の道へと進みます。1982年に卒業した後は、西安にある映画製作所に配属され、キャリアを築いていきました。
中国で熱い視線を集める彼の故郷が、中国・陝西省の街『西安市』です。そんな西安市の魅力や見所を詳しく紹介していきましょう。

■張芸謀の故郷『西安市』

『西安市(セイアンシ・Xī’ān)』は、中国のほぼ中心に位置する陝西省(センセイショウ)にある大きな街です。“西の首都”という意味の西安市は、唐の時代に世界最大の都市“長安”として名を馳せました。シルクロードの起点とされ、中国で屈指の人気を誇る観光都市と言えるでしょう。その歴史的な経緯から“国家歴史名城”に指定されています。四季が明確なので、季節の移ろいを感じる事が出来るのも、人気の秘密ではないでしょうか。

古代より、政治や経済の中心地として発展を遂げてきた西安市は、数千年もの歴史を誇ります。西安の名称が初めて登場したのは、1369年でした。西安市の見所には、シルクロードの一部として世界遺産に認定された『大雁塔』、全長およそ14キロメートルにも及ぶ『西安の城壁』、20世紀最大と言われる考古学の発見『兵馬俑』などがあります。また、回民街(イスラム人街)のグルメも名物の一つです。そんな西安市の見所を紹介していきましょう。

■世界遺産『大雁塔』

『大雁塔(ダイガントウ・Dàyàn Tǎ)』は、652年に完成した7層構造の建物です。中国の四代奇書の一つ “西遊記”をご存知の方は多いでしょう。三蔵法師がお供の孫悟空、猪八戒、沙悟浄を引き連れて天竺を目指す物語です。大雁塔は、西遊記の元となった『玄奘三蔵(ゲンジョウサンゾウ)』が天竺から持ち帰った仏典の保存と、翻訳を目的に建造されました。大雁塔の敷地内には、玄奘三蔵の像も置かれています。

内部には、石碑や絵画が収蔵されているので、じっくりと鑑賞してみるのも良いでしょう。また、大雁塔に登る事も出来ます。螺旋階段を利用するのは大変ですが、およそ64メートルの高さから望む西安市の街並みは絶景です。248段ある階段を、一歩ずつ踏みしめながら登りましょう。
シルクロードの一部として、ユネスコ世界遺産にも認定されています。そんな西安市のシンボルとも言うべき大雁塔へぜひ訪れてみてください。

■全長およそ14キロメートルの『西安の城壁』

『西安の城壁(Xi’an City Wall)』は、世界最大規模の城壁です。全長およそ14キロメートル、高さ12メートル、底の厚みは18メートルにも及びます。高さより、底の厚みがあるという事実に驚きを隠せません。

城壁に登り、徒歩で回る事も出来ます。また、レンタル用の自転車もあるので、利用してみるのも良いでしょう。2人乗り自転車もあるので、カップルにおすすめです。高層ビルと城壁という珍しい光景は、ここでしか見る事が出来ません。

また、城壁には東西南北の門があり、南門の“永寧門(エイネイモン)”は、最も人気があります。常に多くの人々で賑わっており、結婚式のお祝いに写真撮影するカップルもいるようです。

また、城門の中で最大の西門“安定門(アンテイモン)”は、シルクロードの発着点にもなりました。夜はライトアップもされますので、美しく幻想的な雰囲気を感じる事が出来るでしょう。

■20世紀最大と言われる考古学の発見『兵馬俑』

“兵馬俑(ヘイバヨウ)”とは、埋葬する死者と共に副葬(遺物などを一緒に埋葬すること)された物の中で、兵士や馬の形をした物です。
西安市からバスでおよそ1時間の距離に位置する『秦始皇帝兵馬俑博物館(シンシコウテイヘイバヨウハクブツカン・Museum of Qin Terra-cotta Warriors and Horses)』には、圧倒的な規模の兵馬俑が並んでいます。1974年に発見、1987年にはユネスコ世界遺産に認定されました。

4つの展示エリアに分かれている館内で、最大規模を誇るのが“1号坑”です。東西230メートルにも及ぶ場所にずらりと並んだ兵馬俑の姿には、畏敬の念すら感じるでしょう。兵士俑の平均身長はおよそ180センチメートル、重さは300キログラム以上もあります。それら全てが秦国時代の敵国(東の方角)を向いているのですから、圧巻としか言えません。出土した兵馬俑の総数は8,000体以上、公開されている一部のみでも圧倒的な規模です。

秦始皇帝陵(墓)は、およそ2200年前に建造されました。完成までにかかった歳月は、なんと36年にも及ぶそうです。その周辺を守るように埋葬された兵馬俑の発見は、世界中を驚かせ、20世紀考古学において最大の発見と言われました。細部まで作り込まれた表情にも、注目してみてください。

■3000年以上の歴史を誇る温泉地『華清池』

『華清池(カセイチ・Huá qīng chí)』は、西安市から東へおよそ30キロメートルに位置する有名な温泉地です。驪山(リザン)の麓にある華清池は、3000年以上の歴史があると言われています。また、“傾国の美女”とも呼ばれる中国の三大美人『楊貴妃』と、唐時代の『玄宗皇帝』が愛を育んだ場所でもありました。楊貴妃と玄宗皇帝を象った像も、沢山設置されているので、ぜひ足を運んでみてください。

■西安市の名物を回民街で!

『回民街(Muslim Quarter)』は、中国の文化とイスラムの文化が混ざり合った西安市のグルメスポットです。回民=イスラム人を意味しており、一味違った雰囲気を楽しむ事が出来るでしょう。

名物は、牛肉や羊肉の串焼きや、“肉夾モー(ロージャーモー)”と呼ばれるパンに肉類を挟んだ料理です。肉夾モーは、いわば中国式のハンバーガーで、ジュワッとしみた肉汁が食欲をそそります。中国のB級グルメを堪能したり、お土産を探したりするのにも最適な場所なので、ぜひ訪れてみてください。

■中国屈指の大都市、西安市で充実の時間を

中国を代表する映画監督の一人である張芸謀、その故郷・西安市の魅力や見所を紹介してきました。かつては長安として、はたまたシルクロードの発着点としても、世界に名を轟かせてきた大都市です。大雁塔や城壁、兵馬俑など見所満載の西安市で、充実した時間を過ごす事が出来るでしょう。

西安市の玄関口は、『西安咸陽国際空港(Xi’an Xianyang International Airport)』です。西安市の北西およそ40キロメートルに位置し、西安市の市街までは を利用しましょう。(所要時間およそ40分〜1時間)
ぜひ、西安市で遥かなる歴史を体感してみてはいかがでしょうか。

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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