ウィニペグ(カナダ):小説家ガブリエル・ロワが生まれた街

『ガブリエル・ロワ』はカナダ人の小説家として、最も大きな影響力を持っていたとされる人物である。1967年にはカナダ勲章の最高位である“カナダ騎士団名誉勲爵士”を受勲した。カナダ各地にその名前を冠した学校や図書館もいくつもあるという。そんなガブリエル・ロワが生まれた街が『ウィニペグ』である。カナダ東部と西部を結ぶ交易の要所として発展を遂げてきた街。ガブリエル・ロワとウィニペグの魅力を詳しく紹介していこう。

カナダの小説家『ガブリエル・ロワ』

『ガブリエル・ロワ(Gabrielle Roy)』は1909年生まれ、カナダのサン・ボニファス(現在の名称はウィニペグ)出身の人物です。1947年にフランスの文学賞“フェミナ賞”を受賞、この功績はカナダ人として初の快挙だったといいます。1967年に“カナダ騎士団名誉勲爵士”を受勲するなど、カナダの小説家として圧倒的な功績を残していきました。1983年に亡くなるまで、さまざまな作品を書き続けています。カナダで知らない人はいないでしょう。

教師として働きながらカナダ各地を転々としてきたというガブリエル・ロワは、ヨーロッパへ留学し、小説を書いていたといいます。留学後、カナダに戻ってからは写生などで生活費を稼いで暮らしていました。1945年に発表した第一作目の“かりそめの幸福”は、ケベックの人たちの意識に大きな変革をもたらしたといいます。文学賞受賞後も勢力的に執筆を続け、カナダの小説家で最も影響力のある人物と呼ばれるほどの地位を確立していったのです。

カナダ各地の学校や図書館には“ガブリエル・ロワ”の名前が冠されたものがいくつもあるそうです。また、カナダの20ドル紙幣には、彼女の書いた小説の一節が引用されています。国民的な支持を獲得した小説家ガブリエル・ロワ。その故郷が『ウィニペグ』です。

ガブリエル・ロワが生まれた街『ウィニペグ』

『ウィニペグ(Winnipeg)』はカナダのほぼ中心に位置するマニトバ州の州都です。カナダの東部と西部のちょうど中間に位置するウィニペグは、交通の要所として発展を遂げてきました。また農産物の生産、特に小麦の生産が盛んで、農産物流通の中心地としても注目を集めていきました。

街の周囲には平原が広がっており、カナダらしい豊かな自然が楽しめることもウィニペグの魅力でしょう。ゆったりとした時間を過ごすに最適の場所です。ウィニペグの起源は1738年に建造された交易所です。完成した交易所に徐々に民族が移住し、ウィニペグの原型になったといわれています。かつてはカナダの先住民“ファースト・ネーション”が暮らしていた場所が、1990年代の初頭には飛躍的な経済成長を遂げていきました。

現在のウィニペグには30を超える博物館や美術館があり、観光都市としての存在感も増してきているといいます。夏と冬の寒暖差は激しいですが、そこもまた魅力でしょう。

ウィニペグの観光名所には、70以上の国々の貨幣を製造している『ロイヤル・カナディアン・ミント』や、2014年に開館した世界でも珍しい“人権”を扱った『カナダ人権博物館』、リラックスタイムが過ごせるスパ施設『テルマエ』などがあります。また、世界一の“イヌイット・アート”を堪能できる『ウィニペグ美術館』も見逃せないでしょう。滞在中に『ティムホートンズ』のドーナツもぜひお試しください。ウィニペグの見所を紹介します。

貨幣の製造を担う『ロイヤル・カナディアン・ミント』

『ロイヤル・カナディアン・ミント(Royal Canadian Mint)』は1908年に設立された、カナダの貨幣製造工場です。カナダの首都“オタワ”とウィニペグにしかない、貴重な施設となります。オタワで記念コインなどを製造し、ウィニペグで市場に出回る貨幣を製造。カナダ国内だけでなく、世界の国々およそ70ヶ国の貨幣を製造しているそうです。正面には製造している国々の国旗が掲げられているので、ぜひ見てみてください。

特徴的な建物のデザインは、カナダの雄大な山脈をイメージしています。工場内に足を踏み入れれば、さまざまな“貨幣”にまつわるコレクションが出迎えてくれるでしょう。ギフトショップではここでしか買えない記念コインの販売や、貨幣の形をした顔はめパネルが置いてあり、自由に写真を撮ることができます。また、メインとなる工場見学は無料で参加可能です。解説は英語ですが、これまで知らなかった貨幣の新しい事実を知ることができるでしょう。

