アレクサンドリア(エジプト):詩人コンスタンディノス・カヴァフィスの生誕地

魔法のかたまりといわれる詩を書いた詩人が『コンスタンディノス・カヴァフィス』です。20世紀を代表する詩人として有名な人物で、特に40歳以降たくさんの名作を生み出しました。そんなコンスタンディノス・カヴァフィスの出身地が、エジプトの『アレクサンドリア』。『地中海の真珠』と呼ばれる美しい街並みが自慢の街で、歴史的な逸話も豊富に存在する歴史都市です。コンスタンディノス・カヴァフィスとアレクサンドリアの魅力を紹介しましょう。

20世紀の詩人『コンスタンディノス・カヴァフィス』

『コンスタンディノス・カヴァフィス(ΚωνσταντίνοςΠ. Καβάφης)』は1863年生まれ、エジプトのアレクサンドリア出身の詩人です。現代ギリシャ文学を代表する存在であり、20世紀を代表する詩の巨人といってもよいでしょう。政庁に勤務しながらまとめた文章の数々は、特に40歳以降に書かれたものが多いといいます。広く名前が知られるようになったのは没後ですが、その圧倒的に示唆に富んだ表現は世界各国の読者の心を魅了し、トリコにしてきました。

裕福な貿易商の家庭に生まれたコンスタンディノス・カヴァフィスは、1882年にトルコのイスタンブールに移住しました。その3年後、1885年に故郷のアレクサンドリアに戻り政庁の役人の仕事に就いています。友人たちに自家製本の形で配っていた作品の数々は、亡くなったあとから徐々に広まり、現代ギリシャ文学を代表する作品として認知されてきました。生涯を描いた伝記も出版されるなど、世界的な注目も集めている著名な詩人の一人です。

そんなコンスタンディノス・カヴァフィスの故郷が、エジプト第二の街『アレクサンドリア』です。次章からはアレクサンドリアの魅力や歴史、そして見所を詳しくご紹介していきます。

コンスタンディノス・カヴァフィスの生誕地『アレクサンドリア』

『アレクサンドリア(Alexandria)』はエジプト第二の街として知られている、アレクサンドリア県の県都です。地中海の真珠と呼ばれる美しい街並みが特に有名でしょう。アレクサンドリアは国際的な文化が根付いており、街中では英語表記の看板も散見されます。旅の目的地としては最適です。

街は紀元前332年、マケドニア王の『アレクサンドロス』によって創設されました。繁栄を迎えた街の人口は100万人を超え、当時は世界の結び目と呼ばれていました。

また、当時のアレクサンドリアは世界の有識者が結集する一大学術都市でもありました。古典古代世界で最大の図書館『アレクサンドリア図書館』があったことは有名です。商業や文化の中心地として発展したアレクサンドリアは、大航海時代に地中海貿易の拠点としてさらなる発展を遂げ、現在エジプトを代表する屈指の工業都市として国の発展を支え続けています。

古くから栄えていたアレクサンドリアには、歴史あるスポットが豊富にあります。15世紀に建てられた『カーイト・ベイの要塞』や、18世紀に造られた『アブ・アル・アッバース・アル・モスク』、世界最古の図書館の跡地に建てられた『新アレクサンドリア図書館』などが代表でしょう。広大な敷地に庭園や博物館、そして宮殿を持つ『モンタザ宮殿』も見逃せません。また名物の『ターメイヤ』も必食です。地中海の真珠・アレクサンドリアの見所を紹介します。

地中海に面した要塞『カーイト・ベイの要塞』

カーイト・ベイの要塞

世界七不思議のひとつに数えられる『アレクサンドリアの大灯台』、高さ134メートルを誇り建造当時は世界最大級の建造物として知られていました。14世紀に地震が原因で倒壊してしまい、現在その姿を望むことはできません。『カーイト・ベイの要塞(Fort Qaitbey)』はそんなアレクサンドリア大灯台の跡地に造られた要塞です。大灯台の建材を使用して建てられており、時代を超えた神秘を感じることができるでしょう。地中海との絶景も魅力のひとつです。

アレクサンドリアの大灯台(イメージ画像)
カーイト・ベイの要塞

カーイト・ベイの要塞はアレクサンドリアの市街地のはずれ、地中海に突き出た半島にあります。白みがかった外壁からはたしかに歴史を感じることができるでしょう。1480年頃に建造されてから、アレクサンドリアのシンボルとして愛され続けています。内部鑑賞は有料ですが、ぜひ見学してみてください。床や窓に施された装飾がとても美しく、窓から望む地中海のすばらしさにも感動するはずです。敷地内にある海洋博物館も合わせてどうぞ。

