アスティ(イタリア):イタリアの劇作家ヴィットーリオ・アルフィエーリの生誕地

イタリアの劇作家『ヴィットーリオ・アルフィエーリ』は、独立を愛し、強い信念を持った人物です。政治色の濃い彼の作品は、読者の心に強い印象を残してきました。また、貴族の家系に生まれ、生涯お金に困らなかった事も有名でしょう。そんな彼の出身地は、屈指の美味しいワインが楽しめる街、イタリアの『アスティ』です。ヴィットーリオ・アルフィエーリとアスティの魅力を紹介していきましょう。

■イタリアの劇作家『ヴィットーリオ・アルフィエーリ』

『ヴィットーリオ・アルフィエーリ(Vittorio Alfieri)』は、1749年にイタリアのアスティで生まれます。貴族の家系で育ち、生涯お金に困る事はなかったと言われていますが、その作品には“強い個性”と“信念”が息づいていました。独立を愛し、ヨーロッパ各地を転々としていた時期もあるのだとか。劇作家としての名声の裏には、ヴィットーリオ・アルフィエーリの人生観や信念が根付いています。

“イタリアの暗い情熱を示した天才”と言われるヴィットーリオ・アルフィエーリは、1774年に処女作を発表しました。処女作『クレオパトラ』には、激しい自尊心の昂りが込められていたそうです。その後、フランスのパリを拠点にするも、1792年にはイタリアへ戻ってきました。晩年は、古典の研究や翻訳に時間を費やしています。
大きな信念を抱き、偉大なる作品を残してきた劇作家、ヴィットーリオ・アルフィエーリ。そんな彼の故郷がイタリア・ピエモンテ州に属する街、『アスティ』です。

■ヴィットーリオ・アルフィエーリの生誕地『アスティ』

『アスティ(Asti)』は、イタリア北西部・ピエモンテ州に属する街です。“丘”を意味している街の名前の通り、穏やかな丘陵地帯にあります。アスティの名前を世界的にしたのは、街の名前を冠したワイン「アスティ」でしょう。モスカート種のブドウから生まれる甘口の発泡性ワインは、「アスティ・スプマンテ」として世界中に愛されてきました。
美食溢れるピエモンテ州の中で、アスティの持つ個性はとりわけ強い輝きを放っています。


ピエモンテのハート”と呼ばれるアスティは、ローマ時代以前からすでに人類が居住していたようです。また、12世紀には商業の交通拠点として大きな発展を遂げてきました。時代によっては、ピエモンテの州都・トリノよりも繁栄していたと言われています。100を超える塔が存在するアスティは、“百塔の街”として市民に親しまれ、さらに、石畳が広がる街並みも大変魅力的です。美食を楽しみながら、歴史情緒溢れる街並みを探索してみてはいかがでしょうか。

アスティの見所は“ドゥオーモ”と呼ばれる『アスティ大聖堂』やアスティの聖人を祀った『サン・セコンド教会』です。また、アスティのシンボルとも言われる『コメンティーナの塔』も見逃せません。アスティを訪れた際には、特産のワインもぜひ試してみてください。甘く広がる風味と繊細な泡の食感は、生産地だからこそ味わえる体験です。
それでは、アスティの見所を紹介していきましょう。

■3つのバラ窓が美しい『アスティ大聖堂』

『サンタ・マリア・アッスンタ大聖堂(Cattedrale di Santa Maria Assunt e San Gottardo)』は、「アスティ大聖堂」として親しまれている教会です。赤レンガを多用した特徴的な外観と、3つのバラ窓からは、華やかな雰囲気が生み出されています。アスティ大聖堂は、ピエモンテ州最大の教会の一つで、かつての権力を象徴する建物です。堂々とそびえるその姿からは、畏敬の念すら感じるでしょう。

