オウル(フィンランド):フィンランドの画家、アメリー・ルンダールが生まれた街

『アメリー・ルンダール』は、フィンランド出身の画家です。美術学校で学んだ後、フランス滞在中に多くの名作を生み出しました。そんな彼女の故郷は、フィンランド中西部に位置し、“北欧のシリコンバレー”と呼ばれる街『オウル』です。画家アメリー・ルンダールと、彼女の故郷・オウルの魅力をご紹介しましょう。

Public Domain / ‘Helga Amelie Lundahlin the early 1870s’ byCarl Adolph Hardh. Image via WIKIMEDIA COMMONS

フィンランドの画家『アメリー・ルンダール』

『アメリー・ルンダール(Helga Amélie Lundahl)』は、1850年にフィンランドのオウルで生まれた画家です。

Public Domain / ‘A Girl from Brittany’ byHelga Amelie Lundahl. Image via WIKIMEDIA COMMONS


ブルターニュの少女(1880年)”や、“タンバリンの踊り子(1888年)”など、写実的でありながら何処か神秘的な魅力のある描写は、アメリー・ルンダールの特徴と言えるでしょう。

オウルやフランスのブルターニュなど、自然豊かな環境で絵画の研鑽を積み、独自の作風を生み出していきました。アメリー・ルンダールは、フィンランド美術学校へ入学し、2年の歳月を過ごしました。卒業後は、スウェーデン王立美術院へ入学し、更に学びを深めています。その後、フィンランド美術学校で助手として働きながら、絵画の修行を続けました。

1877年にはフランスへ留学し、ブルターニュなどフランス各地で研鑽を積みます。その滞在期間は、12年もの長きに渡っている事から、フィンランドとフランスでの絵画修行に没頭していた事が伺えます。そんなアメリー・ルンダールの故郷、フィンランド中西部に位置する街『オウル』の魅力をご紹介していきます。

アメリー・ルンダールの生まれた街『オウル』

『オウル(Oulu)』は、フィンランドの中西部に位置する、北ポフヤンマー県の県庁所在地です。オウル州があった時代には、州都の役割を担っていました。フィンランド北部の中核的な街と言われており、ハイテク産業が発展している事から“北欧のシリコンバレー”と呼ばれています。ボスニア湾に面しており、海と自然の共生を見る事が出来るのも特徴でしょう。

オウルの歴史は、1605年にカール9世が街を建造した事から始まりました。オウルは上記のような特徴の他に、音楽が盛んな事でも有名です。3月には“オウル・ミュージック・フェスティバル”が開催され、世界各国のアーティストやファンが訪れます。また、8月に開催される“エア・ギター世界選手権”は、世界トップレベルのエア・ギターのパフォーマンスを見る事が出来るので、イベントの開催時期を狙って旅の計画を立ててみるのも良いかもしれません。とはいえ、イベント開催時期は大変混雑するので、早めの準備をおすすめします。

『Oulu -Kaupunkielämää』

オウルの見所は、1590年に建造された『オウル城』、フィンランドの国教である『オウル大聖堂』、オウル最大規模の美術館『オウル美術館』などが筆頭です。また、オウル最大の屋内マーケット『オウル市場』の前に建つ『警察官像』は、オウルのシンボルとして注目を集めています。もちろん、市場自体も楽しめる所が多数あるので、ぜひ訪れてみてください。また、“タール”を使ったウォッカもオウルの名物として有名です。

オウルの様々な見所をご紹介していきましょう。

華やかなピンクのお城『オウル城』

『オウル城(Oulun linna)』は、(当時フィンランドを統治していた)スウェーデンが1590年に防衛拠点として建造しました。パステルピンクの華やかな外観は、街の一角に鮮やかな雰囲気を添えています。

そんなオウル城ですが、18世紀に火薬庫の爆発によって崩壊してしまい、1875年に再建されました。現在、内部にはオウル城の資料が展示されていますが、夏にはカフェとしても営業しています。お城と言うにはコンパクトですが、華やかな外観は一見の価値があります。

フィンランドの国教『オウル大聖堂』

『オウル大聖堂(Oulun Tuomiokirkko)』は、ネオ・クラシカル様式を採用したフィンランドの国教です。1777年に建造された大聖堂は、1845年に改修され、現在の姿に落ち着きました。優しげなクリーム色の外壁と、黒色の屋根がモダンな印象を与え、ドーム天井の緑色が更なるアクセントを加えています。

