ナポリ考古学博物館:考古学好き必見!ナポリの至宝に出会える博物館

ナポリ考古学博物館は、イタリアでローマやミラノに次いで大きい街、ナポリにある考古学博物館です。ナポリといえば治安があまりよくないイメージがあるかと思いますが、ナポリ考古学博物館にはそんな不安を消し去ってしまうほどに素晴らしい、世界に名高い発掘品がたくさん展示・所蔵されています。特に、ギリシャ・ローマ時代の遺跡から発掘されたフレスコ画や彫刻が多く展示されていることから、この時代に興味のある考古学好きには必見の博物館です。今回はナポリ考古学博物館の歴史と所蔵作品や展示室について、詳しく解説していきます。

ナポリ考古学博物館とは

ナポリ考古学博物館はイタリアの港町ナポリの旧市街、スパッカ・ナポリにある考古学博物館です。ギリシャ・ローマ時代を中心に貴重な出土品を数多く所蔵していることから、南イタリアの中だけでなく世界的にも重要な考古学博物館として地位を確立しています。「ナポリに来たなら、ここ(ナポリ考古学博物館)に足を運ぶべき」と謳われているくらいです。
博物館の歴史は比較的古く、1585年(16世紀)にストゥディ館と呼ばれる騎兵隊宿舎が建てられたのが始まりといわれています。18世紀になったころ、ナポリ公国の王となったブルボン家のカルロ3世が、自分の母親であるエリザベートから受け継いだファルネーゼ家のお宝をここで展示するようになり、博物館の原型が出来上がります。その後、息子フェルディナンド4世がその財宝を受け継ぎ、それらをまとめて展示・保存できるようにとストゥディ館の改装に踏み切ります。改装は何度も中断されましたが1816年に現在の姿になり、今に至ります。
また、ローマ時代にヴェスビオ火山の噴火によって火山灰で埋もれた街・ポンペイや、エルコラーノから発掘された遺物の展示も多く存在します。ポンペイやエルコラーノの遺跡付近には博物館が存在しないため、ナポリ考古学博物館にすべて集約されているそうです。

ナポリ考古学博物館

ナポリ考古学博物館の所蔵品・展示室

ナポリ考古学博物館の最大の特徴は前述の通り、ギリシャ・ローマ時代を中心に世界的価値のある重要な考古学的遺産が数多く展示されているところです。特にこの時代が好きな方にはぴったりの場所といえます。
また、火山灰で埋もれたポンペイやエルコラーノから出土された遺物も展示されていることから、ポンペイやエルコラーノを訪れる前にナポリ考古学博物館を訪れてもよし、ポンペイやエルコラーノ遺跡を訪れた後にナポリ考古学博物館を見学してもよし、歴史探索にはもってこいの場所です。

では、ナポリ考古学博物館のコレクションの主要な作品および展示品をご紹介します。

《「アレキサンダー大王とダレイオス3世の戦い」のモザイク画》作者不明

本作品は、ポンペイ遺跡でポンペイの有力一族だったとされるファウヌスの家から出土されたモザイク画です。
アレキサンダー大王とペルシャのダレイオス3世が衝突した「イッソスの戦い」を描いた作品となっています。
2人が最初に闘ったイッソスの戦いをモチーフにしたというのが定説ですが、その後のガウガメラの戦いを描いたものという説もあります。真実は今も明らかになっていません。実際に訪れた際に、ガイドさんからどちらの説で案内されるかを楽しみにしても面白いかもしれません。

残念ながら作者は不明で、出土品であることから一部破損が見られます。それでもモザイク画としての精巧な作りは時が経った現在でも保たれ、色あせることなく、多くの人々を魅了し続けています。

《ファルネーゼの雄牛(ディルケーの拷問)》紀元前4世紀頃、作者不明

こちらはカラカラ浴場で出土した巨大な大理石像です。一見、人間が寄ってたかって牛をいじめているかのようにも見て取れる石造ですが実は違います。
これはギリシャ神話にある、ゼウスとアンティオペーの間にできた双子が、母アンティオペーを苦しめたテーベ王妃ディルケーに復讐をするというシーンです。二人の男性がその双子で、ディルケーを牛に結びつけています。この暴れ牛がディルケーを引きずり、最終的に彼女が死ぬまで駆けるというストーリーです。

この石像は「ファルネーゼ・コレクション」の一つです。「ファルネーゼ・コレクション」とはナポリ考古学美術館の基礎を作り上げたブルボン家が、ファルネーゼ家から受け継いだコレクションのことです。

《モザイクの柱の家》作者不明

ポンペイのエルコラーノ門外に建っていたとされる、豪華な柱が展示されています。家の柱にモザイクや貝殻が使用されている、なんとも豪華絢爛なものです。

作られたのは2000年以上も前ということですから、驚きを隠せません。

《秘密の小部屋》

ナポリ考古学博物館には、「秘密の小部屋」と呼ばれる、15歳未満は大人と一緒でないと入ることのできない展示室があります。こちらでは、古代人が制作した大人向けの展示が集約されています。苦手な方はご注意ください。

おわりに

ナポリ考古学博物館は、紀元前に作られたものとは思えないほど美しい石造やフレスコ画、そしてモザイク画まで、幅広く所蔵しています。
また、ポンペイ・エルコラーノから出土された遺物もかなり保存状態が良く、当時の文明の高さを垣間見ることができます。まさに歴史の宝箱といってもよいでしょう。
また、建物自体も非常に美しいことと、地下階にはエジプト・コレクションも所蔵されているので、1日では足りないくらい見ごたえある考古学博物館です。
もし旅の計画にナポリ考古学博物館を取り入れる場合は、見学時間にかなりゆとりをもって訪れましょう。最高の時間になること間違いありません。ぜひあなたの目で至極のコレクションを見てみてください。

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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