コルカタ(インド):イギリスの写真家ジュリア・マーガレット・キャメロンの生まれた街

当時の先進的な技術を駆使し、さまざまな写真を生みだしてきたのが『ジュリア・マーガレット・キャメロン』である。48歳という決して早くはない年齢から写真家としてのキャリアを築きあげ、大きな影響を後世に与えた人物だ。油彩画のように美しい写真の数々は、見る者の心を一瞬でトリコにする魅力を備えている。そんなジュリア・マーガレット・キャメロンの生まれた街が、インドの『コルカタ』である。稀代の写真家とその故郷の魅力を紹介していこう。

イギリスの写真家『ジュリア・マーガレット・キャメロン』

『ジュリア・マーガレット・キャメロン(Julia Margaret Cameron)』は1815年生まれ、インドのコルカタ出身の写真家です。1863年、48歳のときに娘からカメラをもらったことをキッカケに、写真家としてのキャリアを歩み始めました。この年齢でのキャリアのスタートは、決して早いものではないでしょう。しかし、ジュリア・マーガレット・キャメロンの突出した才能はすぐに芽を出し、傑出した写真家の一人として、語り継がれるまでの存在になりました。

美人が多い家系に生まれたジュリア・マーガレット・キャメロン。姉妹のそれぞれに異なるニックネームが付けられており、彼女には“Talent(才能)”という愛称が付けられました。この独特の習慣も、彼女が持つ美意識の特異性の一端になったのでしょう。結婚後はイギリスに移住し、ワイト島を拠点に暮らしを営んでいきました。写真家として活動を始めてからは、ピントずれによるボケをあえてそのままにするなど、先進技術を活用し地位を確立していきました。

(Public Domain/‘I Wait’ by JuliaMargaret Cameron. Image viaWIKIMEDIA COMMONS)

ときに長時間に及ぶ撮影は、モデルとなった人たちを辟易させたといいます。しかし、ジュリア・マーガレット・キャメロンの残した作品の数々を目にすれば、苦労の末の究極的な芸術を目の当たりにすることができるでしょう。モデルの中には、歴史的な著名人の名前もたくさん残されています。まるで油彩画のような“写真イラスト”も、彼女の代表的な技法でしょう。撮影した写真を著作権事務所に登録するなど、商才にも長けた人物であったといわれていますよ。

およそ12年間という短期のキャリアの中で、圧倒的な爪痕を残した写真家ジュリア・マーガレット・キャメロン。そんな彼女の故郷が、インドの北東部に位置する街『コルカタ』です。

ジュリア・マーガレット・キャメロンが生まれた街『コルカタ』

『コルカタ(Kolkata)』は、インド東部に位置する西ベンガル州の州都です。インド国内で第3の規模を持つ街で、人口密度でいえば首都であるデリーよりも多いのだとか。コルカタの歴史は、1690年に商館が築かれたことから始まります。1857年には鉄道が開通し発展を重ねていきました。1947年のインド独立後は西ベンガル州の州都として、インド文化を牽引しています。

コルカタは、イギリス領インド帝国時代に首都の役割を担っていた街でもあります。繊維業や金属業などの産業分野においては、インド全土を牽引する存在でもありました。そのためコルカタの街中には、イギリス統治時代を彷彿とさせる建物も多く残されています。“喜びの街”とも呼ばれるコルカタは、観光資源に溢れているのです。『ダクシネーシュワル・カーリー寺院』や『ヴィクトリア記念堂』などの見所は必見でしょう。コルカタの見所を紹介します。

女神カーリーを祀った『ダクシネーシュワル・カーリー寺院』

『ダクシネーシュワル・カーリー寺院(Dakshineswar Kali Temple)』は、戦いの女神と呼ばれるヒンドゥー教の女神“カーリー”を祀った寺院です。1855年、インドの慈善事業家『ラーニー・ラーシュマニー』によって建造されました。連日のように行列ができるほど、カルカタの人たちの暮らしに浸透しています。寺院の中では、熱心に祈りを捧げる人たちの姿を垣間見ることができるでしょう。寺院には沐浴用の階段もあり、カルカタの日常に触れることができます。

2個にもなるシヴァの祠の中には、さまざまな解釈が得られるシヴァ像が祀られています。その中心、中庭に立っているのがカーリー寺院です。9本の塔がシンボルの建物で、中には玄武石で造られたカーリーの女神像が設置されていますよ。およそ1,000枚の銀製の花びらが圧巻の、ハスの花の土台も注目でしょう。フーグリー川のほとりにあるダクシネーシュワル・カーリー寺院は、コルカタの信仰の中心地です。コルカタを訪れたら、ぜひ足を運んでみてください。