アレクサンドリア最大のモスク『アブ・アル・アッバース・アル・ムルシ・モスク』

1775年に建てられた『アブ・アル・アッバース・アル・ムルシ・モスク(Mosque of Abu al-Abbas al-Mursi)』は、息を飲むほどに美しい建物です。市街地の中心とカーイト・ベイの要塞の中間地点にあります。20世紀に13世紀調のデザインに改装されたというモスクは、4つの丸屋根と礼拝の時間を知らせるためのミナレット(尖塔)がシンボルです。建材は大理石をふんだんに使用しており、優雅な雰囲気を漂わせています。細かい装飾もぜひ注目してみてください。

床や天井、窓に至るまで施されたアラベスク模様、エキゾチックな魅力をまとった空間の美しさにため息すら出るでしょう。アブ・アル・アッバース・アル・ムルシ・モスクは、アンダルシア人の長老を追悼するために建てられたといいます。床は赤く高貴な絨毯に覆われており、天井にはあざやかすぎるほどの細工が施されており、そこからはシャンデリアが吊り下げられています。窓からは幻想的な光が差し込みます。信仰の聖地へ、ぜひ訪れてみてください。

世界最古の図書館を受け継ぐ『新アレクサンドリア図書館』

アレクサンドリアは、古典古代世界で最大の図書館『アレクサンドリア図書館』があった場所です。膨大な蔵書量を誇った図書館は、世界でも有数の知識の宝庫でした。そのDNAを受け継いだ施設が『新アレクサンドリア図書館(Library of Alexandria)』です。円柱を模した建物で、表面に刻まれた世界中の文字の装飾がアイコンです。地中海に面した裏側は全面がガラス張りになっており、モダンな印象を受けます。まさに新旧が混ざった文化の象徴です。

新アレクサンドリア図書館は蔵書を並べた図書館施設のほかにも、プラネタリウムや考古学博物館などが併設されています。なんでも図書館に併設された考古学博物館は世界初のものなのだとか。図書館を建てる過程で発掘された品々をはじめ、エジプト文明の変遷を辿れるコレクションが公開されています。犬を描いたモザイク画の断片や石碑など、貴重な展示品を、じっくりと鑑賞してみてはいかがでしょう。展示品の総数は1,079点になるといいます。

優雅な雰囲気を味わう『モンタザ宮殿』

赤色と白色を基調とした美しい建物、アレクサンドリアのモンタザ地区にあるのが『モンタザ宮殿(Montaza Palace)』です。トルコ様式とフィレンツェ様式、2つの建築様式が混在した独特の建物で、王室の夏の宮殿として建てられました。残念ながら宮殿内の一般公開はされていませんが、外から鑑賞するだけでも建物の魅力は十分に味わうことができます。地中海沿岸にあるので、青い空と澄み渡る地中海、モンタザ宮殿のコントラストが楽しめるはずです。

モンタザ宮殿の敷地はとても広大で、中には庭園や博物館、ホテルなどがあります。まるでヨーロッパを訪れたかのような景色が敷地内に広がっていますよ。特に庭園は地元の人たちに愛されており、週末はピクニックをする人たちで賑わいをみせるのだとか。またホテルとして利用されている建物は旧宮殿で、1892年の建物です。部屋数わずか20室の高級ホテル。併設のカジノでギャンブルに浸ってみるのもおすすめです。滞在はぜひこの場所で!

アレクサンドリアの名物『ターメイヤ』

『ターメイヤ(ta`amiyya)』はエジプトの庶民の味、ソウルフードといってもよいでしょう。ソラマメをベースにしたコロッケで、香草やニンニクがたっぷり効いたエキゾチックな味わいです。街角の屋台で販売されており、ファストフード感覚で手軽に楽しむことができます。パンに挟んでサンドイッチで食べるのが定番です。断面がソラマメの緑なので、あざやかな色味に驚くかもしれません。リーズナブルでお財布に優しいアレクサンドリアの名物です。

エジプト第二の街・アレクサンドリアで歴史に浸る

20世紀を代表する詩人・コンスタンディノス・カヴァフィスの故郷、エジプトのアレクサンドリアの魅力や見所を紹介してきました。紀元前から歴史を重ねてきたアレクサンドリアは、圧倒的に深い魅力が根付いています。地中海の真珠と呼ばれる美しい街並みを散策するだけで、心が踊るでしょう。開放的で国際的な街で、ゆっくり歴史に浸ってみるのがおすすめです。

アレクサンドリアの玄関口は『アレクサンドリア国際空港(Alexandria InternationalAirport)』、もしくは『ボルグ・エル・アラブ空港(Borg El Arab Airport)』です。またエジプトの首都・カイロから電車でアクセスもできます。カイロからの所要時間は約2時間30分。アレクサンドリアの街中は路面電車が走っていますので、滞在中の移動手段にはこちらも利用できます。地中海に愛された美しい街並み、アレクサンドリアをぜひ訪れてみてくださいね。

Stanley Bridge

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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