トレンチタウン・カルチャー・ヤード・ミュージアム:ボブ・マーリーが少年時代を過ごした家

トレンチタウン・カルチャー・ヤード・ミュージアムは、ジャマイカを代表するレゲエミュージシャン、ボブ・マーリーが少年時代を過ごした家です。当時の状況を維持した家は、博物館として公開されています。カルチャー・ヤードの敷地内にはボブ・マーリーの像、愛用したギター、少年時代を過ごした部屋、ボブ・マーリーの愛車など、レゲエの神様にまつわる場所やコレクションがあります。トレンチタウン・カルチャー・ヤード・ミュージアムの歴史や見どころを紹介しましょう。

トレンチタウン・カルチャー・ヤード・ミュージアムとは

中央アメリカに位置する立憲君主制国家のジャマイカは、南北アメリカ大陸で3番目に英語話者が多いことで知られています。

(※画像はダウンタウンです)

首都のキングストンはジャマイカでもっとも発展した大都市で、ニュー・キングストンとダウンタウンの2つのエリアに分かれています。

(※画像はニュー・キングストンです)

キングストンのスラム街トレンチタウンはレゲエ発祥の地として、世界中のファンから熱視線を浴びています。

そんなレゲエの聖地ともいえるトレンチタウンに、トレンチタウン・カルチャー・ヤード・ミュージアムがあります。「レゲエの神様」として圧倒的な人気と尊敬を集めたミュージシャン、ボブ・マーリーが少年時代を過ごした家です。ミュージアムではボブ・マーリーが暮らしていた当時の状態を維持・再現し、博物館として一般公開しています。

1945年にジャマイカのナイン・マイルズに生まれたボブ・マーリーは、10歳のときに父親と死別。経済的な困窮に苦しむことになりました。そのときに母親とともに移り住んだのが、キングストンのスラム街にあたるトレンチタウンでした。14歳のときにボブ・マーリーは学校を辞め、音楽で生きていくことを決意します。ジャマイカ出身のミュージシャン、ジョー・ヒッグスに音楽とラスタファリ運動の思想を教わり、その後の飛躍を遂げていきました。しかし15年近くその活躍を見せてきたボブ・マーリーは、1977年に悪性の皮膚がんと診断され、1981年5月11日、36歳の若さでこの世を去りました。

生前のボブ・マーリーの活動と切り離せない関係にあるのが、ジョー・ヒッグスに教えを受けたラスタファリ運動(宗教的思想運動)です。エチオピアニズムを背景に持つこの運動は、ボブ・マーリーが音楽に乗せて発信したことでより一層世界に浸透していきました。緑、黄、赤のラスタカラー、菜食主義、トレードマークのドレッド・ヘアーなど、すべてこの運動と大きく関係しています。ボブ・マーリーの存在は、ラスタファリ運動にとっても非常に大きなものでした。

そんなジャマイカの英雄ともいうべきボブ・マーリーが少年時代を過ごした家が、観光地として人気を集めているのは必然でしょう。壁には緑、黄、赤のラスタカラーが描かれ、敷地内に歩みを進めると砂利敷きの庭がお出迎えしてくれます。なんでもトレンチタウン・カルチャー・ヤード・ミュージアムには、イギリスのチャールズ皇太子が訪れたこともあるそうです。

レゲエの神様ボブ・マーリーが少年時代を過ごした家。トレンチタウン・カルチャー・ヤード・ミュージアムには、いったいどのような見どころがあるのでしょうか。

トレンチタウン・カルチャー・ヤード・ミュージアムの見どころ

トレンチタウン・カルチャー・ヤード・ミュージアムは、壁に囲まれた庭にいくつかの建物がある施設です。中にはボブ・マーリーの像や少年時代を過ごした部屋、愛用していたギターが展示されています。また、ボブ・マーリーの愛車、フォルクス・ワーゲンのバンも軒先に置かれています。展示のどれもこれもが、ファンにとってはたまらない見どころでしょう。

ここからはトレンチタウン・カルチャー・ヤード・ミュージアムのなかでも、主要な見どころを紹介します。

(※画像はイメージです)

ボブ・マーリーの像

庭に設置されているのが、ボブ・マーリーを忠実に再現した像です。黒い靴、デニムのズボン、デニムのジャケット、トレードマークのドレッド・ヘアーまで、本物と見紛うばかりのファッションには脱帽です。左手は高らかに空に向かって掲げており、右手にはギターを握っています。今まさにステージ上でのパフォーマンスの最中でしょうか。目を閉じて祈るような表情を浮かべながら、ボブ・マーリーは大きく口を開いています。

カルチャー・ヤードを訪れたら、まずこの像と記念撮影をすることがお約束でしょう。訪れた人の多くが、同じポーズを取りながらボブ・マーリーと一緒に写真を撮っています。あなたも恥ずかしがらずに、ぜひ左手を空に掲げて思い出を残してみてはいかがでしょうか。

ボブ・マーリーが少年時代を過ごした部屋

緑、黄、赤のラスタカラーのベッドカバーが目を引く部屋は、かつてのボブ・マーリー少年が過ごした場所です。手狭なベッドにコンクリート製のテーブル、2つ穴が空いた家具はコンロでしょうか。広さにして約3畳から4畳ほどの手狭な空間です。無機質なコンクリートの壁に囲まれながら、少年時代のボブ・マーリーはどのような思いを巡らしていたのでしょうか。スターの背景が如実に分かる、貴重な公開スペースとなっています。

ボブ・マーリーが乗っていた車

家の軒先に置かれているのが、ボブ・マーリーが愛用していたフォルクスワーゲンのバンです。水色のカラーリングがあざやかですが、屋根や内部はサビついており、おそらく動くことはないでしょう。前輪は外れ、後輪はパンクした痛々しい姿です。ヘッドランプも外れており、ほぼボディだけの状態といえます。ですが、車内に入ることができ、運転席に座って記念撮影をすることもできます。運転席に座れば、若き日のボブ・マーリーの姿が脳裏を過ぎるかもしれません。

(※画像はキングストンの景色です)

おわりに

ジャマイカのキングストンにあるトレンチタウン・カルチャー・ヤード・ミュージアムの歴史や見どころを紹介してきました。レゲエの神様、ボブ・マーリーの軌跡を知るのに、ここ以上の場所はそうそうないでしょう。キングストンを訪れたら、必ず足を運んでおきたいスポットです。庭にはいつもトレンチタウンの子供たちが集まり、歌やギターの練習をしています。レゲエの神様の魂が、脈々と受け継がれている事実を実感するでしょう。

また、キングストンにはボブ・マーリーが晩年を過ごしたボブ・マーリー博物館があります。ボブ・マーリーがおよそ6年間を家族とともに過ごした場所です。

ステージ衣装や愛用のギター、寝室などが公開されていますので、トレンチタウン・カルチャー・ヤード・ミュージアムと合わせてぜひ訪れてみてください。

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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