ブルネイ海洋博物館:ブルネイの海の歴史を巡る旅

東南アジアの国、ブルネイの海にまつわる歴史を展示したのがブルネイ海洋博物館です。オレンジ色の建物に正面の丸窓がチャームポイント。館内は3つのブースにわかれており、主にブルネイの海洋の歴史を紹介しています。沈没船が積んでいた積み荷やリアルな船の模型は、ブルネイ観光のハイライトのひとつとなるでしょう。同じ敷地内にはマレー技術博物館もあり、セットで訪れるのがおすすめです。ブルネイ海洋博物館の歴史やコレクションを紹介します。

ブルネイ海洋博物館とは

ブルネイ海洋博物館は「世界一豊かな国」ともいわれる、東南アジアの小国ブルネイにあります。ブルネイは、国王がスルタン(イスラム世界の君主)の称号を持つ立憲君主制の国家です。国土はマレーシア領にまたがって2分されており、未開発の密林地帯が多く自然が豊かです。国土には4つの川が流れており、主要な町はすべて川の沿岸で発展を重ねてきました。また、ブルネイの国土の北側は南シナ海に面しており、貿易などの海洋文化も盛んです。石油や天然ガスの輸出を通して経済を豊かにしてきたブルネイは、海との関係性がとても深いといえるでしょう。

(※画像はバンダルスリブガワンにあるオマールアリサイフディエンモスクです)

そんなブルネイの海にまつわる博物館が、ブルネイ海洋博物館です。ブルネイの首都、バンダルスリブガワンの中心地からおよそ6kmの距離にあります。設立を果たした2015年以降、ブルネイを代表する観光スポットのひとつとして注目を集めてきました。建物は赤いレンガのような格子模様が特徴で、入口の上にある水色の屋根が外観のアクセントになっています。屋根の上部には潜水艦のような丸窓があり、どこか可愛らしい印象を与えるでしょう。入口前には船の舵を模した案内板があり、営業時間や営業日の告知をしています。

建物の周辺にはヤシの木が生い茂り、南国然とした雰囲気を楽しませてくれます。横にある浅めの池には噴水のほか、水上集落の模型が設置されています。これはおそらく世界最大の集落、カンポン・アイールをイメージしたものでしょう。再現されたジオラマはそれ自体がひとつの作品になっています。底に張られたカラフルなタイルとともに、涼しげな印象を与えてくれます。館内に進む前に、まずはこの水上集落のジオラマを楽しんでみてください。

ちなみにカンポン・アイールの伝統的な暮らしぶりを展示したマレー技術博物館は、海洋博物館と同じ敷地内にあります。ぜひ合わせて訪れてみてはいかがでしょうか。

海洋博物館は大きく3つのブースにわかれており、そのうちの2つが常設展、ひとつが企画展用に使用されています。時期によっては常設展以上に企画展を楽しめることもあります。過去の企画展では複数の乗り手によるボート競技、レガッタに関するものが開催されていました。博物館を訪れるときは、企画展の内容もチェックしてみてください。

(※画像はイメージです)

ブルネイ海洋博物館のコレクション

ブルネイ海洋博物館のコレクションは、主にブルネイの海にまつわるものです。水上集落で使用されている木造りの船やエンジンを搭載したモーターボート、水上用のガソリンスタンドの模型なども展示されています。ガソリンスタンドは黄色の素地に「Shell」の文字が輝くデザインで、陸にあるスタンドと大きく見た目は変わりません。また、島を模した巨大なジオラマや帆船の模型、ビーチで束の間の休息を楽しむ人々の姿を再現したジオラマなど、多種多様です。

天井が高く開放的なブースでは、パネルを用いた解説も充実しています。展示を通してブルネイと海の関連性を広く理解することができるでしょう。

ここからは、ブルネイ海洋博物館の主要なコレクションを紹介します。

(※画像はイメージです)

沈没船の積み荷の展示

常設展のひとつは「ブルネイの難破船」に関するものです。所蔵されている品々の総数は13,500点以上、年代は15世紀から16世紀のものと推測されています。ブルネイはベトナムや中国などと海を介して貿易を行ってきました。そのなかには役目を果たすことができず、海の底に沈んでしまった沈没船もあります。

このブースでは沈没した船の模型や、沈んだ船から回収した品々を展示しています。船の模型は半分ほどの大きさで、当時のように貿易品を積み込んだ状況を再現しています。陶磁器やスパイス、織物など、当時の貴重な品々には驚きを隠せないでしょう。貿易国であるベトナムや中国の伝統的な衣装も必見です。

展示されている陶磁器は年代ごとに分けられておらず、製造年度はバラバラです。なかにはお宝と呼べるような価値の高いものも眠っているかもしれません。ブルネイの難破船は、海洋博物館のメインともいえる内容です。ぜひじっくりと見学してみてください。

海洋生物の標本

博物館に入るとまず目に入るのが、巨大な海洋生物の骨格標本です。見事に生き物の形を残した標本は、価値も相当に高いものでしょう。クジラの巨大な骨は、博物館のシンボルとして親しまれています。館内の写真撮影はここでのみ許可されていますので、記念撮影をするにもおすすめの場所です。

おわりに

ブルネイの海にまつわる展示がされている、ブルネイ海洋博物館の歴史とコレクションを紹介してきました。南シナ海に面したブルネイは海とのつながりも深いです。そんなブルネイと海の関係を紐解くのに、ここ以上の場所はないでしょう。2015年に設立と比較的新しい施設で設備も十分に整っており、散策中の休憩に訪れるにも最適です。そんな博物館でのんびりと見学を楽しんでみてはいかがでしょうか。

(※画像はバンダルスリブガワンにあるカンポンアイールの高床式村のモスクです)

ブルネイ海洋博物館と同じ敷地には、ブルネイの水上集落カンポン・アイールの伝統的な家や生活様式をジオラマで展示した、マレー技術博物館があります。精巧に作られたマネキンとともに展示されていますので、実際のシーンをありありと想像できるでしょう。バンダルスリブガワンの南に位置するカンポン・アイール自体を訪れてみるのもおすすめです。

また、1994年に開業した東南アジア最大の遊園地、ジュルドン・パークも観光スポットのひとつとなっています。

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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