プルゼニ(チェコ):チェコ音楽の祖ベドルジハ・スメタナが学生時代を過ごした場所

チェコ音楽の祖と呼ばれている音楽家『ベドルジハ・スメタナ』。代表曲“わが祖国”をはじめとした楽曲の数々は、チェコ国内のみならず世界中で人気を博してきました。かつてのチェコ紙幣にも肖像が描かれていたほど著名な人物です。そんな彼が学生時代を過ごした場所が、チェコ第4の町『プルゼニ』。世界中で親しまれる“ピルスナー”発祥の地として有名な町です。ベドルジハ・スメタナとプルゼニの魅力を紹介していきます。

チェコ音楽の祖『ベドルジハ・スメタナ』

(Public Domain /‘Bedřich Smetana’ by.Unknown author Image via WIKIMEDIA COMMONS)

『ベドルジハ・スメタナ(Bedřich Smetana)』は1824年生まれ、オーストリア(現在はチェコ)のリトミシュル出身の人物です。ピアニストであり指揮者、そして作曲家など音楽にまつわるさまざまな肩書きを持っており、その活動は後世の音楽家に大きな影響を与えてきました。中でもチェコ独立の願望を音楽に関連させて発展させたことが有名で、その功績から“チェコ音楽の祖”と呼ばれています。6つの交響詩から構成される“わが祖国”が代表曲です。

※画像右下、青色の紙幣にスメタナが描かれている

幼少期から音楽の才能を発揮していたというスメタナは、音楽の都ウィーンやプルゼニで学生生活を送り、スウェーデン移住後には音楽教師や指揮者としても活動。晩年はプラハに拠点を移し、精力的に作曲活動をおこなっていきました。1885年から発行された紙幣には肖像が描かれており、その知名度は確固たるものとなっています。

チェコの個性を音楽で表現した最初の作曲家として知られているベドルジハ・スメタナ。彼のゆかりの場所がチェコ第4の町『プルゼニ』です。次章からその魅力を紹介します。

ベドルジハ・スメタナゆかりの町『プルゼニ』

『プルゼニ(Plzeň)』はチェコの西部に位置するプルゼニ州の州都です。国内で4番目の規模を誇る大きな町で、国際的に親しまれているビールの一種である“ピルスナー”発祥の地としても有名です。また、中世の町並みが残るヨーロッパ然とした雰囲気も楽しめることから、観光地としても人気の場所です。『聖バルトロメイ大聖堂』やヨーロッパで2番目の規模を持つ『シナゴーグ』などが見所の筆頭でしょう。もちろんビールの醸造所見学もおすすめです。

チェコの中でも屈指の人気を誇るプルゼニの歴史は、976年から始まります。1295年に特権が与えられ町が創設されると、交通の要所として発展を重ねてきました。17世紀には現在も残る貴重な歴史地区が建造されています。この時代は特にゴシック様式の影響が強かったのだとか。現在のプルゼニはチェコ西部のビジネスや文化の中心地として注目を集めています。次章からはプルゼニの見所を紹介しましょう。

プルゼニのシンボル『聖バルトロメイ大聖堂』

『聖バルトロメイ大聖堂(Katedrala svateho Bartolomeje)』はゴシック様式の重厚な建物です。14世紀から15世紀にかけて建造されました。白の外壁と黒の屋根のコントラストは相当に美しいものです。ターコイズブルーの尖塔が華やかなアクセントを添えています。この尖塔の高さは102.26mになり、チェコで最も高い塔として有名です。塔の頂上までは歩いて登ることもできます。階段の総数は301段になります。登りきるには体力が要りますが、頂上から望む街並みは絶景ですよ。登った先の最高の絶景をご褒美に、ぜひ挑戦してみてください。

聖バルトロメイ大聖堂の正面広場にも見所が豊富にあります。

新しく設置された3つの噴水は、天使・ラクダ・グレイハウンド(俊足の足を持つ狩猟犬種)をそれぞれモデルに設計されています。ぜひじっくり鑑賞してみてください。

※旧市庁舎

また、黒く重厚な造りの旧市庁舎もぜひ注目してみてください。ルネサンス様式の建物で、16世紀中頃に完成しました。隅々まで描かれた装飾画の細かさに感嘆するはずです。見所が豊富な聖バルトロメイ大聖堂をお見逃しなく!

