クレルモン=フェラン(フランス):19世紀の音楽家、アントワーヌ・マルモンテルの出身地

19世紀の音楽家『アントワーヌ・マルモンテル』は、教育者としてバツグンの才能を発揮した人物です。彼の教え子には世界的な知名度を誇る才能豊かな音楽家が多数います。自身の音楽活動のみならず、後世の音楽家に及ぼした影響の大きさは計り知れません。そんなアントワーヌ・マルモンテルの出身地が、フランスの町『クレルモン=フェラン』です。アントワーヌ・マルモンテルとその出身地クレルモン=フェランの魅力をご紹介します。

19世紀の音楽家『アントワーヌ・マルモンテル』

(Public Domain /‘Antoine-François Marmontel’by etching. UNKNOWN artist.Image viaWIKIMEDIA COMMONS)

『アントワーヌ=フランソワ・マルモンテル(Antoine François Marmontel)』は1816年生まれ、フランスのクレルモン=フェラン出身の音楽家です。自身の音楽活動のほか、後進の育成に情熱を傾けていました。教え子には『ジョルジュ・ビゼー』や『クロード・ドビュッシー』など、世界的な人気を誇る音楽家が多数います。彼の演奏技術はもちろん天才のものですが、教育に関する才能も屈指のものでしょう。

アントワーヌ・マルモンテルは、1827年にパリ音楽院に入学してピアノや作曲を学び、その技術をグングンと吸収していきました。1837年、彼が21歳のころから同じくパリ音楽院で教育者として在籍し、教授のレッスン代行などもおこなっています。1848年に教授職に就任し、後進の育成にさらなる情熱を傾けていきました。同時に著作もいくつか残しており、19世紀の音楽界を研究するための貴重な文献として、現在も重宝されています。音楽界で厚い尊敬を集める人物といって差し支えないものです。

確かな技術と情熱を兼ね備えていたアントワーヌ・マルモンテルの功績は、これからも語り継がれていくことでしょう。そんな偉大な人物を生んだ町、『クレルモン=フェラン』の魅力を紹介します。

アントワーヌ・マルモンテルの出身地『クレルモン=フェラン』

『クレルモン=フェラン(Clermont-Ferrand)』は、フランスの中央部に位置するピュイ=ド=ドーム県にある町です。かつてあったクレルモン市とモンフェラン市というふたつの町が合併して誕生しました。クレルモンは手工業が盛んな地として繁栄していたそうです。スペインへの巡礼路としても有名で、宿場町として多くの人が利用していました。周辺にたくさんの火山がたたずむ雄大な景観は、クレルモン=フェランの特色でしょう。自然豊かで歴史を感じる街並みと温暖な気候は、多くの人々を魅了しています。

クレルモン=フェランの見所は、黒く輝く大聖堂『ノートルダム・ド・ラサンプシオン大聖堂』が筆頭です。また、『ロジェ・キリ美術館』では中世〜現代の芸術に浸る時間を、『ラバンチュール・ミシュラン』では世界的に有名なタイヤメーカーの歴史を、それぞれ満喫できるでしょう。雄大な火山『ピュイ・ド・ドーム』で絶景を眺めるのもおすすめです。クレルモン=フェランの見所を詳しくご紹介します。

黒く輝くランドマーク『ノートルダム・ド・ラサンプシオン大聖堂』

『ノートルダム・ド・ラサンプシオン大聖堂(Cathédrale Notre-Dame-de-l’Assomption)』は、“被昇天聖母大聖堂”と呼ばれるクレルモン=フェランのランドマークです。13世紀から14世紀にかけて建造されました。2本の鋭い尖塔が象徴する通り、建物はゴシック様式を採用していて、素材は周辺の火山から採れた石を使用しているため、ほかにない独特の黒い外観が特徴といえます。

堂々とした重厚なたたずまいに目を奪われがちですが、実は細部に渡るまで繊細な細工が施されています。いくつもの円を描いた正面のバラ窓や彫刻まで、じっくり鑑賞してみてくださいね。大聖堂内部を眺めてみれば、幻想的な光が射し込むステンドグラスが目に飛び込んでくるでしょう。たくさんの絵画やパイプイオルガンが織り成す内部の光景は、息を飲むほど美しいです。尖塔は頂上まで登ることができ、クレルモン=フェランの街並みが一望できますよ。ぜひ挑戦してみてください。

