パキスタン国立博物館:希少なコインや歴史的な彫刻群

パキスタンを訪れたらぜひ足を運んでいただきたいのがパキスタン国立博物館。先史時代から始まるパキスタンの歴史をまとめて展示した博物館です。11のギャラリースペースで展示されるのは、かつて使用されていた武器や防具、人々の生活風景を再現したジオラマ、総数58,000枚にもなる圧巻のコイン・コレクションなどです。歴史的な価値も高いコレクションの数々は、パキスタンを訪れたら必見といえるでしょう。パキスタン国立博物館の歴史や見どころを紹介します。

パキスタン国立博物館とは

パキスタン国立博物館があるのは、南アジアに属する国パキスタンです。パキスタンには、紀元前2500年から紀元前1800年にかけて栄えたインダス文明にまで遡る古い歴史があり、1947年に印パ分離(インド・パキスタン分離独立)によりイギリスから独立を果たしました。博物館はそんなパキスタンの最大都市カラチにあります。カラチは人口2,000万人を超える世界有数のメガシティで国内の経済や金融の中心地として栄え、観光スポットも豊富なことから観光都市にもなっています。

パキスタン国立博物館があるのは、カラチにあるバーンズ・ガーデンの敷地内です。カラチのほぼ中心地にあるため、アクセスも容易です。設立されたのは1951年で、1970年に現在の場所に移転してきました。パキスタンで唯一の国立博物館として、豊富なコレクションを公開しています。現地の人々からの人気も高く、足を運んでいる家族も多くいます。

博物館の建物は正面に施された幾何学模様が印象的なデザインです。屋根はまるで波のようにジグザグを描いており、遠くからでもすぐにその存在に気付くでしょう。ガラスを多用した建物は、空間に溶け込むモダンなデザインで、公園の自然と見事に一体化しています。屋外には大きな車輪を使った砲台が展示されており、見学の気分をグッと盛り上げてくれます。

博物館の館内はおよそ11のギャラリースペースが用意されています。パキスタンの民族文化を紹介したブースなど、個性に溢れた展示空間自体も注目でしょう。博物館の展示を巡ることで、パキスタンの歴史を紐解けるはずです。次は博物館の見どころを紹介しましょう。

パキスタン国立博物館の見どころ

パキスタン国立博物館で公開されているのは、先史時代やパキスタンの発祥となったインダス文明、パキスタンの建国にまつわるコレクションです。特にパキスタン南部に関する資料は充実しています。伝統的な民族衣装や人々の様子を描いた絵画、傘や彫刻など、コレクションのジャンルも幅広いです。骨董品の壺や仏像のバリエーションの広さには驚くでしょう。

(※画像はイメージです)

また、総数58,000枚にもなるコイン・コレクションは博物館の目玉のひとつ。古代から現代に歴史を駆けてきたコインの変遷にはきっとため息が出るでしょう。ほかにはパキスタンの伝統的な武器や防具の数々も人気を集める展示です。鎖かたびらのような重厚な装備や短剣や長剣、盾や銃など、ここでは挙げきれないほどにその種類は充実を極めています。

生活風景を再現したジオラマでは、パキスタンの人々の日常を垣間見ることができます。父親であろう男性は椅子に座り、肩から伝統的な模様の布をかけてくつろいでいます。何か思いふけっているのでしょうか。手には長い枝が握られており、陶芸のろくろのようなものに視線を落としています。奥に座る母親であろう女性は、鮮やかな緑色の服と頭から赤いケープを羽織り、織り機のような台に足を伸ばしています。手前に座った子供は、本の世界に没頭しているかのようです。

こうした何気ない日常を見られるのも、博物館の魅力のひとつでしょう。異国の暮らしを学ぶ絶好の機会になるはずです。

ここからは、博物館のなかでも主要な見どころを紹介します。

(※画像はイメージです)

神官王の胸像

神官王の胸像は、パキスタン国立博物館きってのコレクションです。次に紹介するモヘンジョダロ・ルーム内の一角に展示されています。高さ17.5cmの胸像は、インダス文明の遺跡から発掘されました。純白の胸像はのっぺりとした表情をしており、目は細長くうつろな印象を与えます。たっぷりとしたヒゲをたくわえており、人物の持つ威厳も感じさせるでしょう。ヘッドバンドや肩から斜めにかけられたみつば模様の布からは、かつての神官としての様子が如実に伝わってきます。ガラスケースに囲まれた胸像は、歴史的な価値も相当なものでしょう。見逃せない博物館の至宝です。

モヘンジョダロ・ルーム

「モヘンジョダロの考古遺跡」は、1980年にユネスコ世界遺産に認定されたパキスタンにある遺跡です。紀元前2500年から紀元前1800年にかけて栄えたインダス文明の遺跡で、モヘンジョダロは現地の言葉で「死の丘」を意味しています。地元の人々はその存在を恐れるあまり、近寄ることはありません。モヘンジョダロ・ルームで公開されているのは、そんなモヘンジョダロで発掘された貴重なコレクションです。謎が多い神秘の遺跡の至宝ともいえるでしょう。

(※画像はグジャラート州ロータルで発見されたテラコッタのおもちゃです)

博物館の至宝である神官王の胸像や、牛車をかたどった土偶など、ここでしか見られないコレクションは必見でしょう。古代の歴史を理解するための、またとない機会となるはずです。

おわりに

パキスタンの国立博物館の歴史や見どころを紹介してきました。展示されたコレクションを通して、パキスタンの歴史を紐解くことができるでしょう。歴史を重ねた武器や防具、人々の生活風景を再現したジオラマ、インダス文明の希少な出土品など、見どころといえるコレクションは豊富です。パキスタンを観光する前に立ち寄れば、より楽しむことができるでしょう。

国立博物館があるカラチには、国内きっての観光スポットが豊富にあります。例えばパキスタン創設者、ムハンマド・アリー・ジンナーの霊廟は、真っ白な外観と特徴的な球状のデザインが個性的です。

カラチで最も美しいといわれる建物のひとつ、モハッタ・パレスは、タイルや陶器の博物館として多くの観光客を集めています。カラチは見どころが沢山詰まった観光都市といえるでしょう。

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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