ヨーロッパで2番目に大きい『シナゴーグ』

『シナゴーグ(Velka Synagoga)』は1893年に完成した歴史ある建物です。シナゴーグとはユダヤ教の教会を指す言葉で、ユダヤ教徒の宗教生活の中心にあるものです。世界中でみられるシナゴーグですが、プルゼニのものはヨーロッパでは2番目の規模を誇るのだとか。ネオ・ムーア様式を採用した建物の外観は白とピンクを基調としており、どこか愛らしさを感じさせます。両脇にある2つの丸屋根や正面中央にある六芒星のモチーフが特徴的です。

資料館も併設されているというプルゼニのシナゴーグでは、豪華に装飾された教会内部にも注目です。キリスト教の教会とは異なった装飾を、ぜひじっくりと鑑賞してみてください。高い天井とたくさんのガラス窓が生み出す空間は想像以上に明るく、神聖な雰囲気を作り出していますよ。入場時にはキッパとよばれる小さな紙の帽子が貸し出されることがありますが、これは忠誠心や崇敬心を神へと示すために頭の頂点を隠すというユダヤの慣習によるものです。

チェコの伝統文化を体験できる『マリオネット博物館』

2016年にユネスコ世界無形文化遺産に認定されたのが、チェコの伝統的な文化である『マリオネット』です。マリオネットとは糸を使って操る人形のことで、チェコでは子供時代から各家庭で親しまれており、今でも愛されている文化です。『マリオネット博物館(Pilsen Puppet Museum)』では、マリオネットの歴史やさまざまな種類のコレクションが展示されており、伝統文化を隅々まで味わい尽くすことができますよ。

博物館に展示されているマリオネットの総数はなんと300体以上にもなるのだとか。それぞれの表情や作りも違う、個性豊かなマリオネットに思わずため息が出てしまうでしょう。時代背景を反映した衣装も注目です。あなた好みのマリオネットを探してみるのもおもしろいですよ。自動操作による劇の鑑賞や、好みのマリオネットの操作体験など、ここでしかできない経験があなたを待っているはずです。お土産にマリオネットを購入するのもおすすめですよ。

プルゼニの名物『ピルスナー・ウルケル』

世界中で流通しているビールの多くを占めているのが“ピルスナービール”です。淡い色合いと爽やかな味わいが特徴のピルスナーを愛してやまない方は多いでしょう。そんなピルスナー発祥の地がプルゼニです。『ピルスナー・ウルケル(Plzeňský Prazdroj)』は1842年から歴史を持つビールブランドで、ピルスナー・ビールの生みの親。口に含んだ瞬間に広がる独特の苦味と甘み、鼻に抜けるような香りを持つピルスナー・ウルケルは、絶対に飲んでおきたい名物です。

プルゼニにはピルスナー・ウルケルの醸造所もあり、所内を見学できるツアーも開催されています。ツアーの所要時間はおよそ100分です。地下に広がる広大なボトリング工場では1時間に12万本ものビールが製造されているのだとか。素材となる麦やホップもあり、試食をすることもできますよ。ツアーの最後はもちろん、できたてのビールを試飲できます。麦の香りが抜けるフレッシュな味わいは、ここでしか体験できません。ぜひ足を運んでみてくださいね。

チェコ第4の町・プルゼニの魅力をじっくりと味わう

チェコ音楽の祖と呼ばれる音楽家べドルジハ・スメタナゆかりの町、プルゼニの魅力や見所を紹介してきました。世界的に愛されるピルスナー・ビール発祥の町として、ビール愛好家は特に見逃せない町でしょう。中世の雰囲気が香る街並みを散策するだけでも、十分に魅力を堪能することができますよ。オーストリアの首都ウィーンからは電車やバスを利用しておよそ1時間でアクセスできます。良好なアクセスも魅力のプルゼニを、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか?

マリオネット博物館公式HP

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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