動植物に迫る環境問題

動植物に迫る環境問題はどのようなものがあるのか?また、絶滅危惧種の認定基準や、どのような団体が保護をしているのか?環境問題によって引き起こされている、動植物絶滅の危機への理解を深め、一人一人ができることを考えよう。

私達が暮らす地球には、人類のみならず様々な生物が共存しています。野生生物や、植物など自然界に存在して尊く、生命を育んでいる生物達に危機が迫っているのです。そして、危機の原因が共存している私達人類の手によって引き起こされているという現実をご存知でしょうか?
人類は生活環境を豊かにするために、さまざまな進歩を繰り返してきました。しかし、その代償としてさまざまな犠牲に目をつぶってきたのです。その結果、無関係な動植物に被害が及んでいると言っても過言ではありません。
動植物に迫る環境問題について、私達は知っておくべき義務があるとご理解ください。

1:【動植物に迫る環境問題とは?】

皆さんが、飼っているペットや植物を環境問題が原因で喪ったら悲しい気持ちになりませんか?その気持ちを地球上に存在する全ての動植物に向けることで、助かる命が数多くあるのです。
動植物に迫る環境問題として問題提起されているのは、『環境破壊問題』さらに細分化するならば、その原因はかなりの数になるでしょう。

・環境破壊問題とは?

ひとえに環境破壊と言っても、その内容は複雑であり、さまざまな要因が交わって発生するものもあれば、単体で驚異的な影響を及ぼすものもあります。

「地球温暖化」

この言葉はいたるところで聞くため、馴染みがあるかと思いますが、実際に地球温暖化の対策に貢献している人や、深く理解している人は多くはありません。
では、地球温暖化が動植物に対して、どのように関係しているのか?
地球温暖化による気温の上昇をはじめ、高緯度近くの北極圏や南極では氷塊が溶けだす深刻な環境変化が取り上げられています。それが起因して、動植物が満足な食料や栄養が摂取できないという問題が起きているのです。

「海洋汚染」

水温が1度上昇しただけで、水生生物の生存率が低下するというのはご存知でしょうか?それだけに留まらず、汚染物質によって汚れた海洋は生物が生きられない水質へ変化し、水生生物の生命を奪い続けています。

「森林破壊」

現在、熱帯林では年間600万ヘクタールの速さで減少と劣化が引き起こされています。その原因が、先進国や途上国による、商業目的の伐採と森林地帯への施設建設が起因となり、森林の疎林化や断片化が発生して、動植物へ多大な被害が問題視されています。
森林が破壊されることによって、食物連鎖の崩壊、土壌に含まれる栄養分の枯渇、森林近辺の水質変化や、地球温暖化に付随する問題として大気浄化能力の低下、二酸化炭素の固定能力が失われるといった動植物にとっては、デメリットばかりが存在します。

「大気汚染」

大気汚染物質によって、大気が汚染され地球温暖化に繋がるオゾン層の破壊や、酸性雨が誘発され、土壌汚染をきっかけに森林への被害が問題視されています。

2:【動植物の絶滅危機】

環境問題が発端となり、動植物が減少傾向にあることから、絶滅のおそれがある順にカテゴリー分けを行い管理しています。
The IUCN Red List of Threatened Speciesと呼ばれるリストは、通称『レッドリスト』と呼ばれ、1966年に国際自然保護連合(IUCN)が発行し、世界中の絶滅危惧動植物にランク付けを行なっています。

・レッドリストのカテゴリー

地球上には発見、未発見を含め3,000万種を超える多くの生物が存在していると言われています。
現在IUCNのレッドリストで評価されているのは、9万種。学名が付いている既存生物は173万種となっているため、それに対してかなり少ないと感じます。
しかし、たった9万種の中に25,000千種ほどの絶滅危惧種が存在し、900種はすでに絶滅したとされているのです。