アスティ大聖堂の内部は、壁や天井を埋めつくすほどのフレスコ画で彩られています。柱の一つ一つまで丁寧に描かれた魂の芸術は、あなたの心を奪うでしょう。まるで異世界にいるような空間は、幻想的で大変美しいものです。太陽の光によって輝くステンドグラスにも、注目してみてください。その他にも、キリストの亡骸を抱える聖母マリア像など、見所は豊富にあります。アスティの信仰の中心地、アスティ大聖堂で神聖な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

■アスティの聖人を祀った『サン・セコンド教会』

『サン・セコンド教会(Collegiata San Secondo)』は、アスティの聖人である『サン・セコンド』を祀った教会で、同名の広場“サン・セコンド広場”に面して建てられています。すでに9世紀の文献には、その存在が示唆されていました。ロマネスク・ゴシック様式を採用した優雅な外観が特徴で、赤レンガの生み出す荘厳な雰囲気が建物と見事に調和しています。地下聖堂もあり、見た目以上に広がりを感じる内部も注目すべきでしょう。時折行われるパイプオルガンの演奏も見逃せません。

■アスティのシンボル『コメンティーナの塔』

『コメンティーナの塔(Torre Comentina)』は、13世紀に建造されたアスティのシンボルで、アスティ大聖堂やサン・セコンド教会と同様、赤レンガを使った外観が特徴です。コメンティーナの塔は、アスティのシンボルとして多くの人々に愛されています。(塔の高さは38.55メートル)まるでお城の見張り台のような外観からは、どこか愛らしさを感じるでしょう。もちろん写真映えも抜群です。

コメンティーナの塔の正面、ローマ広場にある『イタリア統一のモニュメント(Monumento all’Unità d’Italia)』は、尖塔形のモニュメント“オベリスク”のような外観をしています。また、一緒に設置されている精巧な彫刻にも注目してみてください。

■アスティの名物『アスティ・スプマンテ』

アスティは、星の数ほどあるイタリアのワイン生産地の中でも、とりわけ有名な場所です。『アスティ・スプマンテ(Asti spumante)』は、モスカート種のブドウを主に使った発泡性のワインで、黄金色の液体と繊細な泡が特徴。品種や生産地など、厳しい基準をクリアしたものだけが名乗れる称号です。

口に含んだ瞬間に弾けるような泡の食感と、モスカート種の持つ甘み・キレのある後味は、他のワインでは味わえません。生産地ならではの贅沢な体験と言えるでしょう。

また、『モスカート・ダスティ(Moscato d’Asti)』と呼ばれる微発泡性のワインもおすすめです。モスカートの甘みをより引き出した味わいは、女性からの人気も高く、優雅な味わいを楽しむならワイン単体が良いでしょう。

アスティのワインに合わせたいのは、ピエモンテ特産のピーマンにツナやケッパーを詰めて焼き上げた『ペペローネ・リピエーノ(Peperone Ripieno)』と呼ばれる料理です。毎日の食事を楽しむためにアスティへ訪れるのも良いかもしれません。

※アルフィエーリ広場に設置されている、ヴィットーリオ・アルフィエーリ像

■ピエモンテのハート、アスティで優雅な時間を

イタリアの劇作家ヴィットーリオ・アルフィエーリが生まれた街、ピエモンテ州・アスティの魅力や見所を紹介してきました。街中に設置されたヴィットーリオ・アルフィエーリの彫像や、名前が冠された“アルフィエーリ広場”にも、ぜひ足を運んでみてください。広場では定期的に青空市場が開催され、アスティの活気を体感する事が出来ます。散策の合間に、ぜひ覗いてみてはいかがでしょうか。

アスティへの一般的なアクセスは、ピエモンテの州都・トリノから電車(所要時間およそ40分)を利用します。アスティを観光した後は、ピエモンテの美食巡りも良いでしょう。主要なワイン生産地は、『ピエモンテのブドウ畑の景観: ランゲ=ロエーロとモンフェッラート』の名称で、ユネスコ世界遺産に認定されています。

食とワインを楽しむためのグルメツアーを企画するのも、面白いかもしれません。ピエモンテのハート・アスティへぜひ訪れてみてください。

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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