アルケン近代美術館:現代美術の帆船に乗って、新たな芸術に触れる美術館

アルケン近代美術館は、デンマークの首都コペンハーゲン南部イショイという街にある現代美術館です。訪れる人たちから建物を見て、「海岸に打ち上げられた難破船」、もしくは「軍艦船」などと呼ばれています。アルケン近代美術館は1996年に開館して以来、1990年以降の現代美術を中心とした作品が所蔵・展示されています。展示品だけでなく、建物からカフェ、ショップまで、余すことなく堪能できることから、一日中居ても飽きない場所となっています。

■アルケン近代美術館

アルケン近代美術館は1996年に開館した、デンマークの首都コペンハーゲンの南部に位置するイショイにある美術館です。訪れる人たちから「海岸に打ち上げられた難破船」や「軍艦船」とも呼ばれています。アルケン近代美術館の建築は、デンマークの建築家であるソーエン・ロバート・ルンドが手掛けた建築です。彼がまだ25歳、学生のときに設計コンペで優勝し、設計者の座を勝ち取ったほどの実力の持ち主。そんな彼が船のデザインを取り入れたのには、海に対しての敬意を表しているためです。

海に近く、美術館建築も余すことなく堪能できるアルケン近代美術館は、観光にとてもオススメの美術館です。

■アルケン近代美術館の所蔵品・展示

アルケン近代美術館には、1990年以降に制作された現代美術作品約300点以上が展示・所蔵されています。世界的にも評価されている展示内容は、美しいものから少々過激なものまでと、様々。中には少しグロテスクと思える作品があり、私たちの想像を超えた現代美術が展示されています。

・《Love’s Paradox》 2007年 ダミアン・ハースト

本作品は、現在も活躍しているイギリスの現代美術家で「ヤング・ブリティッシュ・アーティスト」のメンバーである、ダミアン・ハーストによる作品です。

真ん中から真二つに切り裂かれた下半身欠損の牛2頭が、ホルムアルデヒドに保存されているという、なんとも衝撃的な作品です。

普通の美術館でも目にすることのない、ホルマリンに漬かった衝撃的な作品が、アルケン近代美術館には堂々と展示されています。

ダミアン・ハーストはイングランド西部の街、ブリストルで生まれ、その後北部の街リーズで育ちました。ダミアン・ハーストは12歳の時に父が家を出てしまいます。それ以降、万引きで逮捕されるなど、荒れた生活を送っていました。

しかし、ダミアン・ハーストに人生の転機が訪れます。現在のリーズアーツ大学卒業後、建築現場で2年間働きました。その後1986年から1989年の3年間、ロンドン大学のゴールドスミス・カレッジでも学び、ダミアン・ハーストは現代アートをけん引し続けるまでに成長を遂げます。1991年には初の個展を開くまでになりました。

このころから、生と死をテーマとした、死んだ動物や薬品瓶などを使った作品のスタイルが確立していきます。それと同時に、白いキャンパスに彩り豊かな反転を配置する”スポット・ペインティング”も描き始めています。

ダミアン・ハーストが織りなすショッキングなホルムアルデヒド漬けの動物を扱う作品は、避けられない生や死を考えるという意図がありますが、発表当初イギリス国内では残酷すぎる、芸術作品ではない、という批判もありました。

それにも屈しなかったダミアン・ハーストは、1993年にイギリス代表としてヴェネチアで行われた国際美術展覧会に出展し、1995年にターナー賞という50歳以下のイギリス人、もしくはイギリス在住の美術家に送られる賞を受賞します。これにより、ダミアン・ハーストはイギリスでも最重要な芸術家となりました。

・ 《Din blinde passager (Your blind passenger)》 2010年 オラファー・エリアソン

本作品は、デンマークを代表する現代美術家オラファー・エリアソンによる、期間限定の作品です。

前の人から1.5メートル離れてしまうと、その存在自体も不確かになってしまう、霧が立ち込める不思議な通路。美しさの反面、不安も抱いてしまいそうな不思議な空間です。

オラファー・エリアソンは、デンマーク生まれアイスランドの芸術家です。現代美術の中でも、設置場所に応じてオブジェや空間を作り出すことで作品を生み出す「インスタレーション作品」を多く制作しています。

自然現象や建築に興味を持っていることから、空間を作る際に自然現象を彷彿させるような手法をとっています。そのため、鑑賞者は視覚などの感覚を動かされ、また彼自身も、それを意図として作品を作り上げています。

彼はデンマークの首都コペンハーゲン生まれですが、アイスランドの国籍も持っています。1989年から1995年までの6年間、デンマーク王立美術院アカデミーで芸術について学んでいます。

オラファー・エリアソンを有名にしたのは、「ウェザー・プロジェクト」というインスタレーション作品の企画です。オラファー・エリアソンはそこで、沈まない太陽を模した模型と、加湿器を置き砂糖と水を合わせた霧を発生させ、さらに天井一面に鏡を張った不思議な空間を制作しました。

■おわりに

アルケン近代美術館には、これ以外にも数多くの現代美術コレクションを所蔵しています。また、建物の建築様式もさることながら、常設展以外にも、いくつかの特別展もおこなっているので、見応えが満載な美術館です。

シンプルでカッコイイ船のような建物の中で現代美術の不思議な空間を満喫したあとは、カフェやショップも楽しみましょう。特にカフェでは、海を眺めながら美味しいコーヒーもいただけます。

アルケン近代美術館は海に近い場所にありますので、防寒対策はしっかりとしていきましょう。

公式ホームページ

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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