ライプツィヒ造形美術館:芸術の町で味わう全時代網羅型の美術館

ドイツでも有数の芸術の町ライプツィヒにあるのは、芸術の町に相応しい造形美術館です。市の中心地にあり駅近なため誰でも気軽に寄ることができ、市民のみならず観光客にも人気です。

○ライプツィヒ造形美術館とは

(Public Domain /‘Museum Leipzig’byH.-P.Haack. Image viaWIKIMEDIA COMMONS)

ライプツィヒ造形美術館では、中世から現代に至るまでの全時代の作品を網羅したコレクションを有しいています。元々は、1848年に開館した美術館でしたが、第二次世界大戦中には爆撃に合うなど激動の時代をくぐり抜けて来ました。2004年に新築され、図書館やカフェを併設した憩いの場として生まれ変わりました。

○ライプツィヒ造形美術館のコレクション

ガラス張りの現代的な外観の美術館は4フロアに分かれ、実に中世から現代に至るまでの長きに渡る時代の作品を展示しています。特に17世紀から18世紀の作品を中心にフランドル画なども展示され、そのコレクション数はドイツ最大とも言われています。

天井がかなり高く設計されている事から空間を広く感じる事ができ、伸び伸びと作品を鑑賞できます。また古典、近代、現代アートのように見やすくエリアが分けられており、テーマに分けてゆっくりと鑑賞することができるでしょう。

〈死の島〉アルノルト・ベックリン

(Public Domain /‘Die Toteninsel’by Arnold Böcklin. Image viaWIKIMEDIA COMMONS)

死の島は、ベックリンの最も有名な作品です。

(Public Domain /‘Self-portrait’by Arnold Böcklin. Image viaWIKIMEDIA COMMONS)

早くから才能を見いだされたベックリンは、美術学校で基礎を学ぶとパリのルーブル美術館で多くの絵画を模写し実力を付けていきました。以後象徴主義の画家として知られ、死に対して深い恐れを抱いていた彼は、死を題材とした作品を多く手掛けました。その神秘的で幻想的な雰囲気は、瞬く間に世間に受け入れられました。

死の島は、漆黒の闇の中に不気味に浮かぶ小島を描き、ただならぬ雰囲気を絵からも醸し出しています。明確な説明をベックリンはしてはいませんが、魂を冥土に送り出す場面を表しているとも言われており、死への恐怖と神に対する畏怖の念を感じます。この絵は多くの一般人にも好まれポストカードにされた他、アドルフ・ヒトラーは彼の作品を好み「死の島」を含む11点を所有していたと言われています。

〈ヴェートベン像〉マックス・クリンガー

(Public Domain /‘Beethoven’by Max Klinger. Image viaWIKIMEDIA COMMONS)

そのダイナミックな作りに目が釘付けになる、クリンガーの代表作です。

(Public Domain /‘Max Klinger’by Nicola Perscheid. Image viaWIKIMEDIA COMMONS)

クリンガーは、絵画のみならず、彫刻や版画など多岐に渡る作品を世に残しました。特にシュルレアリスムの先駆者として知られ、後世に強い影響を残しました。象徴主義的な側面を色濃く残しながらも、社会への批判や性的イメージを取り入れるなど絵画を表現の場として多く用いました。版画に関しては、400点以上を残し、生涯を通じて精力的に活動しました。

椅子に座るヴェートベンからはその気品と迫力、そして何か真剣に考える強い眼差しを感じます。どっしりと構えるその姿勢からは、作品に掛ける並々ならぬ思いを感じ、分野は違えど同じ芸術家としてのクリンガーの敬意を感じます。椅子の背もたれに飾られた人の首は、不気味ながらも楽しそうにも見え、ヴェートベンの次なる作品を待ち構えているかのようにも見えます。

〈アダムとイヴ〉ルーカス・クラナッハ(父)

(Public Domain /‘Adam und Eva im Paradies’byLucas Cranach the Elder. Image viaWIKIMEDIA COMMONS)※画像はベルリン美術館所蔵のものです

共に著名な画家として知られるクラナッハ親子ですが、こちらは父が制作したもの。製作者が判明しているものに関してはクラナッハ父と表記されることもあります。フリードリヒ三世のお抱え画家として活躍したクラナッハ父の描く女性の裸体は当時の絵画としては珍しく腰がくびれており、性的な色気とともに人間の生命力を感じます。

(Public Domain /‘Portrait of the artist’s father, Lucas Cranach the Elder’by Lucas Cranach the Younger. Image viaWIKIMEDIA COMMONS)

クラナッハ父はこのアダムとイヴの題材を好み、10枚以上も絵にしたためています。ここではリンゴの木には蛇がおり、その蛇にそそのかされたイヴがアダムに知恵の実とも呼ばれるリンゴを差し出しています。人間が知恵を得る瞬間であり、楽園を追放されるきっかけともなった重大な瞬間が描かれています。

○終わりに

開放的で現代的な作りのライプツィヒ造形美術館では、名作を含め多くの絵画や彫刻を鑑賞することができます。ここで紹介した作品以外にも、古典美術が好きな人も、現代美術が好きな人もどちらも楽しめる展示内容となっております。是非一度訪れてみてはいかがでしょうか。

Website:https://mdbk.de/

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※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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