アミアン(フランス):“リュカ数列”の由来となった数学者エドゥアール・リュカの故郷

フィボナッチ数の研究で知られている人物が『エドゥアール・リュカ』である。“リュカ数列”や“リュカのキャノンボール問題”など、自身の名前を冠したさまざまな功績を残してきた数学者だ。そんなエドゥアール・リュカの故郷が、フランス北部に位置する『アミアン』である。ユネスコ世界遺産に認定されている“ノートルダム大聖堂”がランドマークの街。それぞれの魅力を、詳しくお伝えしよう。

数学者『エドゥアール・リュカ』

『フランソワ・エドゥアール・アナトール・リュカ(François Édouard Anatole Lucas)』は1842年生まれ、フランスのアミアン出身の数学者です。パリの高等学校で学んだエドゥアール・リュカは、天文台での勤務や数学の教授としての経歴があります。

“フィボナッチ数”の研究や、証明が難しいとされる“リュカのキャノンボール問題”などの数学にまつわる歴史的な人物です。数学パズル“ハノイの塔”の考案者としても知られています。そんなエドゥアール・リュカの故郷が、フランスの北部に位置する街『アミアン』。アミアンの魅力を紹介していきましょう。

エドゥアール・リュカの故郷『アミアン』

『アミアン(Amiens)』はフランスの北部、ノルマンディー地方に位置します。“北の小さなヴェネツィア”とも呼ばれ、街中を流れる“ソンム川”が生み出す美しい水の都の様相は、アミアンを支える人気の秘密のひとつでしょう。

代表的な“サン=ルー地区”では、かつて職人が暮らしていたカラフルな街並みが広がり、ゆったりとした時間の流れを楽しめます。“サン=モーリス地区”はアミアンの発展を支えてきた産業の中心地。現在では再開発がおこなわれ、住みやすい環境が整備されています。

中石器時代の遺構が発見されるなど、長い歴史の歩みが感じられるアミアン。882年にはヴァイキングに征服され、1435年にはブルゴーニュ公国に属しました。18世紀〜19世紀にかけては織物産業で発展を重ね、1848年には鉄道が開通し飛躍的な繁栄を謳歌してきたのです。

ピカルディー地方の中心地ともいえるアミアンには、さまざまな見所があります。ユネスコ世界遺産に認定されたアミアンのシンボル『ノートルダム大聖堂』や、“SFの父”と呼ばれる小説家『ジュール・ヴェルヌの家』、フランスの地方都市にある美術館としては屈指の規模を誇る『ピカルディー美術館』が代表的な見所でしょう。
アミアンに隣接するベルギーの郷土料理である『カルボナード』も必食です。アミアンの見所をご紹介しましょう。

アミアンのシンボル『ノートルダム大聖堂』


アミアン大聖堂”として親しまれているのが『ノートルダム大聖堂(Cathédrale Notre-Dame d’Amiens)』です。フランスで最大規模を誇るゴシック様式の教会で、“ゴシック建築の最高傑作”ともいわれています。1220年に建造が始まり、68年後の1288年に完成を迎えました。

正面のファサードに配されたバラ窓や、“石の百科事典”とも称されるほどの彫刻の数々は、まさにアミアンのシンボルといえるでしょう。威風堂々の姿は圧倒的な存在感です。

身廊の天井の高さはなんと42.3mにもなり、フランスでもっとも高いとされています。その高さには圧巻でしょう。下に目を向け、床に施された“ラビリンス”という装飾にも注目してみてください。

夜は柔らかなライトがあてられ、幻想的、かつ穏やかな表情を覗かせてくれます。また、日曜の朝にはパイプオルガンを使った演奏会もおこなわれているようですよ。アミアンのシンボル、ぜひ訪れてみてください。

“SFの父”と呼ばれた作家『ジュール・ヴェルヌの家』

『ジュール・ヴェルヌ』は“SFの父”として世界中で人気の作家です。代表作の“海底二万里”は東京ディズニーシーのアトラクションのモデルにもなっており、フランス語作家の中で最も多言語に翻訳された人物でもあります。

そんなジュール・ヴェルヌが晩年を過ごした『ジュール・ヴェルヌの家(Maison de Jules Verne)』は、アミアンのガイドブックでもしばしば紹介されている人気スポットです。

“塔のある家”とも呼ばれ、そのシンボルの塔の頂上には2005年に設置された“天球儀”のモニュメントがあります。施設を訪れる際には、この天球儀を目印にするのがよいでしょう。

1980年から資料館として公開されており、コレクションの総数はなんと30,000点以上にもなります。
豪華な内装や調度品はもちろん、入口の左側に描かれた壮大な“だまし絵”にも注目です。内部の写真撮影は禁止となっていますのでお気をつけください。

ジュール・ヴェルヌが実際に使用していたサロンや執筆のための部屋、寝室などを見学すれば、世界的な作家の当時の暮らしぶりを想像することができるでしょう。
中には“SFの父”らしい、船をイメージした部屋もあります。ジュール・ヴェルヌの名前はアミアンのそこかしこで目にすることができます。その熱狂の中心であるこの場所へ、ぜひ足を運んでみてください。

アミアンの芸術鑑賞はこの場所で『ピカルディー美術館』

『ピカルディー美術館(Musée de Picardie)』は、1802年に創設された美術館です。フランスの地方都市にある美術館としては最大規模のもので、館内には15世紀〜18世紀の絵画作品が充実しています。

“20世紀最後の巨匠”としてピカソに賞賛された『バルデュス』の作品は、特に注目でしょう。その流れるようなタッチの数々の基礎は、独学で学んだのだといいます。ほかにも『フランシス・ピカビア』の作品など、名作が溢れています。館内の装飾を手がけたのは、フランスを代表する19世紀の画家『ピエール・ピュヴィ・ド・シャヴァンヌ』です。象徴主義の技法を駆使して描かれた壁画は、見逃せないでしょう。

美術館の芸術的なライティングにも注目です。ピカルディー美術館では写真撮影もできますので、旅の思い出を彩るお気に入りの一枚をみつけてはいかがでしょうか。

アミアンの名物『カルボナード』

『カルボナード(Carbonnardes)』とは、アミアンの隣国であるベルギーの郷土料理です。ベルギーの名物“黒ビール”を使った煮込み料理で、アミアンでも黒ビールを使用した料理が多く存在します。カルボナードは甘みのあるコクの強い味が特徴で、牛肉のとろけるような食感はまさに幸せの味ですよ。アミアンのレストランで食べることができるので、ぜひ試してみてください。

世界遺産の街アミアンで充実の滞在を!

フランス出身の数学者エドゥアール・リュカの故郷、アミアンの魅力や見所を紹介してきました。
世界遺産のノートルダム大聖堂やジュール・ヴェルヌの軌跡を辿れる資料館、そして芸術鑑賞に最適なピカルディー美術館まで、それぞれの持つ深い魅力をぜひ堪能してみてください。

“北の小さなヴェネツィア”と呼ばれるほどの美しい街並みも、もちろん注目ですよ。
アミアンへのアクセスは、フランスの首都パリから電車の利用がおすすめです。所要時間はおよそ1時間30分。
インターネットから事前予約が可能です。もちろん、日帰りでの弾丸旅行も楽しめます。

そのほか、フランスの主要都市からのアクセスは充実していますので、あなたの旅程に合わせてアレンジしてみてください。魅力が詰まったアミアンで、充実の時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

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