現代美術館:芸術的な建物で楽しむ現代アート

ドイツのフランクフルト、その旧市街にあるのが現代美術館です。三角形の特徴的な建物から「ひときれのケーキ」の愛称で親しまれています。コレクションは世界有数の現代芸術コレクションを揃えており、アンディ・ウォーホルやフランシス・ベーコンなど、名だたる巨匠の作品に出会うことができます。ここではそんなフランクフルトにある現代美術館の歴史やコレクションを紹介していきます。

◼️現代美術館とは

1981年に設立され、1991年に開館を迎えた現代美術館は比較的新しい美術館ではありますがそのコレクションには定評があり、現代美術作品を所蔵した世界有数の重要な施設とみなされています。建物は特徴的な三角形をしており、その形状から「ひときれのケーキ」や「トルテンシュトゥック(ひときれのパイ)」の愛称で親しまれています。可愛らしい形とケーキのように色分けされたその建物は、旧市街の一角に華を添えています。

建物の設計を担当したのはオーストリアの建築家ハンス・ホラインです。見る角度によって表情を変える壁の造りや、あえて狭く小さく造られた階段など、建築家のこだわりが随所に散りばめられています。三角形という挑戦的な形状の建物を、ハンス・ホラインは見事に活かし、より洗練された空間を造りあげました。それぞれの部屋は芸術家ごとに割り振られており、空間を十分に使えるため、規模の大きなインスタレーションも柱や屋根に疎外されることなく存分に楽しめます。

現代美術館は近年増築がおこなわれ、本館であるMM1以外にMM2・MM3があります。本館と別館、それぞれで異なるコレクション・展示方法を楽しむことができるでしょう。コレクションの中核にあるのはドイツのコレクター・カール・ストーハーの遺産で、ポップアートやミニマリズムの作品およそ87点が遺贈されています。1981年〜1987年にかけて、美術館の共同設立者ピーター・アイデンによって1970年代〜1980年代の作品が追加され、コレクションはより一層充実することになりました。

現代美術館の常設展では、1960年代〜現代にかけての作品が公開されています。コレクションの総数は4500点以上になり、事前に許可を取れば写真撮影もできる為、印象に残った作品を記録に残すことができます。

◼️現代美術館のコレクション

ひとつひとつの部屋が区切られ、芸術家それぞれにじっくりと向き合うことができるフランクフルトの現代美術館、そのコレクションは世界有数の現代美術作品が中核を担っています。アメリカのポップアートを代表するアンディ・ウォーホルやロイ・リキテンスタイン、20世紀最高の画家の一人といわれるフランシス・ベーコンやドイツのヨーゼフ・ボイスなど、そうそうたる芸術家の作品が一堂に介しています。

ここからは現代美術館の主要な見どころとなる作品を紹介します。

・《WE ROSE UP SLOWLY》1964年ロイ・リキテンスタイン

WE ROSE UP SLOWLYは1964年、アメリカの画家ロイ・リキテンスタインによって制作された作品です。

ロイ・リキテンスタインは1923年生まれ、アメリカの画家です。アンディ・ウォーホルと並ぶポップアートを代表する画家とされています。ロイ・リキテンスタインといえば代名詞となるのが漫画をモチーフにした強烈なインパクトを持った作品群です。漫画のひとつのコマをグッとクローズアップしてキャンバスに描き、漫画の力強い描写やシンプルな線の持つ存在感を際立たせて表現してきました。鮮烈な色彩を落としたキャンバスは、長い余韻を残す作品です。

ロイ・リキテンスタインは1940年にオハイオ州立大学の美術学部に入学、1949年に博士号を取得しています。1949年〜1951年の間、同大学で講師も務めていました。1960年代に入ると代名詞となる漫画のコマを拡大した作品を発表するようになります。その独特の表現方法の原点は、幼少期に描いたミッキーマウスの漫画にありました。ミッキーマウスの持つ魅力を生かし、三原色で描いた色彩表現のインパクトは唯一無二といえるでしょう。

WE ROSE UP SLOWLYはロマンス漫画「ガールズロマンス」のパネルを用いた作品で、リキテンスタインのほかの作品と同様に、ひとつのコマがクローズアップして描かれています。男性と女性の情熱的な抱擁のシーンを描いたもので、たくましい男性像と陽気な女性像がキャンバスの全面を使って表現されています。引き込まれるような色彩力に釘付けになるはずです。

・《NUDE》1960年フランシス・ベーコン

NUDEは1960年、イギリスの画家フランシス・ベーコンによって制作された作品です。

フランシス・ベーコンは1909年生まれ、アイルランド出身のイギリスの画家です。第二次世界大戦後、抽象絵画が全盛期の中であえて具象絵画を追求した芸術家として知られており、20世紀最高の画家の一人に挙げられます。ベーコンの作品は大幅なデフォルメが施されていることが特徴で、過去の巨匠が描いた絵画や映画などをオマージュした作品も有名です。

彼は1927年に訪れたピカソの展示会で感銘を受けてから、絵画の勉強をすることを決意しました。その後インテリアデザイナーとして働きながら油彩画を学び、さらに才能を開花させていきました。1933年に描かれた作品は彼への注目を集め、次の年にロンドンで初めての個展を開催しています。

NUDEはベーコンがキャンバスに描いた油彩画で、裸体の官能的な女性像が描かれています。デフォルメされてはいるものの、ソファのようなものに腰掛け両手を頭の上で組んでいる女性像は、どことなく神秘的な雰囲気が漂っています。ヌードはベーコン作品にたびたび登場するモチーフですが、本作品はその中でもとりわけ挑発的で神秘的な雰囲気を醸し出しています。

◼️おわりに

フランクフルトの旧市街に華を添える「ひときれのケーキ」こと現代美術館。世界有数の貴重な現代芸術のコレクションを、ぜひあなたも鑑賞してみてください。

国際金融の世界的な中心地であるフランクフルトは見どころが豊富です。美術館・博物館巡りをしてみるのもおすすめできます。ドイツにきたら、ぜひフランクフルトに足を延ばしてみてはいかがでしょうか?きっとお気に入りの芸術作品に出会うことができます。

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※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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