見学の最後には、かなりの重量の“金の延べ棒”に触ることもできるのだとか。貨幣にまつわる製造工程や歴史を学び、さまざまな角度から新鮮な体験をしてみてはいかがでしょうか。

世界でも珍しい“人権”のための博物館『カナダ人権博物館』

『カナダ人権博物館(Canadian Museum for Human Rights)』は、2014年に開館した新しい観光スポットです。7階建ての建物内は11のフロアがあり、世界中の歴史を“人権”の観点から詳細に解説・展示しています。年代別になっているので、頭の中を整理しながら鑑賞できるでしょう。100を超える人権の記述を眺めることで、新しい観念や事実に出会うことができるかもしれません。それぞれのフロアは、総長800mの回廊で繋がっています。

カナダ人権博物館の方針は“答えの提示”ではありません。意見や主張の押し付けをおこなうのではなく、あくまで見学する人たちと“考えること”を前提に設計されているのだそうです。見学を進めるうちに、あなた独自の意見や主張も生まれてくるでしょう。ぜひ、その観念とじっくり向き合ってみてください。鑑賞の最後には建物中央にある“希望の塔”に辿りつきます。希望の塔は展望台になっており、ウィニペグの素晴らしい街並みが一望できます。

ウィニペグで最高のリラックスタイムを『テルマエ』

『テルマエ(Thermea by Nordik Spa-Nature)』は2015年にオープンした、広大なスパ施設です。スパの先進国である北欧の技術を活用した、究極のリラクゼーションタイムを体験してみるのはいかがでしょうか。大自然の中で浸かる温泉や、フィンランド式をはじめとする4種類のサウナなど、バリエーション豊かな方法で極上の時間を過ごせるでしょう。館内はレストランやマッサージなど施設が充実しています。一日かけて楽しんでみるのもよいのではないでしょうか。

イヌイット・アートは世界一『ウィニペグ美術館』

ウィニペグは“芸術の街”と呼ばれるほど、カナダのアートシーンを代表する街です。『ウィニペグ美術館(Winnipeg Art Gallery)』はカナダ西部で最古の美術館で、“WAG”とも称されています。1912年に開館を迎え、およそ100年以上の間ウィニペグの芸術シーンを牽引していきました。

コレクションの総数はおよそ24,000点以上にもなり、圧巻の展示品の数々にため息がでるでしょう。中でもカナディアン・アートの充実度に目を見張るはずです。また、カナダの極北地域に暮らすイヌイットが生みだした、“イヌイット・アート”のコレクションは世界一の規模を誇るようです。

石の彫刻や版画、絵画やタペストリーなど、幅広い作品の数々は必見でしょう。また、16世紀のフランドルの作品から近代的な芸術作品まで、世界の芸術作品もしっかりと展示されています。季節ごとに異なる特設展もおもしろく、豊かな時間を過ごせるはずです。ウィニペグの芸術鑑賞はぜひこの場所でどうぞ。

ウィニペグにきたら『ティムホートンズ』で休憩タイム

『ティムホートンズ(Tim Hortons)』は、ウィニペグはもちろんカナダ各地で爆発的な人気を誇るドーナツとコーヒーのお店です。そのシェアは圧倒的で、スターバックス以上に浸透しています。“カナディアン・メイプル”や“メイプル・ディップ”など、常時20種類以上になるドーナツと、オリジナルのブレンド・コーヒーの相性はバツグンです。散策中の休憩はもちろん、手軽なブレック・ファーストにもおすすめですよ。

カナダの交通の要所、ウィニペグで充実の時間を!

カナダを代表する小説家ガブリエル・ロワが生まれた街、ウィニペグの魅力や見所を紹介していきました。カナダのほぼ中央に位置するウィニペグは自然が豊富な街、もちろん周辺の街からのアクセスもバツグンに良いです。カナダを周遊する際も、ぜひ訪れてみてくださいね。今回ご紹介したロイヤル・カナディアン・ミントやカナダ人権博物館以外にも、さまざまな施設があります。芸術鑑賞で贅沢な一日を過ごすのもおすすめの方法ですよ。

そんなウィニペグの玄関口は『ウィニペグ国際空港(Winnipeg International Airport)』です。また、街中には“ウィニペグ・トランジット(Winnipeg Transit)”というバスが走っているので、うまく利用すれば効率的に、かつお安くウィニペグの各所を巡れるでしょう。カナダで人気の街ウィニペグ。次回の旅ではぜひウィニペグを訪れてみてくださいね。

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