楽器博物館:ブリュッセルで世界中の楽器の歴史に酔いしれる

楽器博物館とは

ベルギーの首都ブリュッセルは、世界中の重要機関が置かれている都市です。また、「小パリ」と呼ばれる市街地の街並みは、世界遺産に登録されるほどの美しさを誇っています。

ブリュッセルにある楽器博物館は、旧百貨店オールイングランドの建物(アールヌーヴォー様式)をそのまま改装しました。そのため、博物館というより百貨店のような外観をしています。

最上階にあるレストランは、目を見張るほどの美しい景観で、地元の人々からも大変人気の高い店です。チケット売り場で「レストランのみの利用」と伝えると、無料で入場する事も出来ます。また、建物にあるエレベーターは、現在ほとんど見掛けなくなった手動開閉タイプです。1978年に国がこの建物を買い取ってから、2000年の博物館オープンまで、実に20年以上もの時間をかけてメンテナンスを繰り返してきました。

楽器博物館の収蔵品

楽器博物館では、世界中から集めた1500点以上もの楽器達に酔いしれる事が出来ます。世界の国や民族の数だけ音楽も発展し、それを支えてきた物が「楽器」なのです。特に民族楽器は、娯楽として楽しむ物ではなく、神に捧げる音楽として重宝してきました。

館内は、各階ごとに楽器が分類されており、世界中に存在する楽器の多さに驚かされます。特に民族楽器の階では、見慣れない楽器が多いため、無料音声ガイドを使用して概要を学ぶと良いでしょう。また、楽器博物館には小規模なコンサートホールも併設しています。音楽会やイベントを定期的に開催し、子供達が音楽に触れる機会を設けているのです。また、楽器は美術表現の場としても使われ、美しい模様を描いた楽器も多数展示しています。

『Promotional clip filmed at the mim by Lunanime』

(Lunanimeがmimで撮影したプロモーションクリップ)

〈日本の楽器〉

楽器博物館の展示品は、ヨーロッパの楽器が中心ですが、琴や三味線など、日本の楽器も展示しています。琴の歴史は非常に古く、現在日本で使用している形は、奈良時代に中国から伝来した物のようです。現在では、琴を趣味にする人は少なくなってしまいましたが、その雅で美しい音色は、私達の生活に息づいています。また三味線は、その豪快な演奏スタイルが注目を集め、世界の人々を魅了し続けています。

〈数々のピアノ〉

ピアノは、美しい音色からダイナミックな音色まで、様々な感情を表現する事が出来る楽器です。特にヨーロッパでは古くから愛されており、長きに渡る変遷によって多くのピアノが誕生しました。現在のピアノとは似ても似つかない形をしていますが、「楽筒」という楽器がピアノの祖先と言われています。(別名:筒型チター)

最終的に「板型チター」と呼ばれる形へ発展すると、棒や指、ピックなどを使って演奏するようになります。その後、多くの人々がピアノの美しい音色を身近に体験出来るよう、発明が進められてきました。

曲線の形に配置された鍵盤を持つピアノも展示しており、その滑らかで美しい配置に驚かされます。一時期は良く作られていたようですが、主流になる事は無く、歴史の片隅へと消えていきました。ピアノの天板には、美しい装飾が施された物もあります。ピアノと絵画の融合は、昔から人々の関心の場であり、表現の場としても使用されてきました。ピアノが多くの変遷を辿ってきたのは、それだけ人々に愛されてきた証拠なのでしょう。

『Restoring the ‘piano-viole’, an adventure in sound』

(音の冒険「ピアノ・ヴィオーレ」の復活)

〈西洋楽器から民族楽器まで〉

かつて、19世紀のヨーロッパで愛用されていた「コンポニウム」は、大きなオルゴールのような見た目と、美しい装飾が施されています。円柱を回す事で、コンポニウムに組み込まれている数十曲の中から音色を選び、演奏する仕組みです。そして、コンポニウムに描かれている絵と演奏は、私達を幻想の世界へと誘ってくれます。

インドの民族楽器シタールは、古くからインドに伝わる民族楽器です。ギターや三味線のような見た目で、19本の弦から織り成される音色が人々の心を落ち着かせてくれます。近年のシタールは、伝統音楽だけに留まらず、ヒップホップなどにも使用されるようになりました。そのため、インド以外にも多くの人々の目に触れる機会が増えてきたのです。

『What Does The Sitar Sound Like? | Discover Instruments |Classic FM』

(シタールはどのように聞こえますか? |楽器を発見する|クラシックFM)

終わりに

楽器とは、人々にとって心を落ち着かせてくれる物です。多くの楽器を展示している楽器博物館で、楽しい一時を過ごしてみてはいかがでしょうか。

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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