Smile of Angkor:華麗なショーで蘇るアンコール王朝

Smile of Angkorは、世界遺産アンコールワットを残したアンコール王朝(802年〜1431年)を舞台としたパフォーマンスショー。壮大な王都建設の様子や、神々と交信しながら国を治めた王と人々の暮らし、神話・伝説に基づく数々のストーリーが絢爛な演出の下で再現されます。大いなる遺跡が実際に息づいていた時代の様子を鮮やかにイメージさせてくれる、ダイナミックな舞台劇です。劇場はシェムリアップにあります。

9世紀から15世紀まで存在したアンコール王朝。
近代になって発見されるまで、何世紀にもわたって密林の中に埋もれていた世界遺産アンコール遺跡群のどっしりとして荘厳な佇まい。

今もなお多くの人々を魅了する壮大な古都が一体どのようにでき、どのように活気づいていたのか気になりませんか?

現在はただ残された遺跡の姿から当時の面影を偲ぶしかないため、都と言っても少し現実離れした世界のように思えますが、そこには何十万もの人々の人生と暮らしがありました。
アンコールの都は、王が神々と交信する聖なる空間の周りで多くの人々が暮らし、豊かな土壌に恵まれ栄えた大農業都市でもあったのです。

物言わず静かに佇むかつての王都で息を吹き返す神々、王、人間、動物たち。彼らが一堂に会して繰り広げる鮮やかなスペクタクルこそが、Smile of Angkor。シェムリアップを訪れたら、遺跡観光の後にぜひ鑑賞したい圧巻のパフォーマンスです。

遺跡の周りにみなぎる生命力を一緒に感じてまいりましょう。

永遠の微笑みの先に広がっていた世界とは?

穏やかな微笑みを浮かべた、四方に顔を持つ観世音菩薩像。
アンコール遺跡群の一つであるバイヨン寺院を訪れた方は、計200もの仏面に囲まれ、この世のものでないような神秘的な雰囲気に包まれるのを感じたことでしょう。

写真:「写真AC」より

「なぜあなたは笑っているの?」

Smile of Angkorのショーは、少年が微笑みを浮かべる観世音菩薩に尋ねるところからはじまります。

写真:筆者提供

アンコール王朝が全盛期にあった頃も、陥落してしまった後も、観光名所となって世界中の人々が訪れるようになってからも。8世紀以上にわたって変わらず絶え間なく注がれる微笑み。

「私がなぜ笑っているのかが分かれば、宇宙、地上の生活、善悪、運命、創造とは何であるのか。すべてを理解するだろう。」
そんな観世音菩薩の言葉とともに、神々と人間が交わり合うダイナミックなショーが幕開けます。

写真:筆者提供

王都建設の歴史と、遺跡の壁に描かれた神話や伝説を題材としたストーリーは、カンボジアの伝統舞踊、伝統格闘技、曲芸などを織り交ぜながら繰り広げられます。

750㎡の舞台を持つ広々とした専用劇場には、アンコール遺跡群の随所に配置された池を彷彿とさせるような人工泉水が作られており、時に観客の前で水しぶきを上げ、臨場感を演出。客席全体を包み込むような華やかなレーザー照明や映像、音響が一気に異世界へと連れていってくれます。

写真:筆者提供

アンコール遺跡群を実際に見学した後に鑑賞すると、「あの場所でこんな出来事があったのか。」と一層リアリティを感じながら楽しめるでしょう。

さあ、アンコール王朝時代にタイムスリップいたしましょう。

人間の総力を結集して作られた、神に近づくための空間

今もなおカンボジアのシンボルとして思い浮かべられることが多いアンコールワットは、12世紀初頭に30年以上もの歳月をかけて建設された寺院であり、ヒンドゥー教の宇宙観が再現された宗教的拠点でもありました。

ヴィシュヌ神を祀るとともに、王が神と一体となる神聖な空間であったと言われています。

写真:「写真AC」より

アンコールワットの他にも、歴代の王たちによって数々の寺院や宮殿が建てられ、最盛期には一帯に50万人前後もの人々が住んでいたと言われるアンコールの都。

最初の演目では、王の指揮の下、たくさんの労働者たちが石を積み上げ、次々と建造物を作り、都が完成するまでの様子が描かれます。

写真:筆者提供

寺院等の建設を指揮したのは歴代の王でしたが、壮大な都建設の背後には、1万人にも及ぶ多くの人々の労働があったことを忘れてはなりません。

当時、お寺のために働いて徳を積めば死後の安泰が手に入ると信じられており、人々は過酷な重労働に進んで参加したと考えられています。

ショーでは、労働者たちの地道な作業の合間に、天上と地上を自由に行き来できる天女アプサラがたおやかに舞いながら立ち現れ、都の発展を祝福しているようでした。

写真:筆者提供

王の想い一つでは決して完成しえなかったであろう、壮大なスケールを誇る都。それは、数え切れないほどの人々の想いが石の重みのごとく積み重なり、途方もない年月を経て生み出されたものであることを思うと、圧倒的な力強さを肌で感じることができるでしょう。

数多の神々と人々が、かつての王都で目を覚ます

アンコール遺跡の多くは、時の王が自らの権力を示すために作られた寺院や宮殿でした。神々に捧げられるものであったと同時に、王の存在を神格化するためのものでもあったのです。

