マレー技術博物館:ブルネイの伝統技術を展示した博物館

東南アジアの小国ブルネイにあるのがマレー技術博物館です。博物館内では主にブルネイの水上集落、カンポン・アイールの伝統的な建物や暮らしぶりを公開しています。大きな規模ではありませんが、地域の伝統的な生活様式を知るのにこれ以上の場所はないでしょう。また、ジオラマに設置されたリアルなマネキンにも注目です。ブルネイにあるマレー技術博物館の歴史や見どころを紹介します。

マレー技術博物館とは

東南アジアの小国ブルネイは、「世界一豊かな国」ともいわれる立憲君主制の国家です。世界第3位の面積を誇る島、ボルネオ島の北部にあり、国土の多くを熱帯雨林が占めている自然溢れる国でもあります。あまり知られていませんが、ボルネオ島の「ボルネオ」はブルネイがなまったものです。首都はバンダルスリブガワンで、ブガワンはサンスクリット語で「神」を意味する言葉です。ブルネイ川の下流に位置する街は穏やかで治安がよいことで知られています。

マレー技術博物館は、そんなバンダルスリブガワンの中心部からおよそ6kmの所に位置しています。建物はブルネイ博物館の隣で、近隣には海洋博物館もあります。技術博物館は1988年にブルネイ国王によって開館しました。赤色の屋根と白色の外壁がシンプルな建物は、オランダとイギリスの石油会社であるロイヤル・ダッチ・シェルが、ブルネイ独立時に寄付したものです。天然資源が豊富なブルネイらしい経緯でしょう。

(※画像はカンポン・アイール水村の風景です)

博物館の名前は「技術博物館」、そのため科学や先進的なテクノロジーに関する展示を想像するかもしれません。ですが実際に館内で公開されているのは、ブルネイの伝統的な「暮らし」に焦点を当てたコレクションです。見学を通して、ブルネイの古くから伝わる伝統的な生活様式を知ることができるでしょう。館内は広く混雑も少ないため、ゆっくりと見学できます。

また周辺は自然豊かで、時折サルなどの野生動物の姿も目に入ります。散策がてら訪れるにも最適の場所です。そんなマレー技術博物館の見どころは、いったいどのようなものなのでしょうか。

(※画像はカンポン・アイールです)

マレー技術博物館の見どころ

マレー技術博物館で公開されている主な展示は、ブルネイが誇る水上の集落カンポン・アイールに関するものです。

カンポン・アイールは世界最大の水上集落といわれている地域です。地域内には42の村があり、およそ4万人の人々が暮らしを営んでいます。建物と建物を繋ぐ橋の総長は29km以上にもなり、人々は器用に橋の上を歩いて移動します。集落には学校や警察署、消防署や病院もあり、巨大な一大文化圏を形成しているのです。その歴史は1300年以上も続いています。

カンポン・アイールはその歴史上「東洋のベニス」と絶賛され、注目を浴びてきた背景があります。水上とはいえ、電気や水道などのインフラは万全に整備されており、暮らしに困ることはありません。陸地と集落を往来するボートや水上タクシーには、観光客も乗船することができ、束の間の異文化を楽しむことができます。首都のバンダルスリブガワンの南部にあり、アクセスも完備されていることから、ブルネイ屈指の観光地としても知られている地域です。

マレー技術博物館で公開されているのは、そんなカンポン・アイールの伝統的な家や小屋のジオラマ、造船や錬金術にまつわるコレクションです。館内は大きく3つのブースにわかれており、それぞれに異なる展示をしています。また、館内の最初にある知恵の輪も見逃せません。木製の知恵の輪はかなり大きく、2つの輪が対になる形になっています。

ここからは、マレー技術博物館の各ギャラリーを紹介しましょう。

カンポン・アイールの伝統家屋ギャラリー

伝統家屋ギャラリーでは、19世紀から20世紀にかけてのカンポン・アイールの家屋が置かれています。主に木を使った建物の数々は、まさしく人類の叡智の結晶でしょう。その展示は過去から現在にまで至る、伝統的な家の構造を知ることができます。それぞれのジオラマにはリアルなマネキンが設置されており、博物館のこだわりと情熱が感じられます。マネキンがあることで、当時の生活が目に浮かぶようです。

カンポン・アイールの伝統的な技術ギャラリー

技術ギャラリーでは主にカンポン・アイールの造船や錬金術、真鍮や衣類の製造についての展示がおこなわれています。漁に使用する特殊な形状の網ビントゥルや、刀などの装飾技術についても理解を深めることができるでしょう。また、壺や皿など生活に欠かせない品々も沢山あります。1300年以上の歴史を誇る水上集落の技術を、ぜひ知ってみてください。

内陸の伝統的な技術ギャラリー

上記の2つのブースでは水上に暮らす人々に焦点が当てられていたのに対し、内陸ギャラリーでは主に内陸に暮らす人々の家の構造や工芸品などを紹介しています。水上に暮らす人々の家や、工芸品とは明らかに違う展示の数々に驚くことは間違いないでしょう。それぞれを比較することで、ブルネイの文化の歴史を感じることもできるはずです。

おわりに

ブルネイにあるマレー技術博物館の歴史や見どころを紹介してきました。水上集落カンポン・アイールの伝統的な家の構造や工芸品など、希少な展示を目にすることができるでしょう。館内は写真撮影も可能で入場も無料です。近隣にあるブルネイ博物館や海洋博物館と合わせて、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。混雑することはあまりないですが、運がいいと貸切り気分を味わうことができます。周辺には自然も豊富に満ちています。

マレー技術博物館の展示の中心にあるカンポン・アイールは、首都バンダルスリブガワンの南側にあります。博物館を訪れたあとに足を運べば、より楽しむことができるでしょう。また、ブルネイにはスルタン・オマール・アリ・サイフディン・モスク、通称オールド・モスクと呼ばれる建物など、観光スポットが沢山あります。自然も豊かで休暇を過ごすにもおすすめです。

公式サイト

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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