グアテマラシティ(グアテマラ):マジックリアリズムの創始者、ミゲル・アンヘル・アストゥリアスの故郷

マジックリアリズムの創始者『ミゲル・アンヘル・アストゥリアス』

『ミゲル・アンヘル・アストゥリアス(Miguel Ángel Asturias Rosales)』は1899年生まれ、グアテマラのグアテマラシティ出身の小説家です。『マジックリアリズム=現実と非現実を融合した作品の表現方法のひとつ』の創始者の一人とされ、ラテンアメリカの文学ブームを牽引した人物です。特に1930年に出版した『グアテマラ伝説集』は、自身が幼少期に聞いたグアテマラの伝説や伝承がふんだんに盛り込まれており、現在も注目を浴びる作品のひとつといえます。

5歳のときに出身地のグアテマラシティから、父の故郷へ家族と共に引っ越したミゲル・アンヘル・アストゥリアスは、ラテンアメリカ先住民族や母親からさまざまな伝説や伝承を聞きながら成長していきました。1917年に大学の医学部に入学、翌年に法学部に転部、1923年に卒業後フランス・パリのソルボンヌ大学に留学を果たしています。詩や小説の執筆は、留学時代から本格的に始めています。1933年にグアテマラに戻り、ジャーナリストとしても活動しています。

1967年にノーベル文学賞を授与されたことは、ミゲル・アンヘル・アストゥリアスにとって大きな功績のひとつでしょう。グアテマラ国内のみでなく、世界的な注目を集める小説家の故郷グアテマラシティは、一体どのような街なのでしょうか。次章からその魅力を紹介します。

ミゲル・アンヘル・アストゥリアスの故郷『グアテマラシティ』

『グアテマラシティ』は、正式名称を『ラ・ヌエバ・グアテマラ・デ・ラ・アスンシオン(La Nueva Guatemala de la Asunción)』といい、意味は“聖母被昇天の新グアテマラ”。中央アメリカの国・グアテマラの首都かつ最大の街として、国内の政治・経済・文化の中心を担っています。旧市街と新市街にわかれたグアテマラシティには30以上の博物館・美術館、5つの大学があることから、中央アメリカ屈指の文化都市として有名です。年間を通して温暖な気候が続くことも観光地として選ばれる大きな理由のひとつです。

アンティグア

古代都市『カミナルフユ』近郊にあるグアテマラシティは1620年につくられました。スペイン統治時代は『エル・カルメン』という小さな村だったのが、1775年にアンティグアから遷都されたことをきっかけに大きな発展を遂げてきました。グアテマラ独立後も、その首都としてたくさんの人たちで賑わっています。近郊にあるかつての首都、アンティグアはユネスコ世界遺産に認定されている歴史都市です。合わせて訪れるのもおすすめですよ。

アンティグアのMuseo de Arte Colonial

グアテマラシティで特におすすめのスポットは、旧市街の中心にある『国立文化宮殿』です。淡い緑の石灰岩をふんだんに使った豪華な建物は、訪問するあなたの心を魅了するはずです。さらに、宮殿の隣に建つ『メトロポリタン大聖堂』やマヤ文明の遺跡である『カミナルフユ遺跡』、郊外にある世界一美しい湖『アティトラン湖』も見逃せません。また国民食といわれる『フリホーレス』も食文化の伝統を知るうえでは外せないものです。

グアテマラシティのシンボル『国立文化宮殿』

『国立文化宮殿(Palacio Nacional de la Cultura)』は1939年に着工、1943年に完成したグアテマラシティのシンボルです。旧市街の中心『中央広場』にあります。国立文化宮殿はかつては大統領官邸としても利用されていました。淡い緑色の石灰岩を使用して建てられているため、建物全体が緑がかっています。その外観からパラシオべルデ=緑の宮殿とも呼ばれています。

