アイゼナハ(ドイツ):天文学者であり物理学者エルンスト・アッベのふるさと

ドイツ出身の『エルンスト・アッベ』は、天文学と物理学の世界において偉大な功績を残した人物です。技術者として光学技術の性能向上に貢献し、月の裏側にあるクレーターにも“アッベ”の名前がつけられています。その分野において知らない人はいないでしょう。そんなエルンスト・アッベのふるさとが、ドイツの『アイゼナハ』です。世界遺産の“ヴァルトブルク城”が特に有名な街。エルンスト・アッベとその故郷アイゼナハの魅力を詳しくご紹介していきましょう。

ドイツの天文学者であり物理学者『エルンスト・アッベ』

『エルンスト・カール・アッべ(Ernst Karl Abbe)』は1840年生まれ、ドイツのアイゼナハ出身の人物です。21歳のときにゲッティンゲン大学で学士を取得後、1870年にはイエナ大学で物理学と数学の教授に就任しました。学術研究のためにすべての発明を公開し、“パブリック・ドメイン”にしたことも有名でしょう。“アッベ数”や“アッベの原理”など自身の名前を冠した発見も多く、歴史にその名前を残しています。

1889年に“カール・ツァイス財団”を設立し、8時間労働の実施や勤務外時間の使用の自由など、公平性や公益性を意識した改革をおこなってきました。こうした事例からも、エルンスト・アッベの人間性の素晴らしさが垣間みえます。光学技術の性能向上に貢献したり、月の裏側にあるクレーターに“アッベ”の名前がつけられていたりと、生涯で成し遂げた功績はとても偉大なものでしょう。そんなエルンスト・アッベのふるさとが、ドイツの『アイゼナハ』です。

エルンスト・アッベのふるさと『アイゼナハ』

『アイゼナハ(Eisenach)』は、ドイツの中央部に位置するテューリンゲン州の街です。エルンスト・アッベが生まれた場所のほか、音楽家『バッハ』の出生地としても有名でしょう。2つの川の合流点に位置するアイゼナハは、古くから交通の要所として栄えてきました。アイゼナハの街の背後は、広大な“テューリンゲンの森”が広がっており、シンボルである“ヴァルトブルク城”がたたずんでいます。

1067年に建造されたヴァルトブルク城は、宗教改革の中心的人物『マルティン・ルター』にもゆかりが深い場所です。ヴァルトブルク城が宗教改革において重要な場所となったことは間違いないでしょう。13世紀初頭におこなわれていた“歌合戦”は、ドイツを代表する文化人『リヒャルト・ワーグナー』が描いた代表作“タンホイザー”の題材になったことでも知られています。アイゼナハはヨーロッパの歴史においても重要な街なのです。

アイゼナハの見所はシンボルである『ヴァルトブルク城』のほか、ルターが説教をおこなった『ゲオルク教会』や、1907年に創設された『バッハの家』、自動車産業の歴史を展示した『自動車博物館』です。また、名物の『テューリンゲン・ソーセージ』も必食でしょう。さまざまな魅力がある歴史の街、アイゼナハの見所をご紹介していきます。

アイゼナハのシンボル、世界遺産『ヴァルトブルク城』

『ヴァルトブルク城(Wartburg)』は、“ドイツ人の精神的なシンボル”ともいわれる漆黒のお城です。1067年に建造され、1999年にはユネスコ世界遺産に認定されました。建物的にも歴史的にも、アイゼナハの観光のハイライトであることは間違いないでしょう。アイゼナハの背後にあるテューリンゲンの森の中、高台にそびえる姿は感嘆のため息がでるほどに美しいものです。市街地からは徒歩で30分〜40分の距離にあるため、トレッキングするのもおすすめです。

威風堂々、歴史の歩みを感じる外観はもちろんですが、それ以上に内部は見所が目白押しとなっています。13世紀初頭に歌合戦が繰り広げられていた大広間には、当時の様子が壁画に明瞭に描かれており、赤色を基調とした華やかな空間からはかつての活気ある雰囲気が伝わってくるでしょう。