タージ・マハルをモデルに建造された『ヴィクトリア記念堂』

『ヴィクトリア記念堂(Victoria Memorial)』は、イギリス統治時代に建造されたインド・サラセン様式の建物です。1921年に完成しました。ヴィクトリア記念堂は、インド北部のアーグラにある世界遺産“タージ・マハル”をモデルに設計されたといわれています。大理石を素材に使用した白亜の外観と圧倒的な存在感は、たしかにタージ・マハルを彷彿とさせるでしょう。建物の名称は、インド皇帝を兼任していたイギリスのヴィクトリア女王の名前が冠されています。

ヴィクトリア記念堂の内部は、現在博物館として一般公開されています。イギリス統治時代に収集されたインドの芸術作品のコレクションをはじめ、統治時代の資料なども充実しています。また、コルカタの歴史に関する展示ブースもあるので、観光前にチェックしてみるのをおすすめしますよ!夜はライトアップもされ、幻想的な雰囲気を演出してくれます。周辺には緑が豊富に茂っており、ひと休みにも最適です。ゆっくり鑑賞してみてはいかがでしょうか?

インド最古の大聖堂『セント・ポール大聖堂』

『セント・ポール大聖堂(St. Paul’s Cathedral)』はヴィクトリア記念堂のすぐそばにあるイギリス国教会の教会です。インドで最古の大聖堂であり、1847年に建造されました。荘厳なゴシック様式の教会は、コルカタの一角にヨーロッパの雰囲気を与えていますよ。ランドマークは高さ60mの四角い塔です。白一色に統一された外観からは、落ち着いた印象を受けるでしょう。聖パウロを描いたステンドグラスなど見所もたくさんあります。優雅な時間を過ごせますよ。

コルカタの希望の象徴『マザーハウス』

『マザーハウス(Mother House)』は、ノーベル平和賞も受賞した聖人『マザー・テレサ』が拠点にしていた場所です。マザー・テレサが眠る棺や、彼女が実際に使用していた部屋などを見学することができますよ。膨大な写真や展示、資料を目にすることで、その活動の本質を知ることができるでしょう。コルカタを訪れたら、絶対に足を運びたい場所の代表といえます。

マザーハウスでは、事前予約をすればボランティア活動に参加することができます。世界各国から毎日のようにたくさんの人たちがマザーハウスを訪れ、ボランティアに参加しているのだとか。いくつかある施設のいずれかに出向き、炊事や洗濯などをおこないます。作業中や休憩中には、ほかの国の参加者との交流も盛んにあるようですよ。マザー・テレサの偉大さと命の尊さに直面する、貴重な機会となるはずです。滞在中の一日は、ぜひ参加してみてください。

コルカタの名物『チングリ・マライ』

『チングリ・マライ』はエビをふんだんに使った、ベンガル風のカレーです。スパイスの芳醇な香りとエビの凝縮した旨味、たっぷりと入ったココナツミルクの独特の甘さは、初めての人でも瞬く間にクセになってしまう味わいですよ!ご飯と一緒に頬張れば、まさに至福の味わいが口の中を満たしてくれます。クリーミーな旨味と甘みの共演を、ぜひコルカタで堪能してみてください。辛みも強くはないので、辛いものが苦手な方でもおいしく食べられるはずです。

熱狂と混沌が同居する街、コルカタで滞在を楽しむ

イギリスの写真家ジュリア・マーガレット・キャメロンの故郷、インドのコルカタの魅力や見所を紹介してきました。イギリス領時代の名残が未だに色濃く残るコルカタでは、ほかの街では出会えない珍しい体験ができるでしょう。発展もしていながら、昔ながらのインド固有の文化も根付いているコルカタは、熱狂と混沌が同居しています。今後の発展も注目ですね。個性豊かな魅力を味わいに、次回の旅はコルカタを目的地にしてみてはいかがでしょうか?

コルカタの玄関口は『ネータージー・スバース・チャンドラ・ボース国際空港(Netaji Subhash Chandra Bose International Airport)』です。市街地から北東におよそ13kmの場所にあります。空港から市街地までのアクセスは、バスかタクシーの利用が一般的です。熱狂と混沌、インドとヨーロッパの文化が交錯する街コルカタで、ほかでは味わえない濃厚な体験をしてみてくださいね。

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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