「絶滅(EX)」
すでに絶滅したと考えられる種

「野生絶滅(EW)」
飼育・栽培下あるいは自然分布域の明らかに外側で野生化した状態でのみ、存続している種

「絶滅危惧I類(CR+EN)」
絶滅の危機に瀕している種

「絶滅危惧IA類(CR)」
ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの

「絶滅危惧IB類(EN)」
IA類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの

「絶滅危惧II類(VU)」
絶滅の危険が増大している種

「準絶滅危惧 (NT)」
現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種

「情報不足(DD)」
評価するだけの情報が不足している種

「絶滅のおそれのある 地域個体群 (LP)」
地域的に孤立している個体群で、絶滅のおそれが高いもの

このように、細分化されてIUCNと協力団体によって、監視と管理をおこなっていますが、それでも環境の変化についていくことができず、消えゆく種が後を絶ちません。
2018年現在、年間の絶滅数は4万種と言われています。
ある専門家は、「年間4万種が絶滅している一方で、新種の個体が生まれてきているのも事実」としていますが、誰かが確認しているわけではないので、信憑性には欠けると言えるでしょう。
また、仮に新種が生まれているのが事実だとしても、元々存在していた種が消えることを良しとしては、人類が崩壊する日はそう遠くないのではないでしょうか。

3:【動植物が減少した地球】

環境破壊によって絶滅する動植物が増加すると、生態の循環に多大なる影響を与えることとなります。そして生物多様性の観点からすると、環境破壊を繰り返す人類こそが、もっとも自然に依存している存在だと言っても過言ではありません。
人類が生きていくためには、自然の存在は必要不可欠であり、多大なる恩恵を意識すべきだといえるでしょう。
今後、動植物が減少することによって、環境問題の加速や、人類の食糧難、その他さまざまな分野に影響を及ぼすのは必然だと言えます。

4:【動植物保護の対策】

2018年現在、動植物の絶滅を防止するため、環境問題への対策がとられていて、多国間で協力体制を築いています。

「環境問題への対策」

環境問題の中で、動植物への影響が最も大きい『地球温暖化』に対して各国や、多国間で大気汚染物質の削減や、新エネルギーの導入といった各国と各企業を巻き込んで積極的に対応策がとられている状況です。
しかし、世界中でみると地球温暖化対策に対して後進国が存在しているのもまた事実なのです。

「森林の保護」

森林破壊から環境を守るため、森林を保護する団体も増えてきました。ある保護団体が行う対策の一環として、材木の供給を断つことはできないという考えのもと、現在ある森林の姿を維持しつつ、持続供給できるサイクルを作ろうという動きが活発化しています。
しかし、残念ながら地球上から森林が減少していくペースは早く、保護が追いつかない状況なのです。

・動植物保護のための条約

環境問題のみならず、動植物保護の動きも行われています。

「生物多様性条約」

世界中の動植物保護のための条約です。1992年の地球サミットにて、158ヶ国が参加を表明し、1993年に発行されました。
生態系、種、遺伝子を管理、保護することによって動植物の多様性を守っています。
また、動植物自然生息地の保護と、生息地が過疎化し、生息できない状態だと判断された場合は、生息地以外で繁殖や、遺伝子の保存が必要としています。

そのほかに、『ワシントン条約』がありますが、これは絶滅危惧種の国際取引に関する条約となっています。

・WWF(環境保全団体)とは?

「人類が自然と調和して生きられる未来を目指す」をスローガンに掲げ、活動している団体です。スイスの『WWFインターナショナル』を中心に、80か国以上の国に拠点を設置して、100ヶ国以上の国々で動植物保護のため日々奮闘しています。
前述した、『環境問題への対策』や、『森林の保護』でお伝えした対策を率先して行い、動植物保護の動きを訴えているのです。そのため、各国が提唱する対策、他団体の活動内容など、地球上に存在する環境問題に対する取り組みにも積極的に参加、情報共有を行い尽力しています。

【動植物に迫る環境問題 まとめ】

自然界は別々の種でも密接な繋がりがあり、1種が絶滅したらバランスが崩れ、その他の動植物への影響が考えられるのです。
動植物の絶滅危惧はゆっくりと、しかし確実に進行しているため、多国間の結束によって行われている対策、国家が提唱する対策、WWFのようなNGOが行う対策をよく理解して、個々でもできることをすべき時がきたと言えるでしょう。
環境問題によって引き起こされている、動植物の絶滅危惧は決して無視できない問題であると同時に、放っておけば誰かが解決してくれるという甘いものでものなければ、他人事ではないのです。

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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