現在は博物館として一般公開されている国立文化宮殿は、ルネサンス様式・バロック様式・コロニアル様式など、さまざまな建築様式が用いられていることでも知られています。見学中に建築様式の違いを探してみるのもおもしろいでしょう。回廊に囲まれた『平和の中庭』にある両手のモニュメントも必見です。合計16本の手が表現しているのはグアテマラ人の統合なのだとか。グアテマラの傑作と称されるシンボル、国立文化宮殿をぜひ訪れてみてください。

グアテマラシティの信仰の中心『メトロポリタン大聖堂』

『メトロポリタン大聖堂(Catedral Primada Metropolitana de Santiago)』は、国立文化宮殿と同じく中央広場に面して建てられており、完成までおよそ250年かかっています。両脇にある2つの鐘楼、バロック様式の重厚な造りは必見です。内部は白色を基調としたシンプルでモダンな造り、窓から差し込む陽光が明るい空間を演出しています。

CATEDRAL

古代マヤ文明の貴重な遺構『カミナルフユ遺跡』

『カミナルフユ遺跡(Kaminaljuyú)』はグアテマラシティの住宅街の一角にある、マヤ文明の遺跡です。カミナルフユとは死者の丘を意味する言葉で、遺跡の残された場所は、紀元前4世紀から紀元後7世紀に栄えたようです。200を超える住宅や神殿の遺構など、敷地内に広がる古代の建物跡は、とても神秘的です。入場場所に博物館も併設されており、遺跡からの出土品も展示されています。土偶や土器などのコレクションは見逃せないでしょう。

カミナルフユ遺跡は現在公園として整備されており、緑豊かな場所になっています。観光客の姿はまばらで、治安面に少し不安があることは否めません。訪れるときは個人でいくよりも、ガイドツアーに参加することをおすすめします。公園内では祈りを捧げるマヤ人の姿もみられるのだとか。この場所はマヤ文明にゆかりある人たちにとっては聖地のひとつなのですね。訪れる価値は大いにあります。ぜひ、何人かで連れ立って足を運んでみてください。

世界一美しい湖『アティトラン湖』

ドイツの探検家『アレクサンダー・フォン・フンボルト』によって世界一美しい湖と称されたのが『アティトラン湖(Lago de Atitlán)』です。グアテマラシティの西、車で約3時間の場所にあります。アティトラン湖は標高1562mの場所にある、84,000年前の火山噴火によってできたカルデラ湖です。3つの火山に囲まれた雄大な景色は、まさに世界一の絶景のひとつでしょう。ボートやカヤックなどのアクティビティを楽しめば、自然と一体になったような感覚に浸れるはずです。

アティトラン湖はそのコバルトブルーの湖面の美しさが人気ですが。周辺にあるマヤ族の村や集落を訪れる人たちも多いのだとか。伝統工芸品を購入したり自然の中でヨガを楽しんだり、スペイン語留学の地に選んだりと、村や集落によって特色もさまざまです。アティトラン湖の絶景に浸りながら、近郊のマヤ族の村や集落で充実の時間を過ごしてみるのも一興です。

グアテマラシティの名物『フリホーレス』

『フリホーレス(Frijoles)』はスペイン語でインゲン豆を意味する、グアテマラの国民食です。フリホーレスとはインゲン豆を使ったペーストのことで、朝晩と食べる人もいるほど親しまれているのだとか。パンやトルティーヤに塗ってそのまま食べるほか、チーズなどと一緒に食べるのもおすすめです。グアテマラシティを訪れたらグアテマラの人々の大切な栄養源、フリホーレスは必食の名物です。

中央アメリカ最大の街・グアテマラシティで充実の時間を

マジックリアリズムの創始者、ミゲル・アンヘル・アストゥリアスと、その故郷グアテマラシティの魅力を紹介してきました。新市街と旧市街、古代の遺跡も残るグアテマラシティは見所豊富です。滞在を通して多様な文化を体感することもできるでしょう。グアテマラシティの玄関は『ラ・アウロラ国際空港(Aeropuerto Internacional La Aurora)』です。空港から市街地まではタクシーを利用してください。

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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