また、宗教改革の中心人物『マルティン・ルター』が、新訳聖書のドイツ語訳をおこなった部屋も残されています。“ルターの部屋”と称されている部屋は、驚くほど簡素です。机や棚、暖炉など最低限の設備が整えられ、ルターは連日のように聖書の翻訳をおこなっていたとされています。

プロテスタントの“ルター派”の名称からも、その偉業のほどは伝わるでしょう。城内には、ルターが悪魔に向かってインクの瓶を投げたときにできたとされる“染み”も残っています。見学中にぜひ探してみてくださいね。
ヴァルトブルク城は高台に位置しているため、アイゼナハの街並みが一望できます。ガイドツアーもあるので、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

ルターが説教をおこなった『ゲオルク教会』

『ゲオルク教会(Georgen Kirche)』は、旧市街にあるマルクト広場に面して建造されています。1521年にルターが説教をおこなった場所として有名なほか、“音楽の父”と呼ばれる音楽家『ヨハン・ゼバスティアン・バッハ』が洗礼を受けた教会としても知られています。祭壇にはキリストの磔像が設置され、背後にあるステンドグラスから鮮やかな光が差しこんでくるのが印象的です。説教壇や絵画、バッハが洗礼を受けたとされる“洗礼盤”も教会内に展示されています。

またゲオルク教会は、バッハが聖歌隊の一員として歌った場所でもあります。なんでもバッハの一族は132年間も、ゲオルク教会のオルガニストを務めていたのだとか。教会内にはバッハの銅像もあり、その存在は今なお偉大なものとして教会に刻まれています。入口から入ったあと、背後を振り返るのもお忘れなく。入口の上部、3階部分には大きなパイプオルガンが設置されていますよ。ゲオルク教会は音楽に興味がある方にとっては、絶好のスポットでしょう。

バッハ一族の館を改装した『バッハの家』

『バッハの家(Bachhaus)』は1907年に設立された、バッハにまつわるコレクションが展示されている施設です。2007年にはモダンな雰囲気の新館が増設され、よりたくさんのコレクションが楽しめるようになりました。バッハが暮らした当時の生活様式の再現はもちろん、400以上になる古楽器の展示やコンサートホールでの定期的な演奏会など、さまざまな角度からバッハの音楽を楽しめます。家の前にバッハの銅像もあるので、記念撮影をしてみるのもおすすめです。

アイゼナハの自動車産業の歴史を紐解く『自動車博物館』

アイゼナハの発展を支えたのが自動車産業です。今では世界的に有名なカーブランド“BMW”の土台を築いたのも、このアイゼナハだといわれています。『自動車博物館(Automobile Welt Eisenach)』では、そんなアイゼナハの自動車産業の変遷はもちろん、クラシックカーなどの貴重な展示を堪能することができ、展示品の中には戦争時代の銃痕が残った車などもあります。世界の歴史を絡めた展示品など、ここでしか体感できない空間を楽しんでみてください。

アイゼナハの名物『テューリンゲン・ソーセージ』

ドイツにはおよそ1,500種類以上のソーセージがあるといわれています。『テューリンゲン・ソーセージ(Thüringer Rostbratwurst)』は、そんなドイツでも屈指の人気を誇るアイゼナハの名物ソーセージです。ハーブやニンニクをたっぷりと効かせた味わいは、炭火でグリルするところが特徴ですね。細くて長いテューリンゲン・ソーセージは、屋台でホットドッグとしても販売されています。パンに染み込んだ肉汁の旨味は至福の味わいです。ぜひ挑戦してくださいね。

ドイツの歴史上で重要な街、アイゼナハの魅力を堪能!

天文学者であり物理学者、エルンスト・アッベのふるさとであるアイゼナハの魅力を紹介してきました。ルターやバッハなど、歴史上の偉人とのゆかりも深い街です。世界遺産のヴァルトブルク城をはじめとした見所の数々を、じっくりと堪能してみてください。アイゼナハへのアクセスは、ドイツの首都ベルリンから高速鉄道“ICE”を利用しましょう。所要時間はおよそ2時間30分です。歴史も街並みもグルメも魅力の街、アイゼナハをじっくり味わってみてください。

関連記事一覧