高雄(台湾):カンヌ国際映画祭の監督賞も受賞した侯孝賢のゆかりの街

『侯孝賢』は台湾を代表する映画監督の一人だ。1980年代の台湾映画の潮流である“新電影”を担った、代表的な人物としても有名だろう。2015年に公開された作品で、権威あるカンヌ国際映画祭の監督賞を受賞してきた。そんな侯孝賢が幼い頃から暮らしたゆかりの街が、台湾南部の『高雄』である。映画監督侯孝賢と高雄の魅力を詳しく紹介していこう。

台湾の映画監督『侯孝賢』

『侯孝賢(ホウ・シャオシェン・Hóu Xiàoxián)』は1947年生まれ、中国の広東省出身の映画監督です。1989年に制作した映画“悲情城市”で、ヴェネツィア国際映画祭のグランプリを受賞、2015年に公開された映画“黒衣の刺客”では、カンヌ国際映画賞・監督賞を受賞しました。名実共に台湾を代表する映画監督の一人といえるでしょう。社会的な反響を巻き起こすことも多く、実際に“悲情城市”の公開時には、台湾中で大きな反響が起こりました。

1歳のときに家族と共に台湾に移住したという侯孝賢は、1969年に兵役を終えたのち、芸術専科学院に入学し学びを深めていきました。卒業後、1973年に映画の記録を務める“スクリプター”として映画に関する仕事を始め、1980年に映画監督としてデビューを飾ります。デビューした時代は台湾に新しい映画の潮流“新電影”が展開されており、侯孝賢は新電影を代表する映画監督の一人となりました。その経歴は、まさしく巨匠といえるでしょう。

国際的な評価も獲得する映画監督『侯孝賢』。そのゆかりの街が台湾南部の『高雄』です。次章からは、高雄の魅力や見所を紹介していきましょう。

侯孝賢のゆかりの街『高雄』

『高雄(カオション・Kaohsiung)』は、台湾の南部に位置する街です。台湾で第3の規模を誇る街で、敷地面積だけでいえば台湾で最大の規模を誇っています。テーブル状の山“寿山”のふもとにある高雄は、古くから港街として栄えてきました。年間を通して温暖な気候も、観光地として注目を集める大きな要素でしょう。中心部には高層ビルが立ち並び、今後の再開発も期待されています。台湾の中心地『台北』から、高速鉄道で約1時間30分の立地も魅力でしょう。

高雄の前身は『打狗(ダグ)』という小さな村でした。そんな小さな村が17世紀から一大都市に成長していったのです。1864年には打狗港が開港し、貿易を通して飛躍的に発展を重ねていきました。1920年には現在の高雄に改称され、1966年以降は工業を通して繁栄を謳歌。高雄にある“高雄港”は、現在もアジアで有数の規模を誇る港になっています。そんな高雄には、街中から郊外までさまざまな見所があります。高雄の見所を厳選して紹介しましょう。

極彩色の2つの塔『龍虎塔』

『龍虎塔(リュウコトウ・Dragon Tiger Tower)』は、高雄の郊外にある『蓮池潭(レンチタン・Liánchí tán)』の周辺にある人気のスポットです。蓮池潭は全長1.4kmの人口の湖で、周辺にはいくつもの中華風の建物が軒を連ねています。龍虎塔は、そんな蓮池潭で最も注目を集める建物でしょう。1974年に建造された7重の塔は、極彩色で彩られています。中でも目を引くのが、大きく口を開けた龍と虎のモチーフです。この2つのモチーフが塔の名称の由来でしょう。

台湾では龍は“最も善良なもの”とされ、反対に虎は“最も凶暴なもの”とされています。龍虎塔の龍の口から入って、虎の口からでてくることで、開運効果が望めるといいます。龍虎塔は高雄で屈指のパワースポットとして、人気を集めているのです。どことなく愛嬌がある龍と虎の表情にも、どこか神聖な空気が漂っています。台湾の修学旅行でも人気の場所だそうです。