写真:筆者提供

興味深いのは、ここで言う「神々」が、様々な宗教・信仰を包含するものであったということ。

たとえば、インドの影響を存分に受けていた頃に作られたアンコールワットは、ヒンドゥー教の三大神の一つであるヴィシュヌ神に捧げられました。
一方、大乗仏教を篤く信仰していたジャヤヴァルマン七世によって作られたバイヨン寺院は仏教の宇宙観を表しています。

写真:筆者提供

さらに、都に住んでいた一般の人たちの間では、古くから独自の土着信仰が根強く存在していたと言われています。

これらの神々への信仰心をすべて取り込みながら発展してきたのがアンコール王朝。

ショーでは、赤々と輝く炎の輪に包まれたシヴァ神を筆頭に、九千もの神々が現世に息を吹き返します。

写真:筆者提供

立ち現れるのは、威厳に満ち、熱き体温と鼓動を轟かせる、生き生きとした神々の姿。

さらには、神々の呼びかけに応えるように、9万もの人々が蘇ります。

写真:筆者提供

神々とともに生きた人々の躍動が、鮮やかに目の前で生き返るのです。

圧倒的スケールで再現される、世界のはじまり

アンコールワットの回廊の壁には、インド古代の叙事詩に由来する逸話、ヒンドゥー教神話、王と軍隊の行軍シーンなどが描かれています。

中でも有名なのが、第一回廊の東面に描かれた「乳海攪拌」というヒンドゥー教の天地創世神話。

ショーの中でも鮮やかに表現されるのは、不老不死の薬アムリタを手に入れるため、神々と阿修羅たちが争うシーンです。

写真:筆者提供

ヴィシュヌ神から「大海をかき混ぜるとアムリタが手に入る」と聞いた神々と阿修羅たちは、支柱となるマンダラ山に蛇王ヴァースキを巻きつけ、神々が尻尾を、阿修羅が頭部を持って引っ張り合い、共に大海をかき混ぜます。

写真:筆者提供

すると、海や山の生物たちは皆死んで海が乳白色に濁っていき、ヴィシュヌ神の妻ラクシュミーと、アムリタが入った壺を持った医の神ダンワタリ、天女アプサラなどが海から出現。

アムリタを巡って神々と阿修羅が争いますが、最終的には神々がアムリタを入手し、不老不死の存在となります。

写真:筆者提供

天地創世神話でありながら、カンボジアでは乳海から生まれ出る天女アプサラへの注目度が高く、アンコール遺跡群の壁画にもしきりに描かれています。
また、天女アプサラの舞は、Smile of Angkorの中でも現れる、カンボジアでもっとも有名な伝統舞踊といってもよいでしょう。

写真:筆者提供

当時の様子を後世に伝える文書記録が数少ないため、長らく謎に包まれてきたアンコール王朝時代の文化や風習、価値観。

遺跡の壁画に描かれた光景をじっくりと眺め、ショーで再現される世界に触れることで、かつての社会通念、信仰の一端を垣間見ることができるでしょう。

アンコールの微笑みに祈りを重ねて

神々、王、人間、動物たちが繰り広げる壮大なストーリー。
エンディングでは世界各国の国旗を掲げたパフォーマーたちが勢ぞろいします。

天上と地上を生きる登場人物たちが一堂に会し、それぞれに微笑みをたたえ、フィナーレを飾るのです。

写真:筆者提供

最後に思い返されるのが、冒頭で少年から観世音菩薩に投げかけられた「あなたはなぜ笑っているの?」という問い。

写真:筆者提供

もともと観世音菩薩とは、人々の苦しみに耳を傾け、救いを差し伸べる存在です。

そして、200もの観世音菩薩が並ぶバイヨン寺院は、隣国チャンパによる王都の略奪を防いだジャヤヴァルマン七世によって、平和を求める機運の中で造られたのではないかと言われています。

アンコール遺跡を訪れると、何か温かいものに包まれるような感覚になるのは、困難の中でも変わらずにあり続ける微笑みのパワーによるものでしょう。

平和を願う気持ちは、国や宗教に関係なく通じ合うもの。

写真:筆者提供

舞台にずらりと並んだ天上・地上の生き物たちを観ていると、平和への願いや祈りのようなものが心に浮かび上がってくる気がします。

時空を超えて伝えられる慈悲深い愛の物語

写真:筆者提供

都が栄えた時期はもちろん、隣国の侵攻を受けて都が陥落した時も、内戦で破壊された時も。どんな時にも微笑み続けてきた観世音菩薩像。

その深い懐で包み込んでくれるような微笑みは、現世を生きる私たちにも注がれる永遠の救いであるのかもしれません。

かつてアンコール遺跡の周りに生き生きと存在した神々と人間の息吹を感じ、微笑みが今に伝えるメッセージを感じに。
Smile of Angkorの壮麗な世界を体感してみませんか?

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■Smile of Angkor

・ホームページ
http://www.smileofangkor.info/

・Facebookページ
https://www.facebook.com/Smileofangkorgrandtheater/

<ショー開催日時>
毎日19:30〜20:45

<料金>
A席ショーのみ$40、ショー前のビュッフェディナーつき$48
B席ショーのみ$30、ショー前のビュッフェディナーつき$38
※ホームページからオンライン予約をすると、割引料金が適用になることがあります(時期による)

100cm未満の子供:席なしで無料
100〜140cm未満の子供:50%割引
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※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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