中世〜現代までの芸術作品を堪能するなら『ロジェ・キリオ美術館』

『ロジェ・キリオ美術館(Musee d’Art Roger Quilliot)』は、白くシンプルな外観が特徴の施設です。20世紀に現在の建物に改装されました。中世〜現代の作品を展示しており、芸術鑑賞のひとときを堪能できますよ。ガイドツアーも催行されているので、参加してみるのもおすすめです。

19世紀を代表するロマン主義の画家『ドラクロワ』や、“孤高の画家”とも呼ばれるフォーヴィスムの画家『ジョルジュ・ルオー』など、珠玉の名作をじっくりと堪能できるでしょう。クレルモン=フェランで芸術鑑賞なら、この場所で決まりです。あなた好みの絵画を見つけてみてくださいね。

世界に名だたるタイヤメーカーの歴史がまるわかり!『ラバンチュール・ミシュラン』

『ミシュラン』は世界的な知名度を誇るタイヤメーカーです。タイヤに関するビジネス展開のほか、世界のグルメ情報を掲載した“ミシュランガイド”もとても有名ですよね。クレルモン=フェランは、そんなミシュランの本社があることで有名な街です。『ラバンチュール・ミシュラン(L’Aventure Michelin)』は、ミシュランの歴史やタイヤの歴史を詳しく網羅した施設です。馬車のタイヤから車のタイヤ、バイクのタイヤまで、幅広いミシュランの歴史が学べますよ。

入口へ入るとすぐ、ミシュランのキャラクターである『ビバンダム』がお出迎えしてくれます。“ミシュランマン”とも呼ばれるビバンダムの像と、記念写真を撮ることもできます。もちろん館内にはビバンダムに関する歴史や展示も充実していて、1889年に創設されたミシュランの歴史を、隅々まで知ることができますよ。館内にはギフトショップもあり、ここでしか買えないオリジナルグッズも充実しています。

クレルモン=フェランの火山群の最高峰『ピュイ・ド・ドーム』

『ピュイ・ド・ドーム(Puy de Dôme)』は標高1,465mを誇る、クレルモン=フェラン周辺の火山群の最高峰です。市街地からおよそ9kmの地点にあり、街からはバスと登山列車を乗り継いでアクセスできます。およそ1時間かかる小旅行を通して、クレルモン=フェランの自然を堪能できるでしょう。

ピュイ・ド・ドームの頂上付近はたくさんの羊が放牧されており、牧歌的な風景が広がっています。頂上からは周辺の火山地帯が一望できるほか、クレルモン=フェランの街並みを眺められますよ。雄大な大自然の一部になったような体験を、ピュイ・ド・ドームで楽しんでみてはいかがでしょうか?

クレルモン=フェランの名物『ポテ』

『ポテ(Potée)』はポトフのような素朴な煮込み料理です。豚肉と野菜をじっくりと煮込んだ優しい味わいが特徴です。特に芯までほぐれたキャベツの甘みと旨味は特筆ものです。具材はもちろん、豚肉と野菜の旨味が溶け出したスープは絶品ですよ。ぜひ最後の一滴まで飲んでみてください。口中に広がる優しい味わいは、まさに故郷の味です。

※画像はイメージです

ポテに合わせるのはオーヴェルニュ地方の特産ワイン『コート・ドーヴェルニュ』がおすすめです。かの有名なヴォルヴィックを生み出すオーヴェルニュの土壌から生まれるワイン、これがおいしくない訳がありませんよね。素朴な味わいのポテとの相性は、間違いなく最高です。ポテとコート・ドーヴェルニュで、至福の時間を楽しんでくださいね。

フランス中央部の美しい街、クレルモン=フェランの魅力を堪能

19世紀の音楽家アントワーヌ・マルモンテルの故郷、クレルモン=フェランの魅力や見所を紹介してきました。火山石を使った独特の黒い街並みや、雄大な大自然は多くの観光客を魅了しています。また、世界遺産“サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路”の一部として認定された『ノートルダム=デュ=ポール大聖堂(Basilique Notre-Dame-du-Port)』も、ぜひ訪れてみてください。12世紀に建造されたロマネスク様式の建物で、地下にある“黒い聖母像”が有名ですよ。

見所が豊富なクレルモン=フェラン、その玄関口は『クレルモンフェラン・オーヴェルニュ空港(Aéroport de Clermont-Ferrand Auvergne)』です。市街地までのアクセスはバスか電車、もしくはタクシーを利用してくださいね。また、フランスの首都であるパリからは電車でおよそ3時間30分、リヨンからはおよそ2時間30分でアクセスできます。日帰りで訪れるよりは一泊してゆったりと散策するのがおすすめですよ。魅力豊かな町クレルモン=フェランをぜひ訪れてみてください。

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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