また、龍虎塔は頂上付近まで登ることができます。展望台からの眺めは格別でしょう。蓮池潭の周辺にあるさまざまな建物を眺めるのもおすすめです。夜にはライトアップもされ、幻想的な雰囲気を醸しだしてくれます。特に龍と虎の怪しさ満点の姿は必見です。また、正面にある『慈済宮(Cijigong)』も、ぜひ立ち寄ってみてください。お医者様を祀った建物なので、お祈りをすれば健康になれるかもしれません。龍虎塔の全景も眺められるのでおすすめです。

優雅なイギリスの雰囲気を体感『打狗英国領事館

『打狗英国領事館(British Consulate at Takao)』は、1865年に建造され1925年まで領事館として使用されていた建物です。夕日の名所といわれる西子湾に位置しており、建物からは高雄の街並みを望むこともできます。赤レンガを用いた重厚な造りで、建築様式はバロック様式を採用しています。1階は領事館や高雄にまつわる歴史の解説や展示がされており、2階はテラス席もあるカフェが併設されています。優雅にイギリス式のティータイムを楽しんでみてはいかがでしょうか。

高雄のランドマーク『高雄85ビル』

『高雄85ビル(85 Sky Tower)』は1996年に完成した、地上347mの高層ビルです。高雄の“高”をイメージしたというデザインは、シャトルのように独特な形をしています。85階建てになっており、台北にある『台北101』が完成するまでは台湾で最大の高さを誇っていました。74階には展望台が完備されており、高雄の街並みを360度のパノラマで楽しめます。またエレベーター内は高度が上がるにつれ暗くなり、星空が映しだされる演出が施されています。

高雄で最も有名な夜市『六合夜市』

『六合夜市(ロクゴウヨルイチ・Liuhe Night Market)』は、高雄で最大かつ最も有名な夜市です。1950年台から徐々に拡大していったもので、敷地内には所狭しと屋台が並んでいます。夜市内は歩行者天国になっており、両脇にはテーブルも設置されています。夜市というと設備があまりない印象がありますが、六合夜市ではその心配はいらないでしょう。港街である高雄ならではの新鮮な海鮮を使った屋台のほか、ノスタルジックなゲームを楽しんだりもできますよ。

高雄の名物『鶏肉飯』

『鶏肉飯(ジーローハン・Chicken rice)』は、細かく裂いた鶏肉に甘辛のタレをかけた台湾の国民食です。ジューシーでしっとりな鶏肉とご飯に絡むタレのコンビネーションは、台湾を訪れた人たちを例外なくトリコにしていますよ。夜市のほか、レストランで提供されています。また、白身魚の“虱目魚(サバヒー)”もおすすめです。身が白いことから“ミルクフィッシュ”とも呼ばれており、高雄で最もポピュラーな魚です。あっさりしたスープがおいしいですよ。

台湾で人気の街、高雄で滞在を楽しんで

台湾を代表する映画監督、侯孝賢ゆかりの街である高雄の魅力や見所を紹介してきました。高層ビルが立ち並ぶ先進的な街並みが特徴ですが、反面ひとたび郊外に足を伸ばせば自然や歴史にまつわるさまざまな見所が点在しています。こうした景観や文化のコントラストも、高雄の大きな魅力のひとつでしょう。船が往来する港街ならではの風景も風情がありおすすめです。

そんな高雄の玄関口は『高雄国際空港(Kaohsiung International Airport)』です。台湾で2番目の規模を誇る、大きな空港ですよ。また先に書きましたが、台湾の中心地である『台北』から台湾高速鉄道でおよそ1時間30分の距離です。日帰りで訪れることも十分に可能でしょう。高雄は世界で最も美しい駅の第2位に選ばれた“美麗島駅(ビレイトウエキ)”もあるので、電車を利用してみるのもよいでしょう。魅力豊かな高雄で、滞在を楽しんでみてはいかがでしょうか?

関連記事一覧