堂内は白と青を基調とし、主祭壇まで伸びた赤色の絨毯など、シンプルながら豪華な印象を受けます。壁の各所に施されているステンドグラスやシャンデリア、天井から吊るされた船の模型など、独特な装飾も多数あります。

また、入口の上部には、巨大で立派なパイプオルガンが設置されており、耳だけではなく、目でも楽しむ事が出来るでしょう。

堂内では、時々コンサートも開催されているようです。また、日曜日には礼拝が行われており、観光客でも参加する事が出来ます。オウル大聖堂の周辺は、自然が豊かなので、散策がてらに訪れてみてはいかがでしょうか。

オウルで最大の美術館『オウル美術館』

『オウル美術館(Oulun Taidemuseo)』は、“フピサーレ(Hupisaaret)”と呼ばれる広大な公園にある美術館です。(省略して“OMA”とも呼ばれています)美術館を訪れる前に、まずはフピサーレでの散策をおすすめします。夏は緑豊かで空気が澄んでおり、冬はしんしんと雪が積もった幻想的な雰囲気を楽しむ事が出来ます。

また、公園内をじっくりと散策しながら、ランドマークである白い橋も探してみてください。フピサーレでの散策を楽しんだ後は、美術館に併設されているカフェがおすすめです。自然を鑑賞しながら、ゆっくりとひと休みをしましょう。

『Hupisaaret ympäri vuoden』

美術館内には、北欧の芸術コレクションが充実しています。特にオウルや北オストロボニアなど、フィンランド北部の広大な地域の作品が多いようです。また、美術館を訪れた記念にギフトショップ“アイノア”でお土産を探してみてはいかがでしょうか。

『Museo-ja tiedekesku Luuppi』

オウルのシンボル『警察官像』と『オウル市場』

オウルの目抜き通り“カウプリエンカトゥ通り(Kauppurienkatu)”の入口に立っているのが“トリポリッシ(Toripolliisi)”の名で愛されている『警察官像』です。ぼってりとした体型とマジメな表情、少し見上げるぐらいの大きな像は、オウルのシンボル的キャラクターになっています。

周辺にはカフェやレストランもあるので、テラス席から遠目に眺めてみるのも面白いでしょう。ただの像と侮るなかれ、眺めている間にも引っ切り無しに大勢の人たちが写真撮影を行なうほどの人気ぶりです。

ちなみに、オウルの市庁舎の前にも様々な銅像が設置されています。こちらは、オウルの歴史上の出来事を再現しているそうです。

そんな警察官像の横にある『オウル市場(Oulunkauppahalli)』は、オウル最大のマーケットです。食材を扱うお店の他、カフェや雑貨店も入っています。建物はオレンジ色のレンガ造りで、写真映えも抜群でしょう。

オウルの名物『タール・ウォッカ』

“タール”とは、樹木の香りを凝縮した黒い油分の事です。19世紀のオウルは、このタールの輸出によって大きな発展を遂げました。そんなタールを使ったウォッカのブランドが『Terva(テルヴァ)』です。独特な深い味わいと香りは、オウルを訪れたらぜひ体感してみてください。

また、レストランでは“トナカイ”を使った料理がおすすめです。ソテーから燻製まで、様々な調理方法を楽しむ事が出来るので、タール・ウォッカと一緒に味わってみてはいかがでしょうか。

自然豊かなフィンランドの街、オウルで豊かな時間を!

フィンランドの画家、アメリー・ルンダールの故郷、オウルの様々な魅力や見所を紹介してきました。可愛らしい街並みや、ボスニア湾を始めとした豊かな自然を要している事は、大きな特徴でしょう。普段は静かな雰囲気ですが、特に音楽イベントなどの時期には、世界中から多くの人たちが訪れます。ゆったりと観光を楽しむのか、熱狂の渦に飛び込んでみるのか、オウルは訪れる時期をアレンジする事で、表情が一変する魅力的な街です。

そんなオウルの玄関口は、フィンランドで2番目の規模を誇る『オウル空港(Oulun lentoasema)』です。また、フィンランドの首都“ヘルシンキ”からのアクセスは、電車で約6時間、バスでは約9時間〜11時間かかります。飛行機を利用すれば僅か1時間のアクセスなので、自分に合った方法を選んでみてください。“北欧のシリコンバレー”とも呼ばれる注目の街オウル、次回の目的地はオウルに定めてみてはいかがでしょうか。

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