バガン考古学博物館:ミャンマーの貴重な考古学コレクション

ミャンマーの世界遺産地区バガンにあるのがバガン考古学博物館。バガンの仏塔や遺跡からの貴重な品々を展示した博物館です。美しく巨大な寺院のような建物内では、バガン伝統の服装や芸術作品、仏像などのコレクションが公開されています。総数3,000以上の仏塔や寺院があるバガンを訪れたら、必ず見ておきたい施設のひとつでしょう。ミャンマーのバガンにあるバガン考古学博物館の歴史や見どころを紹介します。

バガン考古学博物館とは

バガン考古学博物館があるのは、東南アジアの国ミャンマーです。ミャンマーは世界でも有数の仏教大国として知られており、また多様な民族文化が根付いていることでも有名です。1948年に独立を果たした当初の名称はビルマで、1989年にミャンマーに改称され現在に至ります。

バガン考古学博物館があるのは、東南アジアの国ミャンマーです。ミャンマーは世界でも有数の仏教大国として知られており、また多様な民族文化が根付いていることでも有名です。1948年に独立を果たした当初の名称はビルマで、1989年にミャンマーに改称され現在に至ります。博物館の名前にあるバガンとは世界三大仏教遺跡に数えられる場所で、カンボジアのアンコールワットやインドネシアのボロブドゥールと並び称されています。ミャンマーでも屈指の仏教の聖地といわれており、ビルマ最初の統一国家、バガン王朝の都があった場所でした。仏塔や寺院の数はおよそ、3,000以上とも言われており歴史、文化は世界的な評価を集め、2019年にユネスコ世界遺産に認定されています。

バガン考古学博物館はそんなバガンの中心地、オールドバガンにあります。博物館は1904年に旧考古学博物館として開館しました。そして1995年に建て替えがおこなわれ、1997年に現在の建物で再開館を迎えています。3階建ての建物は8角形をベースにデザインされており、まるで仏教の寺院のようなたたずまいです。建物は細部まで装飾がされており、豪華な印象を与えます。自然の中に溶け込んだオレンジ色の屋根は、華やかながら落ち着いた雰囲気を醸し出しています。

バガン考古学博物館では、仏教の聖地バガンの貴重なコレクションを一堂に見学することができます。博物館内でみられるコレクションは、いったいどのようなものがあるのでしょうか。

バガン考古学博物館の見どころ

バガン考古学博物館に展示されているのは、主にバガンにある仏塔や寺院、遺跡から運び出されたものです。これらの品々を所蔵する目的のひとつは管理と保存でしょう。コレクションの中心にあるのは大きくわけて石碑と石像、そして古代の遺物です。また、バガンが栄えた当時の伝統的な衣装や人々の暮らしを再現したジオラマや、巨大な寺院の模型も展示されています。なかでもユニークな展示は女性のヘアスタイルを再現したものです。頭の上や後ろで結っているバリエーション豊かなスタイルから、当時の美意識が伝わってきます。

建物の1階にあるのはバガン時代の芸術作品です。絵画や文学作品、彫像などジャンルもさまざまで、細やかな装飾からは当時の技術力の高さが伺えます。絵画は寺院や遺跡をモチーフにしたものも多く、古くの歴史を現在に伝える貴重な資料となっています。対して2階のメインテーマは宗教です。さまざまなポーズをとった仏像や古代の壁画などに焦点を当てて展示しています。

ここからは、バガン考古学博物館の主要な見どころを紹介しましょう。

ピュソティー王の像

バガン王朝には55人の王がいたとされており、ピュソティー王はそのうちの3番目の王となった人物でした。ピュソティー王の像は建物の正面にあり、博物館のシンボルとなっています。天に向かって堂々と弓矢を構え、迫力のあるポーズを披露しています。顔に浮かべたわずかな微笑みは、王としての威厳と心の余裕を表現したものでしょうか。

ピュソティー王の像は、5種類の動物像を従えています。それらはかつてバガンを困らせていた虎や鳥、猪のような動物たちで、ピュソティーが構える巨大な弓矢によって退治されたといわれています。王と5種類の動物像は博物館のパンフレットの表紙を飾る人気者です。訪れたらまず写真撮影はしておきたいところでしょう。

(※画像はイメージです)

ミャンマーのロゼッタストーン

ロゼッタストーンといえば、1799年にエジプトのロゼッタで発見されたものが有名です。3つの異なる言語で文章が刻まれたロゼッタストーンは、エジプトの古代文字であるヒエログリフをはじめ、エジプトの言語を解読するための大きな足がかりとなりました。現在はイギリスの大英博物館に所蔵され、日々大勢の観光客がロゼッタストーンを目当てに訪れています。

バガン考古学博物館には、エジプトのロゼッタストーンと同様に言語解読に大きな飛躍をもたらした石が展示されています。『ミャンマーのロゼッタストーン』といわれる石の正式な名称はミャーゼディー碑文。碑文が見つかった寺院の名前を冠しています。ミャーゼディー碑文にはパーリ語とピュー語、モン語と古ミャンマー語の4つの言語で同じ内容の文章が刻まれています。4面に文章が刻まれた石が放つ神秘的な雰囲気は、好奇心を刺激してやみません。

これらの言語のなかでも、特にピュー語の解読は進んでいませんでした。しかし、ミャーゼディー碑文の発見により、ピュー語の解明に大きな飛躍が起こったのです。その歴史的な役割と希少な価値から、ミャーゼディー碑文はユネスコ世界記憶遺産に認定されています。博物館を訪れたら、ぜひミャンマーのロゼッタストーンを見学してみてください。

おわりに

ミャンマーのバガンにあるバガン考古学博物館の歴史や見どころを紹介してきました。世界三大仏教遺跡の一角にある博物館では、地域一帯の歴史の流れや貴重な品々を惜しげもなく公開しています。古代からの歴史の変遷を、圧巻のコレクションを通して感じてみてください。古代ロマンを感じることで、バガン観光をより一層楽しめるようになるはずです。

博物館の周辺には、およそ3,000以上の仏塔や寺院が立ち並ぶ、広大なバガンの歴史地区があります。シュエズィーゴン・パゴダは金色の仏塔で、仏陀の骨と歯が納められているといわれる神聖な場所です。アーナンダ寺院はバガンで最も美しいといわれる寺院で、高さ約50mの金色塔が目を楽しませてくれるでしょう。古くからの歴史が根付く仏教の聖地バガン。ミャンマーを訪れたときは、ぜひ足を延ばしてみてください。

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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