ウティーム・ガンドゥヴァル:モルディブ独立の英雄のかつての生家

ウティーム・ガンドゥヴァルはモルディブの英雄の生家を保存し、公開している博物館です。敷地内にある3つの建物はそれぞれ個性豊かで、砂浜に映える美しい佇まいを披露しています。博物館ではガイドが付き添い、建物や英雄について解説してくれます。また、開かずの扉や景色が反転する壁の穴など、摩訶不思議な見どころが満載です。モルディブ随一の観光スポット。ウティーム・ガンドゥヴァルの歴史や見どころを紹介します。

◾︎ウティーム・ガンドゥヴァルとは

ウティーム・ガンドゥヴァルがあるのはインド洋に浮かぶ島国、モルディブ共和国です。モルディブは三日月のモチーフが輝く国旗がシンボルの国で、12世紀以降イスラム教国家として歴史を紡いできました。1965年にはモルディブ・スルターン国として独立を果たし、1968年に共和制に移行しています。コバルトブルーの美しい海と透き通るような白い砂浜が有名なモルディブは、世界屈指のリゾート地として有名です。

そんなモルディブで英雄として尊敬を集めているのが、モハメド・タカルファーヌです。タカルファーヌは1558年から1573年まで及んだ、ポルトガルによるモルディブの占領を終わらせた立役者です。彼は兄弟や仲間とともにモルディブの自由を勝ち取るために戦い、歴史的な勝利を獲得しました。この歴史的な勝利を記念して、イスラム暦の3月1日は祝日とされ、モルディブ各地で英雄をたたえるためのお祭りやイベントなどが開催されています。

ウティーム・ガンドゥヴァルはモハメド・タカルファーヌが生まれ育った家として人気を集める博物館です。モルディブ北部のハーアリフ環礁にあるウティーム島の一角にあります。船着場にはタカルファーヌが使用したとされる船のレプリカが展示されており、現在もモルディブの英雄の偉業をたたえ続けています。

ウティーム・ガンドゥヴァルは英語でいうとウティーム・パレス、すなわち宮殿を意味する言葉です。モルディブで随一の歴史的建造物とされており、白い外壁や赤茶色の屋根が異国情緒を感じさせてくれます。入口の門をくぐると巨大な庭が広がり、敷地内には趣が異なる3つの建物が建てられています。

残念ながら内部の写真撮影は禁止されていますので、外観の撮影のみで我慢しましょう。

◾︎ウティーム・ガンドゥヴァルの見どころ

ウティーム・ガンドゥヴァル内部には、モハメド・タカルファーヌが暮らしていた当時から使用されていた家具や調度品がそのまま公開されています。見学を通して、英雄の暮らしぶりや人柄を垣間見ることができるでしょう。館内ではひとつのグループにつき一人のガイドが付いてくれるので、住居の歴史や調度品にまつわるストーリーについて英語で解説を受けることができます。

また、ウティーム・ガンドゥヴァルにはいくつか摩訶不思議な出来事が起こる場所があるといいます。博物館の見どころはまさしくそこでしょう。ここからは、ウティーム・ガンドゥヴァルの主な見どころを紹介します。

・開かずの扉

モルディブの英雄モハメド・タカルファーヌが暮らしていた時代に、あるひとつの扉が突然開かなくなってしまいました。その扉は未だに開くことがなく原因も解明されていません。これまでに多くの人がその扉を開けようと試みましたが、ちっとも開く様子がみられなかったのだとか。この扉は開かずの扉とされ、博物館のひとつの見どころとなっています。最後に扉が閉じたときの様子については、ガイドさんが教えてくれますよ。

開かずの扉は実際に開くかどうか試すこともできます。もしあなたが開けることができたら、モルディブの歴史に名前が刻まれるかもしれません。ぜひチャレンジしてみてください。

・景色が反転する不思議な穴

ウティーム・ガンドゥヴァルには科学博物館などにある景色が反転するレンズなしで、景色が反転して見える不思議な壁の穴があります。ただそこにある穴を覗くと、見える景色がすべて反転するのだとか。謎に満ちた神秘の覗き穴です。

・モルディブ式のブランコ

ウティーム・ガンドゥヴァルの敷地内には通常のブランコよりも座面が広いモルディブ式のブランコがあります。まるでソファのように座面が広いこのブランコは、モルディブで現在も親しまれている遊具です。ですが、このブランコにもひとつの不思議な現象が起こるのだとか。なんとブランコの近くに誰もいないのに、揺れることがあるそうです。こうした摩訶不思議な現象は、ウティーム・ガンドゥヴァルではよく起こるといいます。見学と合わせてぜひ楽しんでみてください。

◾︎おわりに

モルディブにあるウティーム・ガンドゥヴァルの歴史や見どころを紹介してきました。ポルトガルによる占領時代を終焉に導いた英雄ゆかりの場所として、モルディブの人々に特に愛されている観光スポットです、モルディブのなかでも北端に位置しているため、どこかのついでに立ち寄ることは難しいかもしれませんが、国内随一の美しさを誇るウティーム島の散策と合わせて穏やかな時間を過ごしてみてください。

モルディブは美しい海と砂浜が魅力のリゾート地です。海で豊かな時間を過ごしたら、ぜひ街に散策に繰り出してみてください。首都のマレにあるモルディブ国立博物館は国の歴史や海洋生物に関するコレクションが充実した施設です。仏教国からイスラム教国に変化したモルディブの歴史や、豊かな生態系の神秘に迫ることができるでしょう。マレのスルタンパーク内にあるのでアクセスも容易です。ぜひ併せてお立ち寄りください。

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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