ボーヂョーアウンサン博物館:独立の英雄ボーヂョーアウンサンのかつての住居

東南アジアのミャンマーにあるのがボーヂョーアウンサン博物館。ボーヂョーアウンサンはビルマ建国の父として知られ、またミャンマーの非暴力化民主主義運動の指導者、アウンサンスーチーの父親としても知られています。博物館はそんなアウンサンが晩年を過ごした家を改装したもので、ミャンマーの英雄の歴史や暮らしぶりを公開しています。今なおミャンマーの人々の厚い尊敬を集める英雄、その軌跡を知るのにここ以上の場所はないでしょう。ミャンマーにあるアウンサン博物館の歴史や見どころを紹介します。

アウンサン博物館とは

アウンサン博物館があるのは東南アジアの国ミャンマーです。ミャンマーは世界屈指の仏教大国として知られ、寺院や仏塔が立ち並ぶ名所古刹な観光地としても人気の国です。1948年にビルマとして独立を果たし、1989年からはミャンマーに改称され、新しい歴史を刻んできました。

(※画像はボーヂョーアウンサンです)

(※画像はボーヂョーアウンサンです)1948年のビルマ独立の立役者ともいうべき人物が、ボーヂョーアウンサンです。アウンサンはビルマ建国の父と呼ばれ、ミャンマーの紙幣にその肖像が幾度となく使用されています。

1915年、独立運動家の家系に生まれたアウンサンは、大学在学中に機関誌の編集者として勤務していました。そこで記事の筆者をかばったことが問題となり大学を退学。その出来事をキッカケとして大学でストライキが発生しました。その影響で退学を取り消されたアウンサンは学生連合のリーダーとなります。その後1939年に結成されたビルマ共産党では初代書記長に就任し、その後もビルマ独立のために奔走を続けました。

そんなアウンサンが暗殺されたのが1947年、32歳のときでした。翌年の1948年にビルマは独立を果たしていますが、その節目を直接見ることは叶わなかったのです。アウンサンの名前は栄誉の勲章とされ、国内最高の栄誉賞「アウンサンの旗」にその名前が刻まれています。また、ミャンマー非暴力民主化運動の指導者であり国家顧問を務めるアウンサンスーチーは、アウンサンの長女です。独立の英雄の強靭な意思は変わらず脈々と受け継がれています。

ボーヂョーアウンサン博物館は、アウンサンが1945年5月から1947年7月まで過ごした家です。建物は改装され、1960年に博物館として一般公開されました。年間の来場者数は2万人を超える人気の施設で、その多くはミャンマー人です。しかもミャンマーの人々は正装で訪れることが多いといわれています。その事実からも、アウンサンが今なお厚い尊敬を集めていることが伺えます。

建物は3階建てのコロニアル様式です。白と黒のシンプルかつモダンな建物からは、家庭が裕福であったことが伝わってくるでしょう。正面には庭園があり巨大な池やテラスも併設されています。入口には屋根付きの回廊が増築され、施設の拡充が図られました。博物館として公開されているのは建物の1階と2階で、3階は老朽化のため直接見ることは叶いません。2018年から2019年にかけて大規模な改装がおこなわれ、ますますの人気と注目を集めるようになりました。

ビルマ建国の英雄ボーヂョーアウンサンが過ごした家。現在博物館として公開されている内部では、いったいどのようなコレクションが見られるのでしょうか。

(※画像はアウンサンスーチーです)

ボーヂョーアウンサン博物館の見どころ

ボーヂョーアウンサン博物館には、アウンサンとその家族が使用していた当時の家具や書物、衣類などが大切に保管されています。壁には家族の写真やアウンサンの年表なども貼られており、その歴史を辿ることができます。また、アウンサンスーチーも幼少期をこの家で過ごしており、当時使用していた子供用のベッドが、2階の子供部屋に展示されています。

博物館の1階にあるのは居間と食堂です。窓が大きく天井も高めで、かつ風通しもよいため、広々と感じられるでしょう。家のなかでも生活の中心となっていた場所です。2階にあるのはアウンサンが使用していたとされる書斎と子供部屋です。綺麗な木目のキャビネットには整然と本が並べられています。椅子にはアウンサンのマネキンが設置され、本に没頭する様子が再現されています。生前はこのようにして本を読んでいたのでしょうか。

また、子供部屋には天蓋付きの子供用ベッドが3台並んでいます。そのうちのひとつはアウンサンスーチーが使用したもので、それぞれ名前が記されているので容易に判断できるでしょう。

アウンサンが使用していた車

館内の展示からは、アウンサンとその家族の生活ぶりが色濃く伝わってきます。アウンサンが実際に着用した服や肖像を使用した切手など、展示品のジャンルは多岐に及んでいます。

アウンサンの車は、博物館に入場してすぐの場所に展示されており、ガラスケースに囲まれた黒色の外観からは、価値の高さが伺えます。イギリス製の車に乗って、アウンサンは幾度となくドライブに繰り出したのでしょう。車は今にも動きだしそうなほど、美しく整備されています。正面にはパネル解説もあるので、ぜひじっくりと読んでみてください。

おわりに

ビルマ建国の父と呼ばれる英雄が晩年を過ごした家、ボーヂョーアウンサン博物館の歴史や見どころを紹介してきました。アウンサンは今日のミャンマーの歴史を左右した偉人。その軌跡を辿ることで、感銘を受けることもあるでしょう。博物館からはアウンサンの人柄や情熱、そして家族に傾けた深い愛情が伝わってきます。ミャンマーの首都ヤンゴンを訪れたら、ぜひ足を延ばしてみてください。

ヤンゴンにある国内最大のスタジアム、ボージョーアウンサン・スタジアムも、同じくアウンサンの名前を冠した施設です。サッカーのミャンマー代表がホームスタジアムとしていることでも知られています。

また、博物館近隣にあるカンドージー公園は自然が豊かで、公園内にある水上レストランの華やかなたたずまいは一見の価値ありです。

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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