プマプンゴ博物館:エクアドルの先住民の歴史を巡る博物館

エクアドルにあるプマプンゴ博物館は、先住民の歴史を中心にコレクションを公開している博物館です。コンクリート造りのモダンな建物は銀行の敷地内に建てられており、とても洗練された印象があります。館内は4つのフロアに分かれており、エクアドルの民族文化のほか、希少なコインコレクションも公開しています。また、2017年にバチカンから返還された先住民の「干し首」は、博物館のハイライトでしょう。プマプンゴ博物館の歴史や見どころを紹介します。

プマプンゴ博物館とは

南アメリカ大陸西部に位置する国エクアドルは、スペイン語で「赤道」を意味する共和制国家。首都のキトは新市街と旧市街で構成されており、旧市街はその歴史的な経緯と街並みから世界遺産に認定されています。プマプンゴ博物館があるのは、エクアドルの首都キトから飛行機で1時間ほどの距離にある町クエンカです。クエンカはエクアドルの中南部にあり、植民地時代の美しい街並みが評価を受け、1999年に世界遺産に認定されました。

そんなクエンカにプマプンゴ博物館が設立されたのは1979年のことです。銀行の敷地内に建てられた博物館は、驚くほどにモダンな印象。縦に入った格子模様が特徴的な、コンクリート造りの建物です。正面左手には黄、青、赤の椅子のようなマークが描かれ、とても際立ってみえます。

また、裏手にはインカ時代の遺跡が保存され、観光名所となっています。

博物館の入場は無料です。館内に入るとまず目を引くのは、ビビッドな色使いの巨大なアート作品でしょう。鳥や太陽、都会の高層ビルをデフォルメしたような作品で、カラフルな色彩が見学気分をグッと盛り上げてくれます。受付を済ませたら、早速館内に進んでいきましょう。

博物館は大きく4つのフロアに分かれています。1階は時期ごとに異なる企画展が開催されていますので、訪問前に内容をチェックしておくのもよいでしょう。2階、3階は博物館のメインともいえる、エクアドルの民族文化に関するコレクションが展示されています。詳細は次章で紹介しますが、民族衣装や生活風景を再現したジオラマなど、見応えは十分です。地下階ではエクアドルの硬貨や紙幣が展示されており、さすが「銀行に併設されている博物館」といえます。

(※画像はイメージです)

プマプンゴ博物館の見どころ

プマプンゴ博物館のコレクションは幅広いジャンルを揃えています。絵画や彫刻などのアート関連のものから、メインとなる民族文化に関するものまで多数あります。エクアドルの通貨は現在、米国ドルが使用されていますが、それ以前に流通していた硬貨や紙幣などが主要なコレクションとなっています。

(※画像はイメージです)

民族文化に関する展示では、先住民のものらしきお面のコレクションが特に人気を集めています。サル、トラ、オオカミなど、さまざまな動物を模したお面の数々は壁に掛けられ、正面を一心に見つめています。なかには想像上の動物であろうユニークな形状をした物もあります。あなたのお気に入りの1枚を探してみるのも楽しみかたのひとつです。ほかにも民族文化を象徴する楽器や、華やかな装飾が施されたアクセサリーなど、種類豊富な展示があります。

ここからは、プマプンゴ博物館のコレクションの主要な見どころを紹介しましょう。

先住民族シュアル族の干し首

博物館の目玉といえるのが、先住人族シュアル族によって作られた本物の「干し首」の展示。静かに目を閉じ、まるで瞑想しているかのように穏やかな表情を浮かべた干し首は、敵の戦士、もしくは一族の英雄をミイラ化したものでしょう。大きさは人間のこぶし大で、白く長い髪は後ろで結われ、同様に長い口髭も3つに分けて縛られています。この干し首は2017年にバチカン美術館から約100年ぶりに返還されたもので、以降博物館で展示されています。

横のパネルには干し首の作りかたがパネルで解説されていますので、ぜひ目を通してみてください。頭蓋骨を外した後にゆでられた首は、目、鼻、口を縫って表情を整えていきます。目や鼻を縫うのは、頭に残った復讐心を外に出さないためです。ほかではみられない博物館屈指の見どころでしょう。

(※画像はイメージです)

先住民の生活を再現したジオラマ

博物館のメインとなる民族文化の紹介ブースでは、エクアドルの先住民族の生活風景を再現したジオラマが展示されています。カラフルな民族衣装に身を包み、マラカスや木琴を演奏するものや、背景に夕焼けが描かれ、まるでお祭りのワンシーンを演出したもの、頭に笠を被り、丸めた糸を手に踊りを披露するものなど、ジオラマが織りなす状況も千差万別です。

小屋の中で過ごす夫婦を表現したものでは、女性は織り機を使って織物を制作しており、男性は中央の椅子に座り、工芸品のようなものを作っています。当時の仕事の様子を再現したものでしょうか。生活に欠かせないマーケットの様子を表現したものなど、すべて見学して回れば、かつてのエクアドルの風景が心に響くはずです。ジオラマの細かな作りのこだわりにも注目してみてください。

おわりに

エクアドルのクエンカにあるプマプンゴ博物館の歴史や見どころを紹介してきました。銀行の敷地内に併設された建物はとてもモダンな印象。館内では主にエクアドルの民族文化や歴史について知ることができるでしょう。また、アート鑑賞やエクアドルの硬貨の変遷を楽しむこともできます。時期によって異なる企画展も開催されていますので、そちらも合わせて楽しんでみてください。これまでに、エクアドルの著名な芸術家の展覧会などが開催されています。

プマプンゴ博物館を訪れたら、ぜひそのままクエンカの街を散策してみてください。クエンカは「魔法にかけられた街」と呼ばれる、崖の上にある美しい街です。自然と一体化したような景観は、訪れる人たちを魅了してやみません。また、エクアドルの首都キトも見どころ豊富な場所です。

赤道上に位置する巨大な記念碑ミッター・デル・ムンドでは、頂上からのパノラマ絶景や赤道にまつわる展示をした博物館の見学が楽しめます。

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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